BIANCHI(ビアンキ)・スプリントディスク|ニューモデルインプレッション
鈴木雷太
- 2019年07月29日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! ビギナーでも扱える安定感が魅力のカーボンレースバイク、BIANCHI・SPRINT DISC(ビアンキ・スプリントディスク)を鈴木雷太がチェック。
伝統の名を受け継いだレーシングバイク、スプリントディスク
2020年モデルとして登場したビアンキのスプリントは、エアロ形状が与えられたレーシングモデルだ。そもそもスプリントのルーツは1970年代に活躍したスチールフレームまで遡る。初代スプリントはロードレースを走るライダーのためのベンチマークと位置づけられたモデルだった。オルトレやスペシャリッシマ、インフィニートなどのフラッグシップレーシングモデルで培った技術とデータの蓄積を用いて、現代に蘇らせたのが新生スプリントだ。
105コンポーネント採用で30万円を切る価格設定から、対象となるユーザーはエントリーから中級者までと幅広い。カーボンモノコックフレームのジオメトリーには、レースシーンからのフィードバックを蓄積したデータから導き出されたものを使用。ヘッドチューブは空気抵抗を軽減する形状で、シートクランプも内装式となるなど、エアロの要素が与えられた。軽量カーボンフォークを採用することで登坂やコーナーでのレスポンスのよさも手に入れた。
レーシングバイクの位置づけだが、32Cまで対応できるタイヤクリアランスを確保。走行条件に合わせたタイヤに交換することで、レースからロングライドまで対応が可能。ディスクブレーキモデルのほかに、リムブレーキモデルもそろえるなど、ユーザーは自身に最適なモデルを選択できる。
ヘッドチューブとフォーククラウンはエアロ形状を採用する。
シートポストクランプは空気抵抗を受けない埋め込み型。
プレスフィットBBの採用でハンガー部の剛性を向上。ダウンチューブは剛性を最適化したエッジの効いた形状。
ビアンキ
スプリントディスク
27万8000円(完成車/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:JD・JDRA38A/JD-RA35A ■ステム:JD・JD -ST182A ■シートポスト:JD・JD-SP02.1 ■サドル:セラロイヤル・SR2302 ■ホイール:シマノ・WH-RS171 ■タイヤ:ヴィットリア・ルビノIV ■サイズ:47、50、53、55、57 ■カラー:CK16×ブラック、ブラック×CK16 ■試乗車重量:9.1kg(53 /ペダルレス編集部実測)
ビギナーでも扱える安定感が魅力のカーボンレースバイク
鈴木雷太がインプレッション
攻撃的な外観とは裏腹に、おだやンドリング性能がまず印象的なバイクだ。コーナリングでもタイヤのラウンドした曲面を感じやすく、一定かつ穏やかにバイクを寝かせることで、気持ちよく曲がっていける。
レースバイクではあるが、価格帯的に初中級者をターゲットとしているため、ピーキーではなく安定志向の味付けがなされているのだろう。
対して剛性はしっかりめで、ペダリングの力の強弱を問わずにバイクが呼応して、BBのウイップも感じられた。高出力のスプリントを行ってもハンドルまわりがしっかりとしていて、走りに集中できる。クライミング中やコーナリング中はフォークエンドのスルーアクスルの剛性のおかげでホイールの挙動がはっきりと伝わってくる。唯一のウィークポイントがクライミングで、ホイールの重量が気になるところだが、この価格帯のバイクでそこまで求めるのは酷といえる。
振動吸収性はフォークとフレーム先端のエンド部分がしっかりしているぶん、振動を伝えてしまっている印象だが、前述した重さと同様にホイールのアップグレードで抑えられる部分でもある。レースに出るならホイール交換を考えたい。全体的に評価すると穏やかなハンドリングをはじめ、ビギナーでも扱いやすいバイク。中級者の2台めとしてもいいし、エントリーモデルとして初めての方にも乗ってもらいたい1台だ。
インプレッションライダー
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得しシドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168cm。
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問:サイクルヨーロッパジャパン www.japan.bianchi.com
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