BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

ポガチャルがクイーンステージ完勝! 総合2連覇へ前進|ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ

熱戦が繰り広げられているティレーノ~アドリアティコは、現地312日に第6ステージを実施。モンテ・カルペーニャを2回登坂する山岳コースで、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が圧倒的な走りを披露。ライバルを大きく引き離し、独走でステージ優勝を挙げた。1ステージを残しているものの、個人総合2連覇へ向けて大きく前進した。

上りだけじゃなく下りでもライバルを圧倒したポガチャルの走り

イタリア半島の西側に広がるティレニア海を見ながらスタートした大会は、反対側のアドリア海まであと少し。大きなヤマ場となったのが、この第6ステージだ。

アペッキオからカルペーニャまでの215kmに設定されたレースは、終盤に登坂距離6km・平均勾配9.9%のモンテ・カルペーニャを2回上る。上りの前半に最大勾配15%に達し、その後も10%前後の勾配が続く山道を2周回。頂上通過後のダウンヒルもテクニカルで、道幅が狭くコース脇に雪が残る状況も、このステージの過酷さを感じさせる要素となっている。

4人の逃げで始まったレースは、その後ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)ら5選手が後発で先頭に合流。最大9人が逃げる形になると、メイン集団に対して最大で5分ほどのリードを確保する。

©︎ LaPresse

しばらくそのまま進んだが、フィニッシュまで50kmを切ったあたりから先頭グループの人数が少しずつ減っていく。モンテ・カルペーニャを上る周回コースへは、5人逃げの形で向かっていく。いよいよこの上りが始まると、逃げメンバーの脚の差がさらに顕著に。アラフィリップはメイン集団に戻る判断をして意識的に先頭グループから下がったが、その他メンバーはクイン・シモンズ(トレック・セガフレード、アメリカ)が振り切って独走態勢に。

一方でメイン集団では、UAEチームエミレーツによる上りでのペースメイクで、個人総合2位のレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)が遅れ始める。何とか集団が見える位置で粘っていたが、やがて力尽き大きく遅れてしまう。前待ちしていたアラフィリップが牽引役となって、集団復帰にかすかな望みをかける。

©︎ LaPresse

ひとり逃げ続けるシモンズは、20秒ほどのリードを保って最終周回へ突入。メイン集団もダミアーノ・カルーゾ(イタリア)とペリョ・ビルバオ(スペイン)のバーレーン・ヴィクトリアス勢が前へ出て活性化を図る。さらに、総合エースのミケル・ランダ(スペイン)も2回目のモンテ・カルペーニャでペースを上げると、シモンズに追いつくのは時間の問題となった。

そして、フィニッシュまで16kmを残したタイミングで決定的な局面がやってきた。個人総合上位の選手たちに絞られつつあったメイン集団から、満を持して飛び出したのはリーダージャージのポガチャル。一撃でカウンターアタックを決めると、これに追随できる選手は現れず。シモンズもパスしてトップに立つと、あとは頂上を目指して突き進むだけ。単独走で上り終えると、フィニッシュめがけて最後の下りへ向かった。

©︎ LaPresse

落ち着いてダウンヒルをこなすポガチャルに対し、4人となった2番手グループではエンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)が落車。リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)もコーナーであわやオーバーランのピンチに陥り後退。ランダとヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)の2人でフィニッシュを目指した。

下りでも後続との差を広げることに成功したポガチャルは、悠々とフィニッシュ地点に到達。現役のツール・ド・フランス王者が、今大会のクイーンステージで圧勝。1ステージを残しているものの、個人総合2連覇に大きく近づいた。

©︎ LaPresse

2番手グループはポガチャルから13秒後にフィニッシュへ。最後はヴィンゲゴーが先着し、ランダが3位。両者は個人総合でもそれぞれ2位と3位に順位を上げている。また、個人総合2位でスタートしたエヴェネプールは、このステージで4分以上の遅れとなって個人総合では11位まで落としている。

大会は残すところ、あと1ステージ。例年最終ステージを行うサン・ベネデット・デル・トロントを発着地とする159kmの平坦コース。これまでは個人タイムトライアルで締めることの多かった大会だが、今年フィナーレを飾るのはスプリント。最終盤はアドリア海を見ながら14.6kmの周回コースを5周する。ここに賭けて山岳を耐えてきたスプリンターたちが溜めてきたパワーを爆発させるに違いない。そして、このステージを走り終えると今大会の王者が確定する。

ステージ優勝、個人総合時間賞 タデイ・ポガチャル コメント

©︎ LaPresse

「自分自身を無敵だとは決して思っていない。いつだって、誰かが追いついてきて攻撃されるのではないかという危機感を持っている。他の選手を過小評価することだってもちろんない。どんな結末になるかは、やってみないとわからないものだ。

今日は1日を通して調子が良く、ランダがアタックしたときはリズムが合わないと感じたので、アタックして自分のペースに持ち込んだ。とても寒くて頂上ではめまいがしそうだったが、何とか全力を尽くした。下りがとても難しかったので、落車を回避する意味でも単独走にできたことはプラスに働いた。UAEツアーでの暑さの後にこの寒さはさすがにチャレンジングだ。

私はパンターニがツール・ド・フランスで勝った年に生まれている。彼のキャリアを詳しく追ったことはないが、今日のレースで歴史の一部になれたのであれば非常に特別なことだ」

ティレーノ~アドリアティコ2022 第6ステージ結果

ステージ結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 5:28’57”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+1’03”
3 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)ST
4 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+1’34”
5 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+1’49”
6 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)ST
7 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)
8 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+2’23”
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)ST
10 テイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)

個人総合時間賞

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 23:45’55”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+1’52”
3 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+2’33”
4 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+2’44”
5 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+3’05”
6 テイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)+3’16”
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+3’20”
8 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)+3’37”
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+3’51”
10 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+4’03”

ポイント賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

山岳賞

クイン・シモンズ(トレック・セガフレード、アメリカ)

ヤングライダー賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load