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ロードバイクのディスクブレーキ時代へ!サイクリストが知っておくべき基礎知識

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2016年のパリ〜ルーベにおける事故により、ロードレース界でのトライアル使用が中止されていたディスクブレーキ。長い間使われてきたリムブレーキに対し、そのメリットは語られながらもなかなか普及してこなかった。

ところが、各メーカーはここ数年こぞってディスクブレーキロードを投入。2018年のツール・ド・フランス第2ステージでは、マルセル・キッテル(当時クイックステップフロアーズ)がディスクブレーキロードを駆って優勝し、その注目度は極めて高まっている。

そこで、ディスクブレーキとは何か?これから買うべきバイクなのか?を、ドゥロワーザバイクストアの山路さんに聞いてみた。

ドゥロワーザバイクストア
山路篤さん
工具メーカー、完成車メーカーを経て2010年に「ドゥロワー」を設立。自転車業界の人材を育成するいっぽう、MTBチームも運営。ディスクブレーキに精通している。

不要か否か?リムブレーキよりもおすすめできる理由

「ディスクブレーキというと、ガツン!と急制動してしまう印象があるかもしれません。たしかにパッドがローターを押しつける力は強いのですが、ホイールを止めるための仕事(制動力)は、じつはリムブレーキとほぼ同じなんです」と語る山路さん。

油は非圧縮性流体で、高圧化でも体積変化がほぼないという特性をもつ。これといくつかの物理の法則により、作動しているのが油圧ディスクブレーキだ。そして、ロードバイク用のそれは、リムブレーキの制動力とフィーリングに近づくよう開発されている。

油圧式ディスクブレーキシステムの三原理とは

レバーから入力し、ホース内のフルード(油)を通してピストンに出力する油圧式ディスクブレーキ。小さな指の力を大きな制動力に変換する、倍力装置の秘密がこれだ。じつはリムブレーキも基本的に同じような倍力装置なのだが、伸びるワイヤーと比較してオイルはほぼロスがないので断然有利。しかも摩擦も少ないので引きが軽い、というワケ。けっこうシンプルでカンタンな構造だ。

テコの原理

支点〜作用点に比べて支点〜力点の距離が長いほど、入力はより大きくなって出力される。ディスクブレーキでは左側がレバー(入力)で、右側がピストン(出力)に相当。ロードバイク用は効きすぎず自然なフィーリングでブレーキできるように設計されている。

パスカルの原理

流体が密閉容器中にあり、かつ各分子が静止しているとき、すべての点に同じ圧力が発生するという原理。ピストンには常時同じ圧力がかかっているため、フルードの圧力を上げればピストンにかかる圧力も均等に上がる。

エネルギー保存の法則

仕事(エネルギー)の総和は常に一定という原理。パスカルの原理によって容器内の圧力は一定なので、断面積を10倍にすれば押し出されるピストンの移動量は1/10になり、入力の10倍の力で出力されることになる。

 

ロードバイク用油圧式ディスクブレーキの特徴

上記の三原理によって、指のわずかな力がより大きな力となってピストンを押すことがわかった。レバー比やストローク(レバーの引き代)はロードバイク専用設計となり、直感的な操作ができるように絶妙な味付けがされている。その具体的な工夫をみていこう。

レバー比

支点〜力点(L1 /入力)と支点〜作用点(L2 /出力)の比。ロードバイクに最適化したフィーリングと制動力になるよう設計される。

オープンシステム

よぶんなフルードを貯蔵しておくためのタンク。パッドやローターが消耗したときなどにフルードを供給し、パッドのストロークを自動で調節する。最近ではメジャーなシステム。

ピストン

ピストンまわりは特殊なシールが密着し、レバーを引くと(加圧)ピストンが押し出されてこれが変形。レバーを戻す(減圧する)とロールバックしてピストンが押し戻る構造。油圧式ディスクブレーキのパッドはバネで戻っているのではなく、このシールの変形によって元の位置に戻る。

フィーリング

レバーの引きと制動力の関係図。MTB用(青ライン)は引き始めてすぐに制動力が高くなるが、ロードバイク用(赤ライン)は立ち上がりが穏やかで、レバーを引くほど制動力が高くなる設計を採用している。

制動力

回転軸(ハブ)に近いほど制動に必要な力は大きくなるので、リムよりもディスクのほうがパッドの押す力は大きい。だが、仕事(制動力:力×距離)は、計算上ほぼ変わらないように設計されている。

レバーの引きの軽さと優れた制動力が魅力

最大の魅力は、レバーを引いたときの圧倒的な軽さだ。そして、パッドとローターの摩擦によって回転エネルギーを熱エネルギーに変換し、どんなシーンでも安定したブレーキング性能を実現する。

さらに、熱変換をローターで行うためリムへの熱影響がなく、ホイール(リム)設計の自由度が格段に向上するというメリットもある。流行のカーボンクリンチャーホイールにとっても好都合で、機材としてのメリットは十二分にあるのだ。

デメリットはパーツの互換性が低いことと若干の重量増だが、総じてメリットのほうが大きいといえる。

機械式ディスクブレーキはアリか?

今回は基本的に油圧式ディスクブレーキについて解説しているが、廉価モデルでは機械式(ワイヤー引き)ディスクブレーキもある。おもなメリットとなる引きの軽さや安定した制動力は油がもつ特性に由来しているので、もしディスクブレーキロードを買うなら油圧式をおすすめしたい。

ジャイアントでは機械式レバーで油圧式キャリパーが使える独自システム「コンダクトブレーキ」を開発、展開。油圧式のメリットを手軽に味わえる。
コンダクトブレーキは、ワイヤーを油圧式ホースに変換するシステムをステムキャップに装着。対応モデルはジャイアントホームページを参照。

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PROFILE

トモヒロ

Bicycle Club / DIY系自転車ビルダー

トモヒロ

メッセンジャー⇒自転車屋⇒BiCYCLE CLUB編集部⇒ホビービルダーという、自転車についてだけ遠距離パワー型のFUNQディレクター。休日の楽しみは娘と自転車で散歩、文房具屋巡り。

トモヒロの記事一覧

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