WILIER TRIESTINA(ウィリエール トリエスティーナ)・チェントディエチ プロ|ニューモデルインプレッション
鈴木雷太
- 2019年01月21日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 優れた剛性バランスと空力性能をあわせもつWILIER TRIESTINA・CENTO10 PRO(ウィリエール トリエスティーナ・チェントディエチ プロ)を鈴木雷太はどう感じたか?
ディレクトエネルジーが採用するエアロレーシングバイク
チェントディエチ プロ
プロの選手からも支持されるレーシングバイクを生み出すイタリアの老舗ブランド、ウィリエールトリエスティーナ。ニューモデルのチェントディエチプロは、同社の110周年記念モデルとして誕生したチェントディエチエアーの性能をより高めたエアロロードだ。
プロコンチネンタルチームのディレクトエネルジーがチームバイクとして採用し、2018年のツール・ド・フランスにも出場。オールラウンドバイクとして多くのステージで活躍した。
チェントディエチプロの具体的なブラッシュアップポイントは、カーボンレイアップなどの変更によるねじり剛性の6%向上だ。これによりレースバイクとして求められる反応性をさらに高めている。
空力性能についても重量を増やすことなく、ねじり剛性を高めることが可能なカムテール形状を前作から引き続き採用。専用設計のシートポストやヘッドスペーサーも空気抵抗の低減に貢献している。ハンドルとステムについてもシフトケーブルをフレームまで完全に内装できるバッラ(ハンドル)とステンマ(ステム)が完成車だけでなく、フレームセットにも標準で付属する(試乗車の装着部品とは異なる)。
さらにフレームセットでの注文販売として、ディスクブレーキモデルも用意。こちらはケーブルのすべてが内装されるなど、さらに空力性能を高めている。
試乗車はハンドルステム一体のアラバルダが取り付けられるが、フレームセットを含め別体式のバッラとステンマが付属。
シートステー左右に取り付けるダイレクトマウントブレーキの特徴を生かし、ブリッジを排除。
ダウンチューブは空力性能と軽量化を両立するカムテール形状。ボトルケージ台座の穴は3カ所用意され高さを変更可能。
リッチー製のカーボンエアロポストを採用。クランプもフレームに埋め込む。
ウィリエール トリエスティーナ
チェントディエチ プロ
70万円(デュラエース完成車/税抜)、58万5000円(アルテグラ完成車/税抜)、50万円(フレームセット/税抜)
※試乗車はフレームセットがベース
■フレーム:60Tカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル/ステム:ウィリエール・アラバルダ ■シートポスト:専用エアロカーボン(リッチー製) ■サドル:プロロゴ・スクラッチ ■ホイール:ユニパー・カーボン ■タイヤ:ヴィットリア・ルビノプロ ■サイズ:XS〜XL ■カラー:イエロー、レッド、マットブラック ■試乗車重量:6.9kg(S)
優れた剛性バランスによりオールラウンドに使えるバイク
鈴木雷太がインプレッション
エアロ形状のフレームだがボリュームが過度にならず、まとまりのあるデザインに好感がもてる。そのデザインも生かされていて、ゴツゴツした脚や身体に負担がある乗り味ではない。珍しいデザインなのが、リムブレーキながらシートステーのブリッジを省いていること。これによりシートステーのしなりが生まれ、快適性につながっている。ペダリングに影響のある横剛性は高めに確保されている。
試乗車に取り付けられていたハンドルステム一体式のアラバルダの剛性は高く、良好なマッチング。実際に販売されるモデルには、バッラとステンマの別体式が付属するとのことだが、フレームとのマッチングも同様に優れているだろうと想像される。オリジナルのハンドルまわりは、パワーを逃がすことなくフレームの性能を生かしてくれる。
フレーム剛性は硬い部類だが、遊びのない硬さではなく、身体に余裕をもたせてくれる剛性と調和した印象だ。スピードが乗っていくと、前後輪の一体感による素晴らしさが強調されてくる。ムリなく一本のラインに乗れる感じだ。高速巡行やスプリントに移っていくときにビシッと前後輪がオートマチックに決まるので、ロスなく走りやすい。
コーナリングはクイック気味。フォークが硬めで、曲がっていくときに軽い感覚を覚える。ロードノイズを感じやすく、ダイレクト感のある高い運動性能だ。高速系だけでなく、オールラウンドに扱えるエアロロードだ。
インプレッションライダー
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得し、シドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168cm。
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問:服部産業 www.wilier.jp
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