KHODAABLOOM・STRAUSS PRO DISC【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2021年11月13日
アジアレーサーの琴線に触れる穏やかで心地いい推進力
われわれアマチュアサイクリストにとって趣味のロードバイク。そのインプレッションの世界は一言で表現できるほど薄っぺらな世界ではない。なので、そこでいわゆる〝コスパ”の話をするのはあまり好きではない。
しかし、コーダーブルームを語る上ではプライスはきちんと評価すべきだ。価格高騰が止まらない最新モデルにおいて、国内ブランドとしてきちんとユーザー目線に立ってくれている。今回インプレッションした旗艦モデルのストラウスプロディスクもそうだ。
フレーム設計や機構は最新ディスクロードとしての基準を満たしている。しかしながら、飛びつきたくなるような最新テクノロジーが存在するわけではない。
東レのT800カーボンやフラットマウントディスクブレーキなどは、いまとなっては目新しいものではないことはすぐわかるはずだ。しかし、乗ってみると素材や機構だけでは語れない部分が見えてきた。
レーシングバイクなのに心地よいライドフィールを感じられる。ストラウスディスクは、そのようなモデルだ。その心地よさは、まるでわが家にいるかのようないつまでもリラックスできるもの。ファーナシリーズほどマイルドではないが、最新ディスクブレーキモデルらしいシャキッとした運動性能もある。
コーナーからの立ち上がりの加速時、ダンシングシーンでも脚あたりは攻撃的ではなく、軽くペダルに体重を乗せていくだけで滑らかに推進力を得られる。
企画から開発までその道の日本人プロフェッショナルたちが全面的に関わるバイクだけに、正解のないライドフィールもアジア人好みにチューニングされている印象だ。メーカー担当者の、「レースや自身の目標達成のために、最後まで脚を残せるバイクとなっています」との言葉に頷ける。
ペダリングの入力に対する反応性や機敏なステアリング性能にはレースバイクらしさを感じながら、過剛性感のないライディングを続けられた。今回、距離が100㎞近くに迫っても、ペダリングがギクシャクすることなく心地よいライドを楽しむことができたことこそ、このバイクの最大の特徴だろう。
もちろん、シチュエーションごとの性能も最新ロードらしい。スピードの緩急にもリニアに対応するだけの機敏さを感じられ、安価なディスクロードにありがちな動きの鈍さは感じられなかった。ダウンヒルや高速コーナリング中も、不安定な挙動が生まれることもなく、安心してバイクに身を委ねることができた。
冒頭でお話ししたように、価格に対する性能のよさは文句のつけようがない。アジア人レーサーが直感的に好きになれるフィーリングを宿したストラウスプロディスクは、一度は試乗してみる価値がある。
2022モデルでサイズ展開を3サイズから2サイズへ減らしてしまった点はやや残念ではあり、大きいか小さいかの究極の選択になる。コクピットまわり、シートポストが汎用パーツに対応するため、ポジションの調整幅は広いことは事実なのでそのあたりのパーツセレクトも楽しみながらポジションを煮詰めていければいいだろう。
最後に、コロナ禍でスポーツ自転車が人気になり、オリンピックでは過去に前例のないほど一般市民にロードレースの存在が知られた。スポーツバイクの世界に一歩踏み入れた人も多いのではないだろうか。
日本に自転車カルチャーを広げるチャンスが、今まさに訪れている。その推進のためにスポーツバイク愛好家の裾野を広げる主翼を担う存在こそコーダーブルームと言えるだろう。そして、日本の環境にマッチするスポーツバイクは日本で走るサイクリストが全面的に携わるメーカーだからこそ作れる。そんな思いを強くした今回のエクスプローラーだった。
SPECIFICATION
KHODAABLOOM・STRAUSS PRO DISC
価格:52万8000円(アルテグラ完成車)、23万9800円(フレームセット)
■フレーム:東レ製 T800カーボン、T700カーボン
■フォーク:東レ製 T800カーボン、T700カーボン
※完成車参考コンポーネント
■コンポーネント:シマノ・デュラエースR9270 DI2
■ブレーキ:シマノ・デュラエースR9270 DI2
■ホイール:P&Pコンポーネンツ・ボレアス
■シートポスト:P&Pコンポーネンツ・SP-C200
■サドル:P&Pコンポーネンツ・ゼロス
■フレーム重量:1065g(480mm)
■フォーク重量:435g(480mm)
■試乗車重量:7.05kg(サイズ480mm・ペダルなし)
■カラー:オーロラブルー
※試乗車コンポーネントは、R9270 DI2搭載モデルであり、完成車販売仕様とは異なる。
GEOMETRY
問:ホダカ khodaa-bloom.com
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