ロードバイクホイールの基本! タイヤ方式や規格、メジャーブランドまで徹底解説

ロードバイクにおいて、ホイールは走行性能を左右する重要なパーツだ。それは重量やタイムだけでなく、乗り心地やモチベーションにも大きく影響するからなおさら無視できない。ここでは、そんなホイールの基礎知識について紹介しよう。

 

ホイールってなに?

ホイールとは車輪のことで、ロードバイクには前後に1つずつ、計2つのホイールがある。足の力をクランクやチェーンによって回転エネルギーに変換し、バイクを押し進める重要なパーツだ。ロードバイクでは700Cというサイズが一般的で、カーボン製やアルミ製のホイールがある。まず概要を紹介しよう。

構造

ロードバイクのホイールは、大きく分けてハブ、スポーク、ニップル、リムという4つのパーツで構成されている。タイヤとチューブ(ないものもある)はリムに保持され、チェーンやスプロケットを介して伝えられたエネルギーがフリーボディを回し、ホイールを回転させる。

軽さと剛性

重量と剛性は相反する要素で、軽くすればするほど剛性(力をかけたときの歪みにくさ)は低くなり、剛性を高くすればするほど重くなる。一般的にバイクの重量は軽いほうがいいとされるが、ペダリングのエネルギーをロスなく推進力に変えるには高い剛性が必要で、それらをバランスがキモとなる。

ブレーキシステム

ロードバイクの制動装置で、ほとんどはリムブレーキとディスクブレーキの2つに分けられる。リムブレーキはリムをブレーキパッドで挟んで制動するシステム、ディスクブレーキはハブに装着したディスクローターをブレーキパッドで挟んで制動するシステムで、それぞれ構造が異なるので互換しない。

完組みホイール

ハブ、スポーク、ニップル、リムを工場(メーカー)で組み上げるホイールで、現在の主流。高精度かつコストパフォーマンスに優れるというメリットがあるいっぽう、複雑な作りになるため修理がしづらいこともある。

手組みホイール

ハブ、スポーク、ニップル、リムをそれぞれ用意し、ショップまたはユーザーが組み上げるホイール。現在は少数派だが、シーンに合わせて自由にカスタムでき、修理がしやすいというメリットがある。

 

タイヤ方式は3つある

ロードバイクのタイヤ方式には現在3つの規格があり、リムの規格に関係する。それぞれは互換しないため(一部にクリンチャーとチューブレスを兼ねるものはあるが)、履かせたいタイヤがある場合は、それに合わせたホイールを選ぶということも必要だ。それぞれの大まかな特徴を紹介しよう。

クリンチャー(CL)

もっともポピュラーで、比較的リーズナブルに手に入るタイヤ方式。バリエーションが豊富なうえ、パンク修理がしやすいメリットがあるいっぽう、重量が重い、低圧で走るとパンクしやすいというデメリットがある。クリンチャーにはWO(ワイヤードオン)とHE(フックドエッジ)という規格があるが、ほとんどはWOだ。

チューブレス(TL)

一見するとクリンチャーのようだが、リムとタイヤの密着度を高めることで、チューブを廃した新しいタイヤ方式。チューブがないのでリム打ちパンクがしづらく、チューブを入れればクリンチャーとしても使えるのがメリット。ただし、専用タイヤレバーを使わなければいけない(タイヤ交換時など)、対応モデルが少ないのが難点。

チューブラー(TU)

専用のリムセメントやリムテープでタイヤをリムに接着するタイヤ方式。チューブをタイヤで包んだような構造により、重量も走行感も軽いのがメリット。クリンチャー以前の主流だったが、その軽さゆえにいまもプロレースの世界では多く使われている。コストが高いのが難点で、パンクしたら即交換なので初心者にはオススメしない。

 

ハブは回転性能の要

ホイールの中心にある車輪軸にあたるパーツで、スポーク(ニップル)を介してリムとつながっている。フロントとリアでそれぞれ形状や機能が異なり、ブランドの個性が強く表れるところでもある。また、リアはスプロケットを装着するフリーボディがあり、ホイールの駆動効率や回転性能を大きく左右する重要な存在だ。

エンド幅

フレームの、ハブを固定する部分をエンドといい、その内幅をエンド幅という。現行のロードバイクの場合、クイックリリース(下記参照)でフロント100mm&リア130mm、スルーアクスル(下記参照)でフロント100mm&リア142mmが主流。時代によってさまざまな規格がある。

フリーボディ

スプロケットを装着する部分のパーツで、リアハブの右側(ドライブ側ともいう)にある。コンポのブランドや段数によって規格が異なるので、ホイール交換するときには対応するか否かをよくチェックしたい。トラック競技車(競輪など)の固定ギヤに対し、ギヤが空転する=ペダル(足)を止めてもホイールだけ回るため「フリー」と呼ばれる。

メーカーによる違い

フリーのスプライン(溝)の形状に違いがある。シマノとスラムは互換するが、これらとカンパニョーロは互換しない。

段数による違い

スプロケットの段数によってフリーの幅(長さ)に違いがある。メーカーや時代、モデルによって互換性がかなり複雑なので、交換するときはショップに相談しよう。

バージョンアップできるものも

メーカーやモデルによっては、フリーボディだけ交換できるものもある。10速対応ホイールのフリーを11速対応フリーに交換して、リーズナブルに11速化することも可能だ。

クイックリリース

ホイールをフレームに固定するためのパーツ。カム機構を採用することで、レバーを倒すだけで強力な固定ができるシステム。そのむかしはウイングナット(大きな蝶ナットのようなイメージ)を手で回してホイールを固定していたが、より早く確実な着脱ができるようにと、カンパニョーロの創始者が開発した。シマノではクイックレリーズと呼ばれる。

スルーアクスル

ディスクブレーキに採用され、クイックリリースよりもさらに強力な固定ができるシステム。クイックリリースに比べるとやや重量は増すが、車軸まわりを高剛性化でき、ハンドリングや直進性の向上も狙える。MTBやシクロクロスに続いてロードバイクでも普及しはじめ、アクスル径12mmがポピュラーな規格として採用されている。

ベアリング

ハブの回転性能を大きく左右するパーツで、シマノなど一部カップ&コーン方式を除いて、現在はシールドベアリング方式が主流。ベアリングの玉の精度や素材が優れていればいるほどよく回るホイールになるとされ、高級モデルではセラミック玉を採用しているものもある。

ディスクローター台座

ディスクブレーキ用ハブ(ホイール)の、ディスクローター取り付け台座。着脱がカンタンなセンターロック式と、固定力に優れる6ボルト式の2種類がある。それぞれ互換しないが、センターロックを6ボルト化するアダプターはある。

 

リムの素材や高さも重要

ホイールの外周部にあるパーツで、タイヤやチューブを保持する役割ももつ。素材はカーボンとアルミが主流で、プロレースではほぼカーボンだ。バイクと同じく軽さがポイントでありながら、リム高(リムハイト)もかなり重要なファクターとして考えられる。タイヤ方式にも関連するのでまとめて紹介する。

カーボンリム

軽量高剛性なホイールとして、中~上級モデルに多く採用される。構造上熱に弱いのが弱点で、リムブレーキの場合は専用ブレーキパッドが必須。レースにはもちろん、ツーリングでも快適に走れるのでオススメだが、取り扱いにやや注意が必要なので街乗りなどにはオススメしない。

アルミリム

カーボンリムよりもリーズナブルで、耐久性に優れる。最近は複雑な形状の高性能アルミリムが増え、レースでも十分使えるスペックを備えた高級モデルもある。初心者からレーサーまで、ユーザーのレベルやシーンを問わず幅広く使えるのが魅力。

リム高(リムハイト)

低ければ軽く漕ぎ出しが軽快になり、高ければエアロダイナミクスに優れ巡航性能が高くなる。厳密な定義ではないが、現在はリム高~35mmをローハイトリム、同~50mmをミドルハイトリム、50mm~をディープリムという。

リム幅

リムの厚みで、現在は幅広なワイドリムが主流。これはタイヤをはめたときのリムとタイヤの隙間(横から見たときの段差)を極力なくすことにより、空気抵抗の低減と走行エネルギーのロスを最小限に抑える狙いがある。

チューブレス兼用リム

クリンチャーとチューブレスの兼用リムで、専用リムテープやシーラントを使うことでチューブレスタイヤを使用できる。ブランドによって、チューブレスレディや2ウェイフィットなどといったシステムで呼ぶこともある。

ディスクブレーキ専用リム

リムブレーキは、ブレーキパッドでリム外周部を挟んで制動するため高い強度と耐熱性を求められるいっぽう、ディスクローターを挟んで制動するディスクブレーキはこうした配慮が不要になるので設計の自由度が高い。リムブレーキ用リムでディスクブレーキ用ホイールは組めるが、その逆はできないので、手組みするときは注意しよう。

ETRTO(エトルト)

European Tyre and Rim Technical Organizationが定めたタイヤとリムの統一規格のこと。タイヤ幅とリムのビード座直径(単位mm)で表され、たとえばロードバイクで一般的な700×25Cは、ETRTOでは「25-622」となる。26インチや20インチなど、同じインチでも微妙に異なるタイヤサイズがあるときに見ると便利。

 

スポークの形状とパターン

ホイールのなかでも地味な存在だが、ハブとリムをつなぐとても重要なパーツ。スポーク自体の素材や形状にも意味はあるが、組み方によってもホイールの性能が変わる。また、スポークの固定にはニップルという特殊なねじが不可欠(フルカーボンホイールなど、一部ニップルがないホイールもある)だ。

素材

ロードバイクではステンレスが主流で、モデルによってアルミやカーボン、ごく稀にチタンやアラミド繊維などもある。ほとんどは弦楽器の糸を張るように、ニップル(ねじ)を締めることによってテンション(張り)を調整し、ホイールのバランス(精度や剛性)を生み出している。

太さと形状

太さは番手で表され、ロードバイクでは#15(1.8mm)や#14(2.0mm)が多い。また、ストレート形状のプレーンや、力が掛かる部分だけ細く軽量化したバテッド、空気抵抗を低減したエアロなどもある。ハブに引っ掛ける部分を首といい、くの字型をしたスタンダードと、ストレートの2種類がある。

ニップル

スポークをリムやハブに固定するための特殊な形状のねじ。ニップル側に雌ねじ、スポーク側に雄ねじが切られている。メーカーによってサイズ(2面幅)があり、それぞれ専用工具が必要。素材は真鍮かアルミが一般的で、アルマイトカラーのアルミニップルで手組みカスタムを楽しむユーザーもいる。

パターン(組み方)

スポークの組み方には大きく分けてラジアル組(スポークを放射状に組む)とクロス組(スポークを交差させて組む)があり、トルクが掛かるリアにはクロス組を採用するのが一般的。また、本数もさまざまで、本数が少ないほど軽く空気抵抗は少ないが、剛性は低くなる傾向がある。

 

高性能ホイールを展開するメジャーブランド

数あるホイールブランドのなかでも、名実ともに人気のオススメブランドを紹介しよう。

SHIMANO(シマノ)

世界のトップレースシーンを駆ける、ジャパンブランド。なかでもデュラエースはトップに君臨するハイパフォーマンスグレードで、プロアマ問わず絶大かつ不動の人気を誇る。アルミの上に薄いカーボンを組み合わせた伝統のカーボンラミネート技術により、アルミのよさとカーボンのよさを高次元で両立している。

CAMPAGNOLO(カンパニョーロ)

イタリアの老舗パーツメーカー、カンパニョーロ。ボーラといえば誰もが羨む最高峰のレーシングホイールの決定版で、軽さとシルクのような上質な乗り心地が魅力。ベアリングには抜群の回転性能を誇るCULT(カルト)セラミックボールを採用し、コスト以上の走りを実現してくれる。

MAVIC(マヴィック)

もともとリムメーカーとして創業し、今日では世界をリードする老舗のフレンチメーカー、マヴィック。進化を重ねては数々の名作を世に送り出し、その豊富なラインナップで、シーンやユーザーに合ったベストホイールを提供。最近は独自システム「UST」を開発し、クリンチャーのようにカンタンに扱えるチューブレスとして注目を集める。タイヤも展開しており、合わせて使うのがオススメだ。

FULCRUM(フルクラム)

自転車好きの若き航空宇宙工学エンジニアたちによって立ち上げられたホイールブランドで、レーシングシリーズやスピードシリーズなど、数々の名作ホイールを生み出してきたフルクラム。上位モデルには優れた縦剛性と横剛性を実現する2トゥー1というスポークパターンを採用しているのが特徴で、USBベアリングを搭載したハブは回転性能と耐久性もお墨付き。

DT SWISS(DTスイス)

OEM生産を数多く手掛けてきた、世界的ホイールメーカーのDTスイス。特にハブの性能が評価され、優れた駆動伝達効率を実現するDTスターラチェット機構や、高性能シンクセラミックベアリングを採用。硬派な印象がありながらも、ロングライドで使いたくなるような、適度なしなやかさをもつのも魅力だ。ラインナップは豊富で、シーンや予算に合わせて選びやすい。

 

自分に合ったホイールを探して、いま以上にラクに、楽しく走ってみよう。

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PROFILE

トモヒロ

DIY系フレームビルダー

トモヒロ

自転車についてだけ遠距離パワー型という元『BiCYCLE CLUB』編集部の新参Webディレクター。クロモリが好きすぎて、妻と愛娘の自転車まで自作してしまう鉄バカ。

自転車についてだけ遠距離パワー型という元『BiCYCLE CLUB』編集部の新参Webディレクター。クロモリが好きすぎて、妻と愛娘の自転車まで自作してしまう鉄バカ。

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