DE ROSA(デローザ)・アニマ|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2018年10月04日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、デローザの金属フレームに対する思いを具現化したモデル、DE ROSA・ANIMA(デローザ・アニマ)を管洋介がテスト!
伝統と先進性が織りなす至極のチタンバイク、アニマ
イタリアで古くからロードバイクのトップブランドとして君臨するデローザ。1953年にウーゴ・デ・ローザが創業した同社の原点はスチールフレームであり、カーボンバイク全盛の現代においても、その魅力が色あせることはない。そしてスチールフレームを製作していたデローザが次世代の素材として着目したのがチタン。チタンはより軽量で強い特性がレーシングバイクに適した素材として、長きにわたってスチール同様に製作されている。
今年はウーゴがスチールパイプの溶接をはじめてから40年、チタンフレームの製造から25年めの節目の年。2019年モデルとして発表されたアニマは、デローザの金属フレームに対する思いを具現化したモデルとして登場したバイクだ。
トップレンジのレースバイクの座はカーボンに譲るとはいえ、アニマはただ伝統の延長線上にある懐古的なモデルではない。伝統を重んじながらも、ディスクブレーキなど現代のロードバイクとして創造されたバイクだ。リアエンドはレイノルズによる3Dプリンターによって成形されたものであり、シートステーとシートチューブの交点をオフセットしたフォルムは現代のフレーム作りの思想を盛り込んだものだ。
ウーゴの魂を受け継ぎ、常に時代をリードしてきたデローザだからこそ生み出せたモデルがアニマなのだ。
ケーブル類はすべてフレームに内装される。リアブレーキホースはヘッドチューブから内装することでシフトケーブルとの干渉を防いでいる。
シートポストはフレームと同じくチタン製のものが付属する。シートステーはシートチューブ上端より下部にオフセットして接続することで、シートポストのしなりを生かして乗り心地を向上させた。
リアのエンドは3Dプリンターによってレイノルズが成形したもので、スルーアクスルを採用した。フレームのチタンチューブもレイノルズ製を使用する。
金属フレームにはスレッドタイプのBBが多いなかで、大径化とワイド化による効率アップを考慮してBB86プレスフィット規格を採用する。
デローザ
アニマ
108万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:チタン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコード ■ハンドル:FSA・Kフォース ■ステム:FSA・OS99 ■シートポスト:チタン ■サドル:セライタリア・SLRフロー ■ホイール:カンパニョーロ・ボーラワンディスク ■タイヤ:ミシュラン・パワーコンペティション ■サイズ:44、45、46、48、49、50、51、52、53、55、カスタムサイズもあり ■カラー:チタニウム ■試乗車重量:7.3kg(48カスタムサイズ)
※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック
心地いいレスポンスと高級感が同居する
管洋介がインプレッション
アニマの総括的な印象は、ロードバイクの踏みやすさという根本的な部分に深くフォーカスされているところといえる。なんといっても魅力的なのが、チタンのもつ絶妙な剛性と反発のバランスだ。どんなシチュエーションで、どんなギヤを踏んでも、しっとりとペダルを受け止めてくれるバイクだ。クランク位置でいうところの、2時〜4時の踏み心地を楽しんだ後には、まとまりのいいレスポンスで次のペダリングへバトンを渡すフィーリングを作り出してくれる。この連携は非常に滑らかであり、心地いいレスポンスと高級感が同居する走り心地は、玄人をも虜にするだろう。
チタンこそ脈々と受け継がれてきたデローザ伝統の素材であるが、アニマは現代のバイクらしくディスクブレーキを採用した。油圧式とした恩恵によりホースは、フォークとフレームに内装した。チタンパイプのシンプルなデザインにもディスクブレーキが見事に溶け込んでいる。
性能面においてもとくにリアの制動は、スッと軽やかに効きはじめ、制動時のブレードのノイズにまったく嫌みがないのが印象的だ。これはアニマのチタンパイプの振動減衰性が優れていることの表れだ。
アニマはひととおりエアロ、超軽量クライミング、そしてカーボンレーシングバイクと渡って来たユーザーが行きつく至高のバイクだ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:日直商会 www.derosa.jp
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