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マーダーが第6ステージ逃げ切り、マリアローザは22歳ヴァルテルへ|ジロ・デ・イタリア

大会前半戦が進行中のジロ・デ・イタリア。現地513日には第6ステージが行われ、今大会最初の山岳頂上フィニッシュをジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)が制してステージ優勝。プロキャリアでも初めての勝利を挙げた。この日は個人総合でも大シャッフルが発生。アッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ、ハンガリー)が首位に立ち、マリアローザに袖を通している。

大会去ったランダの励まし受けたマーダーが会心の勝利

中央アペニン山脈に位置するシビッリーニ山地が舞台となる1日。グロッテ・ディ・フラサッシからアスコリ・ピチェノまでの160kmは、中盤に2つのカテゴリー山岳を越え、一度長い下りをこなしてから今大会初めてとなる山頂のフィニッシュへと向かう。最後の上りである2級山岳サン・ジャコモは、登坂距離15.5km、平均勾配6.1%。フィニッシュ前約5kmで勾配が最も厳しくなり、10%級の区間を迎える。ただ、緩急の変化がそう多くはないため、一定のリズムでこなせる上りでもある。

前日のステージで次々発生したクラッシュの影響で、パヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアーズ、ロシア)、フランソワ・ビダール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(UAEチームエミレーツ、アメリカ)が出走できず。この日コースへと繰り出したのは、179選手。

リアルスタート直後から大小問わず出入りが連続。一時は20人超のグループが形成されかけたが、メイン集団も簡単には容認しない。20kmほど進んだところでようやく5人が抜け出しに成功すると、その後1人また1人と追随し、8人による逃げグループが形成された。

レースをリードしたのは、マーダー、ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、ジミー・ヤンセンス(アルペシン・フェニックス、ベルギー)、シモーネ・ラヴァネッリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク、イタリア)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)、シモン・グリエルミ(グルパマ・エフデジ、フランス)、ダリオ・カタルド(モビスター チーム、イタリア)、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)。メイン集団に対しては5分程度のタイム差を得て、先を急ぎ続けた。

©︎ LaPresse

そこから落ち着くと見られたレースの流れは、1つ目のカテゴリー山岳である2級のフォルカ・ディ・ガルドで急激に変化する。快調に進む逃げグループの一方で、メイン集団がイネオス・グレナディアーズを中心に猛然とペースアップ。タイミングを同じくして強まった雨も作用してか、集団のあちこちで中切れが発生。マリアローザを着てスタートしたアレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・スタートアップネイション、イタリア)も後方に取り残されてしまうと、ハイペースで突き進む集団へ復帰するのが困難な状況となる。

この頂上を越えてもなおペースを緩めないイネオス勢。フィリッポ・ガンナ(イタリア)の牽引によって集団の人数が絞られ、さらには強い風も吹き荒れて各所でエシェロンが形成される。何とか、集団前方が見える位置にいた選手たちは、続く3級山岳フォルカ・ディ・プレスタ通過後の下りでまとまったものの、この頃にはデマルキははるか後方へと下がってしまった。

集団の動きを逃れた逃げグループは、この下りでマーダー、モホリッチ、カタルド、モレマの4人に絞られる。その後ろでは、メイン集団からアルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・NIPPO、イタリア)、ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)、ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)が飛び出し、逃げから遅れた4人に合流。追走態勢を整えようと試みるが、思惑が一致せず先頭4人に近づくことが難しい。やがて追走メンバーは全員集団へと戻って、最後の上りである2級山岳サン・ジャコモにトライすることとなった。

©︎ LaPresse

フィニッシュへと続く上りに入ると、逃げのペーシングを担っていたモホリッチがチームメートのマーダーに残りを託して後方へ。先頭は3人となってからも好ペースを刻み続け、残り10kmで集団とのタイム差は210秒。逃げ切りの可能性が膨らむなか、仕掛けたのはマーダーだった。

急坂区間を進み、残り3kmになろうかというタイミングでアタック。カタルドとモレマはこれに対応できず、マーダーは独走態勢へ。後ろではメイン集団がペースを上げて一緒に逃げてきた選手たちを飲み込んでいたが、マーダーのペースは衰えずそのまま最終局面まで逃げ続けた。

©︎ LaPresse

最後まで力強い走りを見せたマーダーは、1人逃げ切ってフィニッシュへと到達。チームは前日に総合エースだったミケル・ランダ(スペイン)を落車負傷で失ったが、すぐに目標を切り替えて好結果につなげた。プロでは晴れの1勝目としたマーダーは、「若手の登竜門」と呼ばれるツール・ド・ラヴニールで2018年にステージ2勝を挙げ、個人総合でも3位に入るなど、アンダー23年代ではトップを走った選手。この勝利を機に、いよいよトッププロとしての階段を駆け上がっていくことになりそうだ。

©︎ LaPresse

快走したマーダーの後ろでも、情勢は激しさを増していた。メイン集団は残り5kmを切ったあたりからドゥクーニンク・クイックステップがペースアップ。主導権を奪われるのを嫌ってイネオス勢はダニエル・マルティネス(コロンビア)をアタックさせたが、そう大きな変化には至らない。それもあって、残り1.5kmでエースのエガン・ベルナル(コロンビア)自らアタック。これをチッコーネとレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)がチェック。3人は一度速度を緩めて集団へと戻るが、残り1kmを目前に再びベルナルがアタック。これに反応できたのはエヴェネプール、チッコーネ、ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)。マーダー以外の逃げをすべて吸収していたこともあり、ステージ上位をかけて4人がパックを組んだ。

4人はそのままステージ2位争いに移り、ベルナルが先着。マーティンが続き、それぞれ6秒と4秒のボーナスタイムを獲得。エヴェネプールも同タイムで続き、その2秒後にチッコーネが入った。そこから15秒前後のタイム差で総合系ライダーが続々とフィニッシュ。抜け出すことに成功した4人にとっては、貴重なタイムを稼ぎ出す格好になった。

©︎ LaPresse

これを受けて、個人総合では順位が大きく入れ替わり。首位には、このステージを12位で終えていたプロ2年目、22歳のヴァルテルが浮上。ハンガリー人ライダー初のマリアローザ着用者となった。第4ステージでメイン集団に先着して総合で上位につけていたが、この日の走りでトップまで到達。11秒差の2位にエヴェネプール、そこから5秒差でベルナル、さらに8秒差でアレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)と前評判の高かった選手たちも好位置へ。徐々に総合争いの形勢も見え始めている。

日本勢で唯一参戦中の新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は、2449秒差の114位でフィニッシュ。

また、このステージ終盤にはメイン集団でのアシストを終えて後方へと下がろうとしていたピーター・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)に、チーム バイクエクスチェンジのチームカーが追突。セリーはバイクを交換してすぐに走り出したが、思わぬハプニングが起こっている。

14日に行われる第7ステージは、ノタレスコからテルモリまで181km。全体的に平坦基調だが、フィニッシュ前1.7km12%の上りが待ち受ける。その後も最後まで上り基調で、この変則レイアウトがステージ争いにどんな影響を与えるかがポイントになる。

ステージ優勝 ジーノ・マーダー コメント

©︎ LaPresse

「昨日はクラッシュでミケル(ランダ)を失うとても悲しい日だった。今日からは新しい目標に切り替え、積極的に逃げを試みる必要があった。彼(ランダ)は私を信じてくれていて、このステージできっと勝てると言ってくれた。その通りに勝つことができて本当にうれしい。

(名前について問われ)ジーノ・バルタリについてはあまり知らない。サイクリストとして同じ名前であることは光栄に思っているが、彼の業績には到底及ばない。

ジロはいつだって世界で最も美しいレース。出場することを夢見ていたし、ステージ優勝できて最高の気分だ」

個人総合首位 アッティラ・ヴァルテル コメント

©︎ LaPresse

「(自身が個人総合首位となり)レムコ(エヴェネプール)とベルナルを失望させてしまったかもしれないが、彼らにはまだまだチャンスがある。今日はとにかく彼らの動きを注視していて、フィニッシュに近づくにつれてマリアローザを着られると信じて走った。このジャージのために人生を賭けて走ったし、それが実現してとてもうれしい。調子がよく、ここまでの走りに満足しているが、この先何かを成し遂げてもまったく驚かないと思う。

昨年の(ジョアン)アルメイダのように長くリードを維持したい。それによって自信を深めていきたいし、将来的にはマリアローザを勝ち取る選手になりたい。(2022年に延期となっている)ブダペストでのジロ開幕に臨むことが今の最大目標だ」

ジロ・デ・イタリア2021 第6ステージ 結果

ステージ結果

1 ジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)4:17’52”
2 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+0’12”
3 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)ST
4 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)ST
5 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+0’14”
6 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’25”
7 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)ST
8 マルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン)+0’27”
9 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+0’29”
10 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)ST
114 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+24’49”

マリアローザ(個人総合成績)

1 アッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ、ハンガリー) 22:17’06”
2 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+0’11”
3 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+0’16”
4 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+0’24”
5 ルイス・フェルファーク(アルペシン・フェニックス、ベルギー)+0’25”
6 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+0’38”
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’39”
8 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+0’41”
9 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)+0’47”
10 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+0’49”
127 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+51’47”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ジャコモ・ニッツォーロ(チーム クベカ・アソス、イタリア)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

アッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ、ハンガリー)

チーム総合成績

バーレーン・ヴィクトリアス

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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