10㎏オーバーも夢じゃない!!福島県沖のヒラメ・ゲーム【PART1】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月05日
数も釣れれば、サイズもいい。昔に比べて魚が釣れなくなったと言われて久しいが、いま日本でそんなフィールド、そしてターゲットがここ福島沖のヒラメ以外にあるだろうか……?
それは、「日本一ヒラメの魚影が濃く、サイズもいい」と言われるほど。その釣れっぷりは、もう事件です!
魚影もサイズも日本一!釣れるのには理由がある
とにもかくにも、釣れる、釣れる。ダブル、トリプルは当たり前。もちろんそれ以上もあった。船中あちこちで次々とロッドが大きく曲がる。その魚影の濃さは、〝日本一〞と言っても過言ではないだろう。
アベレージサイズもすこぶるいい。平均60㎝、80㎝以上も珍しくない。
2020年9月中旬に行われた、フィッシングクラブ「オーシャンズ」と釣り具メーカー「ゼスタ」合同のヒラメ釣行の模様だ。場所は、福島県・久之浜港の沖合である。
「海底はおそらくヒラメの絨毯。ヒラメが折り重なるようにしているのだと思います。まさにヒラメのミルフィーユです(笑)」とは、地元・福島県いわき市在住、タックルベリーいわき店スタッフの賀沢洋則さんだ。賀沢さんはこの福島県沖ヒラメを5年以上にわたって攻略し、独自の理論で高い実績を上げている。
ちなみに、賀沢さんが過去に釣り上げたヒラメの最大は、なんと109㎝。
「重さは正確には量っていませんが、おそらく10㎏は超えていたと思います。私が確認している最大は、漁師が獲った14㎏。10㎏オーバーはかなりの数がいると思います。夢の10㎏オーバーヒラメも、ここでは夢ではありません」
ではなぜ、福島県沖ではこれほどまでヒラメが釣れるのだろう?
その大きな理由のひとつが、地元漁協による放流事業だ。年間10万尾ものヒラメを毎年放流しているという。
とはいえ、たくさん釣れるからと釣れただけ持ち帰れば、それほどたくさん放流を行っていたとしてもいずれいなくなり、アベレージサイズも下がってしまうだろう。
そこで地元漁協では、「50㎝以下はリリース」というルールを定めている。さらに一部の船宿やアングラーたちは、キープは5尾までと独自のルールも設定し、資源保護に努めている。釣行される際は、ぜひ積極的にご協力いただきたい。
そんな福島県沖のヒラメゲームのシーズンは、早ければ例年6月頃から始まり、おおよそ11月いっぱいまで。なかでも、7〜9月の真夏がベストシーズンだという。
ポイントの水深は、ピークとなる8月のお盆過ぎ頃が最も浅く、20ⅿ台がメイン。ヒラメの活性はかなり高く、アグレッシブにルアーを追うという。9月から10月いっぱい頃までは30〜60ⅿで、10月後半から11月いっぱいは60〜90ⅿと深くなる。その後はさらなる深みに落ちてしまうため、シーズン終了となる。
▲船は福島県・久之浜港の「及川丸」。大ベテランの及川初夫船長が案内してくれた。及川丸は2隻態勢で、通常乗合船は後ろに見えるフル装備の大型船で出船中だ。福島県沖のヒラメは、例年であれば11月いっぱいまでがシーズンだ。
▲2020年9月中旬に行われた、フィッシングクラブ「オーシャンズ」と釣り具メーカー「ゼスタ」合同の福島ヒラメ合宿釣行に同行した。
▲フィッシングクラブ「オーシャンズ」代表の海野氏(左)と、地元福島県いわき市在住で、タックルベリーいわき店スタッフの賀沢さん。
▲ダブルヒットや3人同時ヒットも珍しくない。それほどここの海はヒラメの魚影が濃い。他のエリアでは十分なキープサイズだが、ここではリリースしてもいいぐらいだ。
タックルはベイトメインで10㎏オーバーを想定
さてここからは、賀沢さんがこれまでの経験から導き出した〝独自〞の福島ヒラメ攻略スタイルを紹介してみたい。〝独自〞とは、〝大型を狙って釣るためにはどうしたらよいか〞というものである。
▲独自の理論で大型を狙って釣る賀沢さん。実際、賀沢さんは大型のヒットが誰よりも多かった。これも見事なヒラメだ。
「尾数制限があるので、多くのアングラーは、せっかく持って帰るならより大きいほうがいい、と思うはずです。また、10㎏級も夢ではないとなれば、やはりそのサイズを狙いたいとなるのではないでしょうか。つまり、〝いかに大型のみを狙って釣るか〞ということです。そこにゲーム性が生まれます」
まずはタックルだ。
賀沢さんが用意するのは、メインとなるベイトタックルと、広範囲を探るためのスピンスローの2種類である。
ベイトタックルは、ロッドはゼスタのスロージギング用「スローエモーション for ショートピッチジャーク」のB5102、B5103、B5104の3機種。強さでいえば、#2、#3、#4となる。リールは1500番クラス、PEラインは1・5号である。
「リーダーは、私はフロロカーボンの25lbをメインに20〜25lb(5〜7号)を使いますが、ヒラメは歯が鋭く、根周りを攻めることも多いので、また大型狙いということで、30〜35lb(8〜10号)をお客さんにはすすめています」
リーダーの長さは2ヒロ(約3ⅿ)でOKだ。
スピンスローのタックルは、ロッドはゼスタの「スローエモーション for スピンスロージャーク」のS652とS653の2機種で、#2、#3クラスとなる。リールはスピニングの5000〜6000番で、PEラインは1.2〜2号を巻いている(リーダーはベイトタックルと同じ)。
▲賀沢さんのタックルはベイトをメインに、より広範囲を探るためのスピンスローも用意。ロッドはすべてゼスタ製。
【この記事は2020年11月現在の情報です】
10㎏オーバーも夢じゃない!!福島県沖のヒラメ・ゲーム【PART2】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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