WILIER TRIESTINA(ウィリエール トリエスティーナ)・チェントウノ NDR|ニューモデルインプレッション
鈴木雷太
- 2019年01月10日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! ブレーキシステムを選べるWILIER TRIESTINA・CENTO1 NDR(ウィリエール トリエスティーナ・チェントウノ NDR)を鈴木雷太はどう見たか?
ブレーキの変更もできるレーシングコンフォート、チェントウノ NDR
110年以上の歴史をもつイタリアのウィリエール トリエスティーナ。過去多くのプロチームにレースの機材供給を行い、現在はプロコンチネンタルチームのディレクトエネルジーが同社のバイクを駆り、そのフィードバックを製品開発に生かしている。
2019年のニューモデル、チェントウノNDRは、レーシングコンフォートをコンセプトに開発された。チェーンステーの特徴的な形状が振動吸収性を高め、さらにジオメトリーも最適化した。レーシングバイクとしての動力伝達性能を維持しながら、ライダーの疲労によるパフォーマンス低下を最小限に抑えたバイクは、レースユーザーのみならず、グランフォンドなどでも真価を発揮する。
もうひとつ特筆すべきは、ストックのダイレクトマウントリムブレーキをディスクブレーキにアップデートできることだ。ディスクブレーキ台座が併設されており、別売りのスルーアクスルキットを使用することで、フラットマウントのディスクブレーキ仕様として使用できる。
じつはリムブレーキにダイレクトマウントが採用されるのもシートステーのしなりをじゃまするブレーキブリッジを排除できることが一因で、ディスクブレーキ化を考慮したもの。チェントウノNDRはレースバイクの枠にとらわれず、あらゆる条件に対応するスーパーマルチバイクといえる
シートステーのブレーキキャリパーよりも後方を薄く扁平させたことで路面からの突き上げなどを吸収する。
フラットマウント台座を装備。エンドも別売りのスルーアクスル用に変更できる。
ケーブル内装工作は、ディスクブレーキのオイルラインにも対応。フォークにもディスクブレーキ用の内装ルートを確保。
プレスフィットBBの採用でハンガー部のボリュームを確保して、入力を余すことなく後輪へと伝達する。
ウィリエール トリエスティーナ
チェントウノ NDR
51万円(デュラエース完成車/税抜)、39万5000円(アルテグラ完成車/税抜)
35万5000円(105完成車/税抜)
■フレーム:46Tカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:リッチー・コンプカーブ ■ステム:リッチー・コンプ 4アクシス ■シートポスト:リッチー・WCSアルミ ■サドル:プロロゴ・スクラッチRS ■ホイール:シマノ・WH-RS100 ■タイヤ:リッチー・コンプ レーススリック ■サイズ:XS ~ XL ■カラー:マットブラック、マットブルー ■試乗車重量:8.1kg(S)
快適性や安定感を備えながらも効率よく前に進むバイク
鈴木雷太がインプレッション
乗り出しで快適性が高いのがすぐにわかった。上りなどでハイペースの加速をしていくと、BBを中心とした部分の横方向のしなりをはっきりと感じた。上りでの加速は大きめのしなりとなる。粘りもあり腰砕け感はなく、しなりの戻りも同時に感じた。
縦方向、つまり進行方向へは、横方向と比較してかなりしっかりとしている印象だ。パワーをかけると横にしなるが前には進む。もたつきや前後輪のバラバラな動きは感じられない。ダンシングやシフトアップ、段差越えなどをすると、フォーク上部がブルッと動くのが視界に入るが、ロスというよりも逃げとなって快適性に貢献している感覚だ。ハンドリングは軽いフィーリングで、横方向のしなりが粘り感につながっている。そのぶんタイヤのグリップを感じやすい安定感がいい感じだ。
前後ともに交換式のエンドを採用したことで、クイックリリースとスルーアクスルが使えるようになり、ディスクブレーキとリムブレーキの選択が可能だ。今回はデフォルトのリムブレーキでのテストだったが、ディスクブレーキ化に躊躇しているユーザーにとって、事後のアップデートが可能なことはうれしい要素といえるだろう。身体への負担が少ないこともあり、グランフォンドやしなり系の乗り味が好きなライダーにオススメのバイクだ。
インプレッションライダー
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得しシドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168cm。
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問:服部産業 www.wilier.jp
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