松浦まみのエタップ紀行「旅するエタップ、ツール・ド・フランス」第3回
Bicycle Club編集部
- 2019年09月10日
エタップ終了後、あこがれのツール観戦に向かいます
第16、17ステージの観戦へ
エタップの翌日はツールの休息日。
私たちはアルプスを後にし、南西に進路を取って360kmの道のり、第16ステージの舞台・ニームへと向かいます。
昨年はエタップ翌日のステージが900km先の大西洋沿いだったので移動が大変でしたが、それに比べたら楽勝です。
いずれにしても大会関係者やチームスタッフの大移動はとにかく大変。飛行機で移動する選手達よりも先回りしての陸移動を毎日繰り返すのですから。
ツールを追っていると、ツールを支える裏方の仕事の大変さが見えてきます。
さて、ニームまで来るとアルプスとは景観が一変します。オークル色の土、乾いた熱風、南仏らしい陽気な雰囲気に満ち溢れています。
ニームは紀元前の古代ローマ時代から存在する歴史的な街。そんな風景の中に、最新ハイテク機材を積んだチームカーがずらりと並んでいる様は実に壮観です。
チームカーのパドックでは至近距離で機材を観察することができ、運が良ければ選手にサインを求めることも。
この距離の近さがロードレースの楽しさの一つでもあります。
男性陣は各チームの機材に釘付け、食い入るように見入って離れようとしません。
スタートを見送るや、監督がグーグルマップとコース地図を睨みながら猛スピードで車を飛ばし、先頭集団の行く先を先回りします。
案の定、目星をつけた場所は絶好の観戦ポイントらしく、田舎道のロータリーにはすでに人だかりが。
10分も待たないうちに先頭集団がやってきました。
コーナー立ち上がりで加速する集団が私たちの鼻先を掠めるように走り過ぎ、思わず後ずさるほどの風圧にビビります。
そう、この風。
これを感じるためにこまで来たのです。
一瞬にして過ぎ去っていったその光景に、広里さんも久保田さんも放心状態。
その後はカマルグの湿地帯を見に行く予定だったのにすっかり忘れ、ゴールまで観戦。
ツール三昧の一日となりました。
美食もエタップの楽しみ
夜は街に繰り出して美食三昧。
旧市街の細い路地にはテラス席が並び、そぞろ歩きながら何軒もハシゴ。
共に苦しみ、共に喜びを分かち合ったTeam Bravo、自転車を降りたあとはさらに結束が強まります。
ニームの名物料理ブランダードを食べ比べ、地元のワインを飲み比べ、お店のスタッフや街の人々と楽しくワイワイと酔っ払いながら、夜は暮れていきました。
ツール観戦2日目は、ニーム市内から少し離れた郊外にある世界遺産のポン・デュ・ガールがスタート。
これまで監督の嗅覚で毎回最高の場所に車を駐車できたのですが、今回ばかりは選択の余地がなく会場から2km手前で完全に道路封鎖。太陽がジリジリと照りつける中を歩きます。
ようやく世界遺産のポン・デュ・ガールが見えてきました。記念撮影をしてすぐに観戦ポイントに戻ります。
程なくすると関係車両がクラクションを鳴らしてやってきました。
一瞬で通り過ぎていく選手達。
そうです、たったのこの一瞬を目に焼き付けるために、ツールには世界中からファンが押し寄せ、沿道にキャラバンカーを停めて何日も前から場所取りをし、地元の人々は熱心に町を飾りたてて盛り上げるのです。
その情熱が、ここへ来るとわかるのです。
そしてパリのフィナーレへ向かいます!
松浦まみ
宮澤崇史マネージャー&TEAM BRAVO協働仕事人
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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