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ログリッチ悲願の個人総合初優勝! S・イェーツが最終日勝利で総合でも2位に|パリ~ニース

フランスで行われていたステージレース、パリ~ニースは現地3月13日に実施された第8ステージをもって全日程を終了。個人総合成績をかけた争いは最終日まで続いたが、大会初日から常時上位を走り続けたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)がトップの座を守り切って、個人総合初優勝。昨年、頂点に手をかけながら最終日でのクラッシュが影響しタイトルを逃していたこともあり、2年越しの大会制覇となった。最終の第8ステージは、サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)が勝利。個人総合でも2位となっている。

ワウトがログリッチのピンチを救う

パリ郊外の街をスタートして、8日間かけて南仏・ニースを目指すステージレース。“ミニ・ツール・ド・フランス”とも呼ばれ、ツールへの足がかりともなる重要なレース。プロトンは南へ向かう間、強い風や難攻不落の山岳、個々の走力が試されるタイムトライアル、そしてスプリントによるスピードとパワーの勝負と、あらゆる要素をこなしてきた。

迎えた大会最終日。目的地であり、この日の発着地であるニースは雨。「太陽へ向かうレース」としても知られるが、ここへきて太陽が姿を隠してしまい、何か波乱を予感させるムード。レース距離は116kmと短いながらも、その中に2級と1級のカテゴリー山岳が5カ所詰め込まれ、マイヨジョーヌをかけた最後の駆け引きが繰り広げられることとなる。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

そうして始まったレースは、やはりメイン集団の緊張感が高く、まったく逃げが決まらない。逆に早々に集団から遅れる選手も現れて、リーダーチームのユンボ・ヴィスマがコントロールするプロトンは50km地点を前に20人ほどに絞られる。後方に取り残されていた個人総合上位陣の一部が前線復帰したことで集団の人数がわずかに増加したものの、距離を追うごとに厳しさが高まるレース展開は完全にサバイバルの様相となった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

4つ目のカテゴリー山岳である1級のコート・ド・ペイユからは、イネオス・グレナディアーズが集団を牽引。主導権を握ると、残り49kmでチーム最上位の個人総合3位につけるダニエル・マルティネス(コロンビア)がアタック。これをワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)が追うと集団の人数は激減。マルティネスを捕まえてからもファンアールトのハイペースの引きは続き、あっという間に先頭は5人となる。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

このうち、レースの流れを変えたマルティネスが残り33kmでパンクに見舞われる不運。先頭に生き残ったのはファンアールトのほか、マイヨジョーヌのログリッチ、個人総合2位につけるサイモン・イェーツ、同じく5位のキンタナだけ。その形成のまま、最後の山岳であるおなじみのエズ峠へと入っていった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

このステージの最重要区間ともいえるエズ峠の上りで、サイモン・イェーツがアタック。フィニッシュまで19kmを残したタイミングでの仕掛けには誰も続かず、ログリッチはファンアールトにペーシングを任せて一定ペースで進行。ほどなくしてキンタナが遅れ、サイモン・イェーツとユンボ・ヴィスマ勢2人との差は25秒に。山頂に到達し、残る15kmはニース市街地のフィニッシュラインをめがけてのダウンヒル。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

個人総合での逆転をかけて攻めたサイモン・イェーツに対し、下りを得意とするユンボ・ヴィスマ勢2人は少しずつタイム差を縮める。残り5kmでその差は8秒となり、ファンアールトとログリッチは先頭交代を繰り返しながら猛追。かたやサイモン・イェーツも個人総合での逆転は難しくなったが、狙いをステージ優勝に切り替えて最後のひと踏ん張り。残り3kmで5秒差となったが、それ以上の追撃は許すことなく単独でフィニッシュまでやってきた。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

逃げ切りでのステージ優勝を決めたサイモン・イェーツは、同時に個人総合2位も確定。それから9秒後、ファンアールトとログリッチがフィニッシュラインを通過。この瞬間、ログリッチはパリ~ニース初制覇を確定させた。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

ログリッチは昨年、ステージ3勝を挙げて個人総合優勝が決定的とみられながら、大会最終日に激しくクラッシュし前線から脱落。総合でも順位を大きく落とし、まさかの15位フィニッシュだった。今回はその雪辱となる、2年越しのパリ~ニース戴冠。第1ステージでチームメートと逃げ切って2位スタートとすると、個人タイムトライアルで競った第4ステージでも2位。そして翌日の第5ステージで満を持してマイヨジョーヌに袖を通すと、山頂フィニッシュだった第7ステージで優勝。最終日こそサイモン・イェーツの追い上げにあったが、貯金を生かして最後までリードを守り抜いた。

そして今年は、「3度目の正直」としてツール初制覇にも挑む。一昨年はトップを走りながら、最終日前日にまさかの逆転劇で悲劇のヒーローに。昨年は大会序盤のクラッシュが響いて途中リタイアと、悔しい結果が続いている。その意味では、パリ~ニースでのタイトル獲得はツールへの足がかりとなるだろう。ちなみに直近では、フランスで一本レースを走ったのち、19日のミラノ~サンレモ出場を予定。4月上旬のイツリア・バスクカントリー(スペイン)を走り、同下旬のアルデンヌクラシックへと向かう見込みだ。

最終成績は、ログリッチに続いてサイモン・イェーツが個人総合2位、マルティネスが同3位。各賞はポイント賞にファンアールト、山岳賞にヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)、ヤングライダー賞にジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)がそれぞれ輝いている。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

UCIワールドツアーは、ここからワンデーレースとステージレースとが並行して開催されていく。次戦は19日のミラノ~サンレモ。ステージレースとしては、スペインへと舞台を移して21日から27日までボルタ・ア・カタルーニャが開催される。

ステージ優勝 サイモン・イェーツ コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「個人総合での逆転は遠かった。さすがに難しいことはわかっていたので、ステージ優勝でも満足している。(ログリッチらとの)タイム差が開いたときに個人総合での逆転がちらついたが、下りでその差が縮まるであろうことは感じていた。あの2人(ログリッチとファンアールト)に対して、逆転するのは難しい仕事だった。

レース条件は厳しかったが、ここで雨のレースを経験していたので、準備はできていた。総合表彰台に立つことができてうれしい。またこの大会に戻って優勝を目指したいが、今回の2位にも満足している」

個人総合時間賞 プリモシュ・ログリッチ コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「何のドラマもなく最後まで終えることはあり得ない。今回も最終日はとても大変だったが、昨年より幸せであることは明らかだ。そしてチームみんなに感謝したい。特にワウト(ファンアールト)は半分人間、半分モーターと思わせるくらい万能なチームメートだ。個人的には今日はベストではなかった。上りではとても苦しんだ。逆にワウトの調子が良かったので、私にとっては大きな助けになった」

ポイント賞 ワウト・ファンアールト コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「何とか大会制覇にこぎつけた。今日はコントロールが非常に難しかった。ログリッチの状態がベストではなかったので、彼のリードを守るのは私次第だった。上りでタイムを失っていることは理解していたが、向かい風の影響もありタイム差が大きく広がることはなかった。下りでもリスクは冒さず、フィニッシュに到達することに集中した。

グリーンジャージはいつだってうれしい。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、ティレーノ~アドリアティコ、そしてパリ~ニースと獲ったので、今年の夏はツール・ド・フランスで大きなものを手に入れられるかもしれない。ひとまずは回復に充てて、今年最初のモニュメント(ミラノ~サンレモ)の準備に移りたいと思う」

山岳賞 ヴァランタン・マデュアス コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「1週間を通してバランスは良かった。UCIワールドツアーでは初めてとなるスペシャルジャージなので、今後に向けて自信になりそうだ」

ヤングライダー賞 ジョアン・アルメイダ コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「上りで苦しんだが、何とか走り切ることができた。チームメートが助けてくれて、ホワイトジャージを手に入れられた。本当は個人総合でもっと上位を目指したかったが、今回の結果は最後まで戦い抜いたご褒美だと思いたい」

パリ~ニース2022 第8ステージ結果

ステージ結果

1 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス) 2:52’59”
2 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’09”
3 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
4 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+1’44”
5 セーアン・クラーウアナスン(チーム ディーエスエム、デンマーク)ST
6 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)
7 オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
8 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
9 ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)
10 ヨン・イサギレ(コフィディス、フランス)

個人総合時間賞

1 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア) 29:19’15”
2 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)+0’29”
3 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+2’37”
4 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+3’29”
5 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)+3’43”
6 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)+3’51”
7 ヨン・イサギレ(コフィディス、スペイン)+4’52”
8 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+5’43”
9 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+5’48”
10 オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+6’32”

ポイント賞

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞

ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)

ヤングライダー賞

ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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