初ボーナスでロードバイクを買い、日本チャンピオンへ|ワイズロード植竹海貴インタビュー(後編)
Bicycle Club編集部
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日本チャンピオンとなった植竹海貴選手。その素顔はスポーツ自転車専門
専門学校への通学でクロスバイクに乗ったのがきっかけ
加藤:そもそも、スポーツとしての自転車を始めたきっかけはどういうものでしたか?
植竹:専門学校へ通学するときに、ワイズロード池袋本館でクロスバイクを買ったのが最初です。今思えば、元々ママチャリで遠出するのも好きだったので、自転車は好きなんだと思います。
加藤:その頃はロードレースに出るとか、ロードバイクに乗ることは意識していましたか?
植竹:いいえ、その頃はまだ通学で乗るのとたまに荒川をサイクリングで走って葛西臨海公園やその近くのパン屋さんに行ったり、たまに父の友人のおじさんたちとサイクリングに出かける程度でした。ロードバイクで走っている人たちを見ているとロードバイクにも乗りたいなぁと思うようになりました。
加藤:それで、ロードバイクを買うことになったんですね?
植竹:はい、2016年、保育園に就職して最初のボーナスでロードバイクを買いました、それもワイズロードで!
お店にあったリドレーのフェニックスSLが格好いいと思って、ずっと狙ってました。
加藤:乗り方とか、トレーニングはどうやって学んだのですか?
植竹:初めはワイズロード池袋本館のクラブライド、サンデーライドに参加して走るようになりました。一緒に走って頂いた方たちから「結構走れるね」と言われるようになって、中級や上級者が集まるワイズロード志木店のクラブライドに参加するようになりました。そこには女子メンバーも何名かいたので、さらに楽しくなりました。
加藤:よい環境ですね。そんななかで、徐々にロードレースにも興味をもったのですか?
植竹:最初はチームでエンデューロに出場しました。筑波8時間耐久を女子5人で交代で走って優勝しました。意外と走れるなと思って、今度は個人のロードレースにも出場しました。それが埼玉県で開催される秩父宮杯で、女子は10人出走。結果は3位でした。
加藤:それで、負けず嫌いの性格に火がついたんですか?
植竹:はい、レースで勝ちたいなと思うようになりました。でも、そんなに甘くはなかったですね。翌年2018年からJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)のレースにも出始めました。もちろん国内トップクラスの選手たちに勝てるはずもなく、その年の最高位は5位です。秩父宮杯は再び3位でした。その年に島根県で開催された全日本選手権ロードU23にも出場したのですが、ぎりぎり完走で7位。しかもエリートの女子選手たちから周回遅れで、トップの與那嶺選手に上りで抜かれたときのスピードが全然違ったのでがくぜんとしたのを覚えています。それでトレーニングから何かを変えていかなければ、来年エリートに上がっても戦えないと危機感をもつようになりました。
加藤:そこから金田智行コーチにトレーニングも見ていただくようになったわけですね。
植竹:はい、ワイズロードのクラブ員の紹介で、金田さんにはレース前に体のコンディションを診て頂いていたことがありました。また、トレーニングの指導もされているということも知ってはいたので、2019年シーズンに向けてコーチもお願いすることになりました。
加藤:2019年はJBCFでも初優勝をし、ロードレースで勝てるようになりましたね。
植竹:2019年シーズンに向けてトレーニング方法が変わり、男子選手とも走るようになって、フィジカルは強くなってきました。JBCFは春先の修善寺で3位、群馬2位、宇都宮のクリテリウムで初優勝しました。でも6月雨の全日本選手権ロードは、富士スピードウェイの下りやコーナーが怖くて、うまく走れませんでした。結果はDNFです。JAPAN CUPの女子クリテリウムは初めて海外選手たちと走って4位でした。私はチームから1人で参戦だったので、チーム戦になると難しいと感じましたが、それより平均40km/hを超えるレースを走れたことが楽しかったです。その後ツール・ド・おきなわの国際レースに出場したかったのですが、仕事の都合で遠征することができずとても残念だったので職場を変えることにしました。
ツール・ド・おきなわに出られないことがきっかけでワイズロードへ転職
加藤:もう完全に自転車レース中心の思考回路になってますね(笑) レースをするうえで、環境はとても大事だと思います。それで今お勤めのワイズロードから転職のお誘いがきたわけですか?
植竹:じつは私のほうからお願いをしました。店舗での販売業務がメインなのですが、それだと土日休んでのレース遠征が難しくなるので、選手枠のような採用方法がないかご提案したんです。それで会社も考えてくださって、契約社員として採用いただくことになりました。そのため、土日休みが取りやすいマーケティングの部署に所属しています。
加藤:とても理解のある会社ですね、植竹選手の前向きなご提案も素晴らしいと思います。
植竹:自転車に囲まれている職場というだけで私はうれしいですし、さまざまなメーカーの自転車や製品の知識が身につきました。自転車が好きな私にとっては最高の職場環境です。
加藤:そして10月は全日本選手権で優勝しましたね。お店でお客様から話しかけられたり、変化はありましたか?
植竹:そうですね、たまにお客さんが気づいて声をかけて下さるようになりました。先日は私がお薦めしたロードバイクを買って下さったお客様が、日本チャンピオンから薦めてもらってロードバイクを買ったと喜んで下さって、とてもうれしかったです。
加藤:2018年当時と今年とでは、どのくらいの走力の差がありましたか?
植竹:FTPの出力でいうと、3年半で約50W上がりました。2018年が全然だったというのもありますが、着実に上がってきてはいます。
一緒にレースを走ってくれる仲間がいる職場
加藤:レースを始めたときからナショナルチャンピオンに至るまでの成長ぶりも見事ですね。日本チャンピオンになれば会社の宣伝にもなりますし、普段のお仕事のなかでも付加価値をもたらされています。新宿本館では何名ほどスタッフが働いていますか?
植竹:約30名です。スタッフ同士で自転車の話ができるのもうれしいです。前の職場では自転車に興味のある人がいなくて、それができなかったので……同じ新宿本館のスタッフのなかにJBCFなどでレースを走っている男子選手もいるので、一緒に走ったりしています。
加藤:まさに天職でしょうか、素晴らしい環境だと思います。念願のツール・ド・おきなわも来年開催されたら出場できますね。
植竹:そうですね、来年の目標は全日本選手権ロード2連覇ということになりますが、ツール・ド・おきなわも走ってみたいです。
加藤:日本代表のナショナルチームにも招集されると思いますので、合宿への参加や海外レースが再開されたときには遠征もあるでしょうし、楽しみですね。
植竹:自分より強い選手と走るのが楽しいですし、これからもいろいろとチャレンジをしていきたいです。
加藤:植竹選手の活躍する姿を見て、これから日本でも女子のサイクリストやレースを楽しむ女性たちが増えてくるといいですね。ヒザへの負担も少ないので、私は自転車を高齢になっても続けられる生涯スポーツとして推奨しています。例えば、ワイズロードで女子のサンデーライドなんかも開催できるといいと思います。
植竹:そうですね。私も周りの女子サイクリストにレースを勧めるのですが、ヒルクライムは出場する人は比較的多いものの、ロードレースとなると落車やケガの心配をして尻込みする人が多い印象があります。女子のロードレースは出走人数が10から30名と少ないので、100名以上で走る男子のレースに比べるとかなり落車のリスクは少ないと思います。女子のレースも参加人数が増えて、レースがもっと盛り上がっていくとうれしいです。
加藤:冬場はどんな風に過ごしますか?
植竹:従来のトレーニングにプラスして、シクロクロスも走ってみようと思います。ロードレースで勝ったから、シクロクロスも速いのではと期待されがちですが、コーナリングとかまだまだ苦手なところがあるので、速く走れなくても温かく見守ってください!
加藤:シクロクロスはシーズンオフのトレーニングにもいいですし、バイクコントロールのスキルが身につくので、ロードレースに向けたスキルアップにも良いですね。そういえば、次回日本ナショナルチャンピオンジャージでレースを走られるのはいつ頃でしょうか?
植竹:JBCFの開幕戦になると思います。そこでもしも勝って、シリーズリーダーになると、その次はリーダージャージを着ることが優先されるので、どれだけ着られるのかはわかりません。あとはJBCF以外では6月の全日本選手権ロードだと思います。
加藤:2022年シーズンが楽しみですね。今後のご活躍に期待しています! 最後に、ファンの方々へひと言どうぞ。
植竹:ありがとうございます! これからもワイズロードとレースの応援よろしくおねがいします!
撮影用に店内でSARISのスマートトレーナーにも乗っていただきましたが、とてもポテンシャルが高いと感じました。まだ25歳の若き日本チャンピオン、来シーズンの走りに注目です。
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