増田成幸がロードレース日本代表を決めた「バスクの名物レース」、五輪の翌日に開催
Bicycle Club編集部
- 2021年07月29日
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7月25日、東京五輪ロードレース男子が開催された翌日、バスクのオルディジアでプルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカ(以下PVOKと略)が開催され、ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)がスプリントで優勝した。昨年このレースは10月に開催され、宇都宮ブリッツェンの増田成幸、そして当時NIPPO・デルコ・ワン・プロバンスに所属していた中根英登と石上優大が出場。増田成幸がこのレースでUCIポイントを獲得し、東京オリンピック日本代表を決めたレースとして記憶している日本人のファンも多いだろう。日本人、そして日本代表にとってゆかりのあるPVOKをスペイン在住の對馬由佳理がレポートする。
「プルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカ」の関係者にも印象的だった増田成幸の走り
今年は東京オリンピック期間中に中に開催されることになったPVOK。数人のPVOKの関係者が「去年ここで走った日本人選手は、オリンピックのレースでどんな走りをしたんだい?」と筆者に質問するほど、昨年の増田成幸の走りが印象的なものであったことが伺えた。
去年のプルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカの詳細はこちらから↓
若手版のジロ・デ・イタリアを総合優勝した
フアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)が出走
今年のPVOKには全18チームが出走。その中でも、モビスターとUAEチーム・エミレーツ、そしてアスタナの3つのワールドツアーチームがそれぞれ優勝候補を抱えて参戦した。
モビスターはベテランのホセ・ホアキン・ロハスがチームの中心となる一方、アスタナからは2人のスペイン人クライマーのオスカル・ロドリゲスとルイス・レオン・サンチェスが優勝候補に挙げられていた。
しかし、最も注目されたのはUAEチーム・エミレーツのフアン・アユソだ。同選手が若手版のジロ・デ・イタリアで総合優勝し、ワールドツアーのチームに加入したのは、わずか一月ほど前のこと。そんな彼にとって、このレースがワールド・ツアー選手として最初のスペイン国内でのレースとなった。
レース展開は昨年とは一変。レース序盤で逃げ集団が形成
昨年は積極的にレースをコントロールするチームがなかったPVOKだったが、今年はスタートして20kmほどで5人の選手が逃げ集団を形成。そしてメイン集団に3分以上のタイム差をつけて、レースが進むことになった。
このタイム差が縮まったのはスタートして70kmを過ぎてから。このコースをよく知るエキーポ・ケルン・ファルマがメイン集団の先頭に立つと、逃げ集団とのタイム差が一気に縮まる。そしてスタートから100km地点になると、マティアス・ノルスゴー(モビスター)が先頭に立つ一方で、今度はUAEチーム・エミレーツがメイン手段をコントロールし、アユソを集団前方に送り込む。
しかし、逃げるノルスゴーはメイン集団とのタイム差を40秒ほどに保ったまま、ラスト25km地点を通過、この時点からメイン集団をコントロールしたい複数のチームがそれぞれの思惑で動きはじめた。
ゴール前15kmでは数人の選手が単独で先頭に飛び出すが、集団はエキーポ・ケルン・ファルマやUAEチーム・エミレーツ等がコントロールしたため、大きなタイム差が生まれることなくレースが進み、複数チームによるメイン集団の組織的なコントロールもラスト10kmで崩壊した。
ここから優勝候補とされるアユソを含む6人の選手が飛び出し、ゴール前スプリントが繰り広げられることになった。
ルイス・レオン・サンチェスが若手を退け、スプリントで勝利
このスプリントを制したのは、ベテランのルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)。2位は注目されたフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)、3位にロジャー・アドリア(エキーポ・ケルン・ファルマ)という結果となった。
今年はスタート直後に逃げ手段が形成されたものの、レースの平均速度は43km/h。昨年のこのレースを知る選手からは「去年のようなカオスなレース展開ではなかったけど、それでも結構速くてきつかったよね」という声も聞こえた今年のレースだった。
1位 ルイス・レオン・サンチェス コメント
2人の若手サイクリストを抑える形でこのレースを優勝したサンチェスはレース後に「シーズン後半の最初のレースを勝てて嬉しいよ。今日のレースはアユソを始めとして実力のある若い選手が多かったから、僕はベテラン選手として落ち着いてレースをしようと思っていたんだ。このレースはは本当にゴール直前にならないと勝敗が決まらないってことは、幸い僕も知っていましたから」
2位 フアン・アユソ コメント
「チームが僕のために終始働いてくれたおかげで、最後の上りを先頭集団で上ることができました。今日はぜひ勝ちたいと思っていたけれど、最後のスプリントはルイス・レオン・サンチェスのほうが強かったですね」
リザルト プルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカ(165.7km)結果
1 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ・プレミアテック、スペイン)3:51′27″
2 フアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)ST
3 ロジャー・アドリア(エキーポ・ケルン・ファルマ)ST
4 エクトル・カレテロ(モビスター、スペイン)ST
5 ミケル・イツリア(エウスカテル・エウスカディ、スペイン)ST
6 オスカル・ロドリゲス(アスタナ・プレミアテック、スペイン)+0’8”
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