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五輪イヤーのレースプログラム、有力選手のスタンスは!?|ロードレースジャーナル

vol.5
じっくり調整か、勢いでいくか
グランツール後の五輪はどう臨む?

五輪史上最難関のコース

まずは2018年に決定済みの、東京2020五輪のレースコースをおさらいしておこう。

© Tokyo 2020

武蔵野の森スポーツ施設付近を出発し、府中街道の是政橋でリアルスタート。南多摩尾根幹線道路を通過し、国道413号線の道志みちを抜けて山中湖へ。この湖を反時計回りに半周して、籠坂峠を抜けて下り、富士山麓周回コースへ。一度富士スピードウェイを通過してから、三国峠の厳しい勾配へ。再び山中湖へ出て、2回目の籠坂峠を走って、富士スピードウェイでフィニッシュを迎える。

レース距離は234km(パレード区間はのぞく)、獲得標高は約4865mにも上り、五輪史上最も厳しいコースとの声もある。活躍するのは、グランツールレーサーやクライマー、登坂力とパンチ力を備えるクラシックレーサーとの見方も強まる。実際、これらのタイプに該当する選手たちが「やる気」を見せ、本番への意欲を示している。

© Tokyo 2020

また、個人タイムトライアルは富士スピードウェイを発着とする44.2km。スタートから3kmほど下りが続き、細かなアップダウンを経て5km地点手前から10kmすぎまで上り続ける。その後長い下りと上りをこなしてコントロールラインへ。22.1kmの周回コースを2周する。

スケジュールはロードレースが724日(土)、個人タイムトライアルが728日(水)に設定されている。

五輪までの調整に時間のあるジロ組

58日に開幕した今季最初のグランツール、ジロ・デ・イタリアに出場している選手の中にも、もちろん五輪を意識している選手は多数存在する。

ジロ・デ・イタリアと五輪にフォーカスするサイモン・イェーツ ©️ GreenEDGE Cycling

その代表格が、サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)。グランツール制覇と五輪、目標の両立を大前提に考えた際、時期的に五輪への調整に時間を割けるとしてジロをチョイス。この点については自身も公言をしている。イギリス勢の層の厚さもあり、現時点での代表入り確定とまではいっていないが、ジロの結果次第では五輪本番に欠かせない存在として代表チームも彼を選出しないわけにはいかないだろう。現在進行中の大会前半戦では本調子とはいっていないが、ここから状態を上げていけるか。

ジロ・デ・イタリアで戦線復帰を果たしたレムコ・エヴェネプール。五輪出場にも前進している Photo: Stuart Franklin/Getty Images

大けがから復帰したレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)も、王国ベルギーの代表入りに近づいている。特に個人タイムトライアルでの上位進出を視野に入れており、現状ではヴィクトール・カンペナールツ(チーム クベカ・アソス)と席を争っている形。同種目の出場枠2つのうち、第一席はワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ)が内定しており、残る1つの椅子を賭けている。戦線復帰初戦となった第1ステージで7位に入ったエヴェネプールの一方で、カンペナールツは24位。ジロ前半戦の丘陵ステージでも好走しており、どちらが優位な立場にあるかは一目瞭然である。

去就が流動的なヴィンチェンツォ・ニバリ。五輪までのレースに集中している ©︎ LaPresse

ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)は、五輪までのレースに集中する構えで、その後は自身のレースキャリアも含めてすべてが流動的だという。右手首の骨折が完治しておらず、ジロでどこまでの走りを見せるか未知数だが、この大会を終えると調整目的でツールに参戦。そして五輪本番を迎えようという公算だ。

今をときめくフィリッポ・ガンナは五輪でロードとトラック両競技に参戦する見通しだ ©︎ LaPresse

変則スタイルで挑む見通しなのが、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)だ。いまやプロトンきってのタイムトライアルスペシャリストに成長し、東京でも個人タイムトライアルの金メダル候補筆頭だ。そんな彼は、同種目とトラック競技・チームパシュートでの金メダルを狙うと宣言。イタリア代表入りはほぼ確実で、ジロ後にはトラック走行も含めたトレーニングに集中することを明かしている。そんな中で重要になってくるのが、「個人タイムトライアルに出場する選手は、ロードレースに出走していること」という五輪規則である。ロードレースを回避し個人タイムトライアルにのみ集中する形は許されないため、ガンナはロードレース・個人タイムトライアル・チームパシュートの3種目に挑むことになりそうだ。

スプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス、イタリア)は、トラック競技・オムニアムでの2連覇を目指し、脚質に合わないロードは回避。日本代表に内定している新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も、ジロに参戦する五輪組の1人である。

東京2020五輪出場が期待されるジロ・デ・イタリア出場選手(代表入り内定選手含む)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)※トラック兼任

パヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアーズ、ロシア)※ジロ第6ステージでリタイア

アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)

ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)※ジロ第5ステージでリタイア

新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)

マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)

エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)

エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス、イタリア)※トラック競技に専念

レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)

ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)

ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)

ジョージ・ベネット(チーム ユンボ・ヴィスマ、ニュージーランド)

サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)

ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)

バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)

ツール組には長時間移動と時差との戦いも

五輪ロードレース開催日から逆算し時間的な猶予のあるジロとは対照的に、ツール・ド・フランスを走ってから東京入りする選手たちは慌ただしい日々となる。

今年のツール閉幕日は718日。五輪ロードレースまで1週間を切っているばかりか、出発地をパリ=シャルル・ド・ゴール空港とした場合に10時間を超えるフライト、さらに日本とヨーロッパの7時間の時差も、選手たちに大きな壁として立ちはだかる。

ツール・ド・フランスからの勢いで東京へと乗り込む意欲のプリモシュ・ログリッチ ©️ A.S.O./Fabien Boukla

もっとも、中5日というスパンでのレース出走自体は「問題ない」という選手たちの声が多い。特に、ツール制覇との最大ミッションを抱えるプリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ)は、「ツールでの上り調子のまま五輪ロードを走れるはず」と意欲的。

五輪に向けた調整としてツール・ド・フランスを利用するヤコブ・フルサン ©︎ LaPresse

一方、目標の比重を五輪に置き、ツールを調整の場と割り切って走ろうというのが、ヤコブ・フルサン(アスタナ・プレミアテック、デンマーク)だ。フルサンといえば、前回のリオデジャネイロ五輪ロードレースでの、グレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥーゼール・シトロエン、ベルギー)との激闘が大きなインパクト。この時はファンアーヴェルマートに敗れて銀メダルだったが、来る東京では金メダルを目指すことを明確にしている。本来であればツールでも総合成績を狙える力があるが、五輪を見据えてベストコンディションでは挑まない姿勢だ。

いまやグランツールもワンデーレースも何でも来いのタデイ・ポガチャル。五輪にも当然参戦することだろう ©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

そのほか、ツール出場予定で五輪との連戦となりそうなのが、ファンアールト、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ、ポーランド)、マルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ)、そして昨年のツールと今年のリエージュ~バストーニュ~リエージュを制したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)。なお、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)は、マウンテンバイクで五輪メダルを目指す。

また、このほどジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が自身のTwitterを通じて五輪ロードレースを欠場すると発表。世界選手権2連覇を最大の目標にするといい、これからはマイヨアルカンシエル防衛に向けて調整していくと宣言した。

東京の暑さや各国の出場枠も重要なファクターに

選手によって絶妙に異なる五輪へのスタンスは非常に興味深い。今後のレース結果や、競技を取り巻く情勢によって変化することも大いに考えられるので、引き続き動向を注視していきたい。

また、7月下旬の東京の暑さや、最大でも5人に限られる国ごとの出場枠も、有力選手の代表入りにかかわる要素となってくるはず。このあたりも押さえておきながら、レースシーンを追いかけていこう。

福光 俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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