
バイシクル・オブ・ザ・イヤー2025は異例の2台が受賞「アンカー・RE8」と「ウィンスペース・SLC3」

Bicycle Club編集部
- 2025年03月19日
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自転車ジャーナリストが2025を象徴するロードバイク1台を決める「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2025」。その年に発表されたロードバイクの中からフリーランスの自転車ジャーナリストが選ぶ年間大賞がいよいよ発表、2025年は「アンカー・RE8」と「ウィンスペース・SLC3」の2台が大賞に選ばれた。
史上初の2台同時受賞!変革の時代を象徴する結果となった日本バイシクルオブ・ザ・イヤー

日本バイシクル・オブ・ザ・イヤーは単一メディアに属さないニュートラルな立場にある我々自転車ジャーナリストたちが選考委員を担っている「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2025実行委員会」によって主催されるスポーツ自転車の年間アワード。第8回目となる今回も、メディアに属さないフリーランスの自転車ジャーナリストによる企画・運営体制により、厳正に行われた。
選考対象車種はバイシクル・オブ・ザ・イヤー2024の発表以降に国内で発売された自転車。そのなかから選考委員がリストアップ、さらに「2025年のスポーツ自転車を代表する5ベスト」として選考されたものだ。
そのノミネートされた5BESTの中から選ばれたのが今回の2台。採点方式はひとり持ち点5点で、1モデルへの最高配点3点として採点。集計の結果、バイシクル・オブ・ザ・イヤー2025の大賞は、史上初の同点となる8点を獲得した「アンカーRE8」、そして「ウィンスペース・SLC3」の2台に決定。
日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー初の2台同時受賞、かつヨーロッパブランドやアメリカンブランドを押しのけ、日本&中国ブランドが大賞に選ばれるなど、新時代の到来を予感させる結果となった。
アンカー・RE8
価格:93万5000円(税込、アルテグラ完成車)
SPEC
フレーム:プロフォーマットT800+T700カーボン
フォーク:プロフォーマットカーボン
コンポーネント:シマノ アルテグラ R8150 Di2(12S)
ハンドル:アンカーカーボンエアロ
ステム:アンカーエアロステム
ホイール:DTスイス ERC1400
チェーンリング:シマノ アルテグラ(50-34)
スプロケット:シマノ アルテグラ(11-30)
タイヤ:ブリヂストン エクステンザ R1X(28C)
カラー:フォレストカーキ、オーシャンネイビー、
ストーングレー(全3色展開)
サイズ:390、420、450、480mm
問:ブリヂストンサイクル https://www.bscycle.co.jp/anchor/
ウィンスペース・SLC3
価格:36万8000円(税込、フレームセット)
SPEC
フレーム:T1100+T1000+M46+M65カーボン
フォーク:カーボン
フレーム重量:699g±30g(未塗装Mサイズ)
カラー:カーボンブラック、ポーラーブラック、ポーラーホワイト、
ヴェノム、グレイズ、スカーレッド、フロストバイトブルー(全7展開)
サイズ:XS、S、M、L、XL
※一部カラー
(ヴェノム、グレイズ、スカーレッド、フロストバイトブルー)
40万8000円(税込、フレームセット)
問:ウィンスペース・ジャパン https://winspace.jp/
日本と中国のミドルグレードが選出

前回に2024と同様に、採点は試乗だけでなく、時代性、コンセプトや技術的な革新性、影響力、価格等、あらゆる側面を総合的に評価。すべての選考委員が特別な配慮なしに、責任を持って採点が行われている。それぞれのコメント、配点をピックアップすると以下のとおりだ。
難波:ウィンスペース・SLC3ですが、今回私が点を入れたレーシングバイク(トレック・マドン、ピナレロ・ドグマ、ウィンスペース・SLC3)の3台でよーいドンのレースをしたら、おそらく勝つのはドグマ。次にマドン。でも展開によってはウィンスペースが勝つかもしれない。そのくらい性能差が小さかった。
安井:僕はウィンスペース・SLC3に2点、アンカー・RE8とピナレロ・ドグマとコルナゴ・C68グラベルに1点ずつ。唯一2点を入れたウィンスペース・SLC3ですが、正直に言うと後ろ向きの2点なんです。この価格でこの性能を出したことは評価すべきで、短期間でよくぞここまで来たなと思うんだけど、フレームで40万円近い。周りが上がってるから安く思えるだけで、冷静に考えると十分高い。一昔前だったら「最高の走りをして当たり前だよね」という価格帯。
橋本:私はアンカー・RE8に2点、トレック・マドンに2点、ウィンスペース・SLC3に1点です。アンカー・RE8は長時間乗っても全く疲れない優しい性格なのに、エンデュランスロードにありがちな引きずられる感じがない。見た目もレーシーだし、これは幅広い人に合うモデルが登場したと感じました。
吉本:正直言うと、「決定打がない」というのが今回の5BESTの印象です。許されるのであればオール1点にしたかったくらい。でもそれは採点ルールで禁じられているので、アンカー・RE8に2点、ウィンスペース・SLC3に2点、コルナゴ・C68グラベルに1点としました。
浅野:僕はウィンスペース・SLC3に2点、アンカー・RE8に2点、トレック・マドンに1点。ウィンスペースに関しては価格に対するパフォーマンスが圧倒的だったので。
今回発表された受賞モデルのスペックや、審査員のコメントなどは、3月19日発売のバイシクルクラブ最新号(Bicycleclub 5月号)で詳しく紹介されている。審査員による座談会の様子も詳しく掲載。忖度なしの各選考委員が「なぜそのバイクを選んだのか?」をぜひチェックしてほしい。


ベストパフォーマンス賞は「アルテマ・ライラス」
昨年から新設されたベストパフォーマンス賞はアルテマ・ライラスが受賞。ベストパフォーマンスロード賞は、BOTYノミネートバイクの中から年間大賞候補の5BESTを除き、完成車価格で50万円以下のモデルの中から各審査員が3台を選び、合計得票数が多いモデルに与えられる。投票の結果、ライラスとジャイアント・GJ-35 LTDの2台が満票の5票で並んだものの、後者は限定モデルであることから受賞を辞退。アルテマ・ライラスがその栄冠に輝いた。
アルテマ・ライラス
価格:13万1780円(税込、完成車)
SPEC
価格:13万1780円(完成車)
メインコンポーネント:シマノ・クラリス
ハンドル:アルミ
ホイール:21mmハイトアルミリム、ノバテック32Hハブ
タイヤ:マキシス・パーサー700×28C
カラー:1色
サイズ:430mm※、480mm、520mm※(※近日発売)
問:ダイワサイクル https://ec.daiwa-cycle.co.jp

受賞モデルの詳細や採点コメントなどはバイシクルクラブ最新号でチェック
日本バイシクル・オブ・ザ・イヤーは「スポーツバイク界の時代を写す鏡」。注目のモデルをより深く知るだけでなく、現代のスポーツバイクトレンドにも詳しくなれるだろう! ぜひ最新号をチェックしてみてほしい。
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