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ポガチャル、エヴェネプールら参戦! 初日個人TTは世界王者ガンナが貫録勝ち|ティレーノ~アドリアティコ

ロードレース最高峰のUCIワールドツアーは、3月7日からイタリアで「ティレーノ~アドリアティコ」がスタート。まずは13.9kmの個人タイムトライアルから戦いが始まり、この種目の世界王者であるフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)が快勝。最初のリーダージャージ着用者となった。この大会にはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)やレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)ら、今をときめくスター選手が多数参戦。ここから、大注目の7日間が始まる。

急遽ティレーノ参戦のガンナが異次元のスピード披露

イタリア半島を挟むようにして広がるティレニア海とアドリア海。その姿から“二つの海を結ぶレース”とも呼ばれるのが、今回で57回目を迎えるティレーノ~アドリアティコ。例年3月前半に行われ、先に開幕したパリ~ニースと並行して進んでいくのがこの時期の慣例。有力選手は両レースのどちらかに分散し、シーズン序盤の脚試しを行う。

3月の第一土曜に開催されるストラーデビアンケからの連戦となる選手も多く、ここからさらにミラノ~サンレモや春のクラシックへとレースを重ねていくライダーの姿も毎年楽しめる。この大会で覇権を争った選手たちが、その後のビッグレースで活躍することは必至で、シーズンを占う重要大会でもある。

それもあり、今大会にはポガチャルやエヴェネプール、マイヨアルカンシエルのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)、東京五輪金メダリストのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)ら大物が多数集結。パリ~ニースとともに、目が離せない1週間となる。

まずは、ティレニア海に面したリド・ディ・カマイオーレでの個人タイムトライアルで各選手が走りを披露。13.9kmのコースは海沿いの往復。オールフラットで、レース距離を考えてもハイスピードの戦いになるものと予想された。

実際にそのとおりのレースとなった。全体の21番目に出走したアレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック、イギリス)が平均時速53kmオーバーの15分42秒で走破。これが基準タイムとなる。その後、ときおりこのタイムに迫る選手が現れるが一番時計更新とはならず、しばしドーセットがホットシートを温める。今大会の注目選手の中では早めの出走となる80番目に登場したアラフィリップは16分15秒、124番目にスタートしたカラパスは16分4秒で走り終えている。

こうした流れを変えたのが、128番目にコースへと飛び出したカスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)だった。前半はドーセットに迫るタイムで終えると、後半でさらにスピードアップ。フィニッシュでは1秒更新する15分41秒をマーク。ついにトップの座が入れ替わる。

いよいよ各チーム最終ライダーへ。イネオス・グレナディアーズが送り込んだのは世界王者のガンナ。スタートから猛然と攻めると、中間計測から圧倒的なタイム。後半さらにスピードを乗せると、フィニッシュタイムはアスグリーンを大きく上回る15分17秒。ただひとりアベレージスピードが54km台の圧倒的な走りを見せつけた。

©︎ LaPresse

その後、クイックステップ・アルファヴィニルの最終ライダーとしてエヴェネプールがスタート。こちらも好走でガンナに続く中間時計を記録すると、その勢いのままフィニッシュへ到達。さすがにガンナからは遅れたが、11秒差の15分28秒でまとめた。

©︎ LaPresse

そして前回覇者として大トリを務めたのがポガチャル。前半こそ5番目のタイムだったが、後半に入ってさすがのペースアップ。ガンナとエヴェネプールには届かなかったものの、それでも15分35秒で走り切って、初日は3位発進。個人総合2連覇へ向けて、まずまずのスタートを切ったといえそうだ。

©︎ LaPresse

これらの結果により、大会初日のリーダージャージはガンナのもとへ。第2ステージは、マリアアッズーラを着て出走することが決まった。

総合系ライダーでは、2位にエヴェネプール、7秒差の3位にポガチャル。そこから20秒以上開いてミゲルアンヘル・ロペス(アスタナカザクスタン チーム、コロンビア)やテイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ら。直接対決に注目が集まるエヴェネプールとポガチャルが、他選手から先行する形になっている。

8日に行われる第2ステージは、カマイオーレからソヴィチッレまでの219km。丘陵ステージにカテゴライズされ、中盤から後半にかけて急坂区間も控える。メイン集団にどの程度の人数が生き残るかで、ステージ優勝争いの流れも変わってくると考えられる。最終盤は平坦基調とあり、スプリンターが上りを前方でクリアできれば、勝負できる絶好の機会となる。

ステージ優勝、個人総合時間賞 フィリッポ・ガンナ コメント

©︎ LaPresse

「勝つことにフォーカスして全力を尽くした。本来はパリ~ニースへの出場を予定していたが、プロになってからずっとティレーノ~アドリアティコを走ってきた。最初は苦手意識しかなかったけど、今ではすっかりお気に入りだ。今日はとても良いタイムトライアルになったし、いくつかリスクを冒したがいずれも問題なかった。これからはチームメートのサポートに徹するつもり。個人的にはミラノ~サンレモにつなげたいと思っているので、しっかりコンディションを上げておきたいと考えている。まだまだシーズン序盤。この1週間どんな走りができるかわからないが、スプリントではエリア・ヴィヴィアーニを、山岳ではリチャル・カラパスとリッチー・ポートをサポートするよ」

ティレーノ~アドリアティコ2022 第1ステージ結果

ステージ結果

1 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア) 15’17″(Ave.54.569km)
2 レムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)+0’11”
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’18”
4 カスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)+0’24”
5 アレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック、イギリス)+0’25”
6 テイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)+0’28”
7 トビアス・ルドヴィグソン(グルパマ・エフデジ、スウェーデン)+0’32”
8 ヨス・ファンエムデン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’33”
9 ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ、デンマーク)+0’39”
10 マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)ST

個人総合時間賞

1 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア) 15’17”
2 レムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)+0’11”
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’18”
4 カスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)+0’24”
5 アレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック、イギリス)+0’25”
6 テイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)+0’28”
7 トビアス・ルドヴィグソン(グルパマ・エフデジ、スウェーデン)+0’32”
8 ヨス・ファンエムデン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’33”
9 ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ、デンマーク)+0’39”
10 マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)ST

ポイント賞

フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)

ヤングライダー賞

レムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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