ANCHOR/RP9【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2022】
Bicycle Club編集部
- 2022年01月20日
「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022」にノミネートされ、見事No,1に選ばれたANCHOR/RP9。
その概要と選考委員ハシケン、安井行生による試乗レビュー、さらにモデルの深掘りレポートをお届けする。
空力、剛性、軽さを高い次元で融合したオールラウンダー
日本が誇るスポーツバイクブランド、アンカーの新フラッグシップレーシングロード・RP9。車名の「P」は英語で推進力を意味する「Propulsion」にちなむ。
「ステージレースを1台で戦えるバイク」を目指し、平地巡航での速さで求められる空力、アタック時の反応に影響を与える剛性、上りの速さに直結する軽さを高い次元で融合させているのが特長だ。
開発にあたっては、国際大会で華々しく活躍するアンカーの中距離向けトラックバイクの開発技術を投入CFD解析による空力解析によってステムやシートポストも含めた総合性能を追求している。
ダウンチューブにカムテール形状を採用し、ケーブルのフル内装化を実現するなどし、空力は時速40㎞、ヨー角0度の風を想定した同社の風洞実験ではRS9s比21Wのドラッグ低減を実現。フレーム・フォーク・小物類の総重量でもRS9s比で30gほど軽い1360gを達成している。
アンカー・RP9
価格:121万円(シマノ・デュラエースDI2完成車)、49万5000円(フレームセット)
●フレーム:プロフォーマット、HMカーボン+T1100カーボン ●フォーク:プロフォーマット、HMカーボン+T1100カーボン ●コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2 ●ホイール:DTスイス・ARC1100ダイカット50 ●タイヤ:ブリヂストン・R1X 700×25C ●サイズ:440、490、510、530 ●試乗車実測重量(ペダルレス):6.93㎏
問:ブリヂストンサイクル
www.bscycle.co.jp
自腹購入が満点評価のすべての理由ではなく好むべき理由がある
ハシケン
もっとも高く評価した一台。自身がこのモデルを大枚はたいて購入したからではない。もちろん性能面で劣る点があるようでは自腹購入には至らないが、ベスト10ともなると好みが出てくるところもある。アンカー旗艦モデル初のディスクモデルとなったRP9は、単純な最新技術の寄せ集めモデルではなかった。初速、巡航域ともに研ぎすまされており万能モデルとして文句なしだ。軽快な反応性を生む硬さをもちながら、脚への優しさも感じるバランスのよさ。日本人開発者が日本人のために開発したという価値。日本ブランドが生み出した歴史に残るモデルと断言する。
ハシケン
バイシクルクラブ「ロードバイクエクスプローラー」担当サイクルジャーナリスト。ヒルクライムレースを中心に数々のタイトルを獲得してきたアマチュアレーサーで、4.5㎏の超軽量バイクを組んだこともある軽量オタク。乗鞍・冷泉小屋再生プロジェクトに携わる
世界に誇れる「奥行きのある走り」を高く評価
安井行生
コンセプト、時代性、コストパフォーマンスに目立った点は見られない。商品としては、もう何年も前に既視のもの。僕はラ・ルートの原稿に「全力の後出しじゃんけん」と書いた。そういう意味では、今回の評価基準として不利な一台だ。しかし、走りがそれを覆した。脚当たりのよさと世界トップレベルの性能をここまでバランスさせたフレームは少ない。ただ速いだけではなく、人間に寄り添う速さ。開発者インタビューで、それを生んでいる絶妙な剛性感は意図して練り込まれたものだと知った。この奥行きのある走りを高く評価する。
安井行生
大学卒業後、4年間のメッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストになり、さまざまな媒体で試乗記や技術解説
を執筆している。2020年に「広告なし、忖度なし」を標榜する会員制自転車ウェブメディア、La route(ラ・ルート)を立ち上げた
問:ブリヂストンサイクル ANCHOR RP9特設ページ
https://www.bscycle.co.jp/anchor/rp9/
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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