カカト着地|お悩み別ランニングフォーム改善トレーニング集
RUNNING style 編集部
- 2021年03月07日
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プロのコーチが読者ランナーのフォームをチェックし改善メニューを提案してきたRunning Styleの好評連載企画から、よくあるお悩み別に改善メニューをまとめてみました。あなたのフォームとそっくりな読者ランナーが見つかるかも? メニューを参考にフォームを改善して、快適ランを手に入れましょう! 今回のテーマはズバリ「カカト着地」です。脚への負担が大きいカカト着地は、故障の原因となるのでなるべく早く改善したいもの。改善できればスピードアップも期待できますよ!
チャレンジャー西田晴樹さんのケース
テニスの経験もあるという西田さんは、次の大会でサブ4達成を目標にトレーニングに取り組んでいるそう。体幹で上半身をしっかり支えられており、脚も前に蹴り出せているのですが、着地がカカトに近い場所になってしまっています。姿勢の改善が必要です。
【フォーム改善1】肩周りの柔軟性を高め腕の可動域を広げる
肩周りの柔軟性を高めることで、無理なくダイナミックに腕が振れるようになるエクササイズ。両腕を後ろで組み、引き伸ばします。そのまま、腕を持ち上げるとより効果的です。肩周りはもちろん、肋骨周辺の筋肉のストレッチ効果も得られます。
さらに、こちらのストレッチも有効。柱など捕まるものがある場所で片腕を支え、上体をひねることで肩周りから胸の筋肉をストレッチさせます。上のストレッチと合わせて走る前にリズムよく各30秒ずつ行いましょう。
【フォーム改善2】体幹と裏側の筋肉を集中的に強化するリフトドリル
片ヒザを90°ほどに曲げた状態から、一気に上体ごと引き上げます。尻やハムストリングスに力が入っていることを確認して。“ベンチ” のように、上に乗られても潰れないくらい安定させます。太モモの裏側を使えるようになり、ヒザやふくらはぎの負担軽減にもつながります。
▼さらに詳しい西田さんのフォーム改善エクササイズはこちら
チャレンジャー漆畑博子さんのケース
ファンランイベント参加をきっかけに、フルにも挑戦するほどのランナーになった漆原さん。長くランを楽しむために、故障のないフォームを身につけることを希望しています。大久保コーチは、全体的な筋力不足のために腰が落ち、カカト着地になっていると分析。筋力強化と意識づけの両面でフォーム改善に臨みます。
【フォーム改善1】着地の意識づけができる動きづくり
まず股関節の動きや可動域を感じながら、片脚を高く引き上げていきます。上半身はまっすぐ正した状態で、ゆっくり進みながら行いましょう。引き上げた脚を大きく前に出してから、体の真下で着地します。このとき、カカトからではなくつま先から着地することがポイント。
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チャレンジャー田中寿朋さんのケース
サブ4を目標にトレーニングに取り組んでいる田中さん。全体的にフォームが硬め。肩に力が入り、姿勢も立ちすぎているため、動きにブレーキがかかってしまう状態になってしまっています。カカト着地は、前モモやヒザへの負担が大きいので改善して故障の少ないフォームにしていきます。
【フォーム改善1】着地の意識付けドリル
前傾姿勢を保持した状態で、前に進みながら大きくモモを上げます。股関節からしっかり脚を引きつけることを意識しながらリズミカルに行いましょう。ラン前に左右10回ずつ取り組む。
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チャレンジャー田中麗子さんのケース
卓球の経験もある田中さんは、週5〜6回のトレーニングに取り組んでいるとのこと。故障なく長く走れるフォームを身につけ、ホノルルマラソン完走を目指します。一見力強く見える腕振りですが、後方への振りが弱いようです。腕を抱え込んでしまうクセのためい重心が後方に残り、カカト着地になってしまっています。
【フォーム改善1】腕を後ろに引きやすくする
肩甲骨まわりの可動域を広げて、腕をしっかりと引けるようになるエクササイズ。まずは、肩甲骨を意識しながら腕を上下に動かします。つぎに、腕を前方に出した状態から、肩甲骨を引き寄せるイメージで後ろに引いてください。腰が反らないように、おへそを背中に押し込める意識を保ちながら取り組みましょう。走る前に各10回ずつ。
【フォーム改善2】衝撃の少ない着地のマスター
体への衝撃が少ないスムースな着地を意識づけるエクササイズ。足の下に「ツナ缶」が置いてあり、それを真上から踏みつけるイメージで着地動作を繰り返します。地面とフラット気味に踏むことで、ブレーキの少ないスムースな着地を習得できます。走る前に左右20回ずつ行いましょう。
▼さらに詳しい田中さんのフォーム改善エクササイズはこちら
チャレンジャー佐々木学さんのケース
運動不足解消のため走り始めた佐々木さん。ハーフを2時間10分で完走するのを目標にトレーニングしているそう。反り腰とカカト着地のために、着地するたびブレーキがかかってしまう状態を改善し、スピードにのりやすいフォームに改善していきます。
【フォーム改善1】体幹と内転筋を強化するスロー筋トレ
まず、太モモでボトルやタオルなどを挟み、片腕を真上に上げます。もう片手は腹筋に添えると、筋肉に力が入っているかどうか確かめやすくなります。勢いはつけずに上体をゆっくりと起こし、上げた腕を対角線上に下ろします。このとき、つま先が浮かないように内転筋を効かせることがポイント。
▼さらに詳しい佐々木さんのフォーム改善エクササイズはこちら
カカト着地は脚への負担が大きく、故障なく長く走るためには早期に直したいクセのひとつです。ただ、一口にカカト着地といっても、それを引き起こしている要因は人それぞれ。筋力不足だったりコンパクトな腕振りだったりと、なかなか要因を自分で探し当てるのは難しいかもしれません。自分と痛む場所やクセが似ている人は、改善メニューも当てはまる可能性大。ぜひ読者ランナーの例を参考に、メニューを取り入れてみましょう。
コーチ紹介
真鍋未央
現役時代、資生堂で実業団選手として活動した経歴をもつランニングアドバイザー。現在は、楽しく、美しく、速くをモットーに、クラブや企業などを対象にしたランニングイベントを開催。
公式ブログ:「Miobiyori 〜Beautiful Running Life〜」
大久保絵里
マラソンランナーとして、コナマラソン優勝、ストックホルムマラソン2位など、多くの国際マラソンで活躍。プロアスリート転向後はファイバーゲートに所属し、国内外のレースを転戦している。ベストタイムは、2012年東京マラソンの2時間26分08秒。
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PROFILE
RUNNING style 編集部
ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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