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ラ・フレーシュ・ワロンヌ、世界チャンプ・アラフィリップが3度目の優勝

アルデンヌクラシックの1つ、ラ・フレーシュ・ワロンヌは現地時間421日にベルギー南部・ワロン地方を舞台に開催された。名物「ユイの壁」を上った先に待つフィニッシュに向けた激坂決戦は、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が2年ぶり3度目の優勝。先に仕掛けて集団から飛び出したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)を激闘の末に先着し、タイトルを取り戻した。

アラフィリップが圧巻のユイの壁征服

大詰めを迎えているクラシック戦線は、約3週間ぶりにベルギーへと戻ってきた。ただ、これまでは同国北部のフランドル地方を走ったのが、ここからは南部のワロン地方へと場所が移るあたりに大きな違いがある。走る道もよりアップダウンの激しいものとなり、主役争いも上りに強い選手たちが際立つこととなる。

85回目を迎えた大会は、シャルルロワをスタートして、しばしワンウェイルートを進行。フィニッシュまで残り70kmを前にユイの街を基点とする周回コースに入り、これをおおよそ2周半。この間、ユイの壁を3回上り、今年はユイの直前にコート・デュ・シュマン・デ・グーズ(登坂距離1.9km、平均勾配6.7km)が採用される。

©︎A.S.O.

ユイの壁は、登坂距離1.3kmで平均勾配は9.7%。中腹で最大26%の区間がやってくるが、走行ラインによってはその勾配は29%にもなるといわれ、レース展開を揺るがす大きな要素となる。ユイの街を抜けると残りは2km。そこから一気に、頂上に敷かれるフィニッシュラインに向かって駆け上がっていく。レース距離は193.6km。

©︎ A.S.O.

スタートを前に、UAEチームエミレーツが大会からの撤退を発表。前日に行ったPCR検査で、出場予定だったディエゴ・ウリッシ(イタリア)とチームスタッフ1名に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことによるもの。チーム発表によれば、どちらも開催地入り前の検査では陰性だったほか、陽性判明後に行った2回の抗原検査と1回の分子検査ではいずれも陰性だったものの、ベルギー当局の指示に従って欠場を決断。チームは、前回覇者のマルク・ヒルシ(スイス)とタデイ・ポガチャル(スロベニア)をメンバー入りさせ必勝態勢で臨む予定だったが、走ることなく大会を去る結果に。ちなみに、チームではシーズン前のトレーニングキャンプ時に選手・スタッフがワクチン接種を行ったが、心筋炎の治療中だったウリッシはキャンプに参加せず、ワクチンの接種はしていなかったという。

© A.S.O./Aurélien Vialatte

そんな驚きの中スタートしたレースは、8人の逃げで進行。メイン集団は5分まで彼らのリードを容認して、フィニッシュまでの距離を着々と減らしていく。レース中盤からは、イネオス・グレナディアーズ、モビスター チーム、ユンボ・ヴィスマ、ドゥクーニンク・クイックステップといった優勝候補を擁するチームがアシストを出し合ってペーシングを図った。

© A.S.O./Aurélien Vialatte

そんな形勢に徐々に変化が見られ始めたのは、ユイ基点の周回コースに入ってから。1回目のユイの壁登頂後に、イネオス勢が集団のペースを上げたことで、逃げる選手たちとの差は2分台へ。その後から集団内ではクラッシュが断続的に発生し、セルヒオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)や優勝候補のトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らが地面に叩きつけられる場面が見られた。

© A.S.O./Aurélien Vialatte

2回目のユイの壁登坂を終えた時点でのタイム差は120秒。メイン集団では数人が抜け出しを図るが、有力チームの多くが反応したこともあっていずれのアタックも決まらない。一方、先頭グループは5人に絞られ、アドバンテージが減っていきながらも懸命に逃げ続けた。

残り20kmを切る頃にはその差は30秒ほどに。わずかなリードを守り続ける先頭グループだったが、フィニッシュまで10kmを切ってやってきたコート・デュ・シュマン・デ・グーズでついに崩壊。最前線に残ったのはマウリス・ラメルティンク(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)だけに。その後ろも活性化し、集団からはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が動くと、イラン・ファンワイルダー(ベルギー、チームDSM)が反応。さらにはリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)のアタックで有力チームのアシスト陣が一斉に追随。1kmほど進んだところで攻撃はいったん収束し、ウェレンスらも吸収。集団の眼前を逃げるラメルティンクだけを残して、最後のユイの壁に備えて各チームが態勢を整え始めた。

数秒まで迫られながらも、再び20秒差まで広げたラメルティンクだったが、最後の勝負どころに向けて猛然とペースを上げる集団の勢いには太刀打ちできなかった。しばしの独り旅は残り1.4kmで終わりを迎えた。同時に集団からは2人がアタックしたが、決定打には至らず。激しい削り合いによって30人程度にまで絞られた集団が、そのままユイの壁での最終決戦へと飛び込んだ。

© A.S.O./Aurélien Vialatte

アシスト陣によるお膳立てを受けた優勝候補たちが前方を固めて急坂を進む。互いの顔を見合いながら激坂区間も抜けていくが、そんなムードを切り裂くように強烈な一撃を繰り出したのはログリッチだった。残り350mで加速すると、これに反応したかに見えたピドコックが追い切れず集団との差が一気に広がる。

これを受けて追撃に出たのがアラフィリップとアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)。後続を引き離し、先を急ぐログリッチに徐々に迫る2人。さらにアラフィリップはバルベルデを振り切ると、急坂が終わる寸前のフィニッシュ前100mでついにログリッチに追いついた。

© A.S.O./Aurélien Vialatte

そこからはフィニッシュラインに向かっての緩斜面。さながらマッチスプリントの様相となった両者の争いは、過去2回この上りを制しているアラフィリップに一日の長。ログリッチをかわすと、そのままフィニッシュへ。3度目のユイの壁征服を決めた。

© Luc Claessen / Getty Images

秋開催だった昨年はマイヨアルカンシエル獲得直後で出走を回避したアラフィリップだったが、ヒルシの欠場で空位となった王座に返り咲き。脚質に最も適していると自身も認めるレースで、しっかりと結果を残してみせた。

© Luc Claessen / Getty Images

早めの仕掛けで見せ場を作ったログリッチが2位、4年ぶりの優勝を狙ったバルベルデが3位となり、表彰台へ。日本勢唯一の参戦となった中根英登(EFエデュケーションNIPPO)は、アラフィリップから121秒差の110位。レース後にTwitterへ、「逃げに乗るべくアタック合戦に対応していくも、15km地点の鋭角左コーナーで自分は左に曲がってるのに左側の選手が謎に直進してきてハンドル引っ掛けられてクラッシュ。意味不明(笑)アタック合戦中なので伸びまくる集団に戻るのに苦しみました」(原文ママ)と投稿。その後も落車した選手の集団復帰に力を使うなど、1日を通して奮闘した。

優勝 ジュリアン・アラフィリップ コメント

© Luc Claessen / Getty Images

「モチベーションが高く、頭が冴えていたので、それを結果で示したかった。シーズンが始まって以来あまり勝てていなかったし、なかなか喜びを味わえずにいたが、ティレーノ~アドリアティコでのステージ優勝から1カ月以上経って迎えたこの素晴らしいレースで起きた事実は、今後に向けて意欲をさらに高めるものになるだろう。

チームは1日を通して疲れをいとわず、素晴らしいサポートをしてくれた。そんな彼らを誇りに思っている。彼らを信頼しているし、実際に必要な時に良い位置へと引き上げてくれた。ミッケル(ホノレ)が牽引してくれた後、ログリッチが前にいて、バルベルデがすぐ後ろにいる状況は決して良い状況ではなかった。このハードな上りで違いを生むのは脚しかない。そんな難しい状況下で、両者の強さを感じながらもなんとか勝つことができた。マイヨアルカンシエルでの優勝は最高の気分で、自信にもなる。本当にうれしい」

ラ・フレーシュ・ワロンヌ2021(193.6km)リザルト

1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4時間3625
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +0
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)+6
4 マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) +8
5 ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) +11
6 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
7 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)
8 エステバン・チャベス(コロンビア、チーム バイクエクスチェンジ)
9 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
10 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +16
110 中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO) +12分1秒

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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