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ログリッチがマイヨジョーヌ! マクナルティが山岳で逃げ切り勝利|パリ~ニース第5ステージ

フランスで熱戦展開中のパリ~ニースは現地310日、第5ステージを実施した。今大会最初の山岳ステージは、逃げた選手たちがそのままステージ優勝争いへ。残り40kmを切って飛び出したブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)が独走に持ち込み、そのままトップでフィニッシュへ。今シーズン3勝目、この大会では初めてとなる勝利を挙げた。個人総合順位にも変動が起き、2位につけていたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)が首位へ。マイヨジョーヌに袖を通している。

ユンボ・ヴィスマがマイヨジョーヌをチーム内移動

ユンボ・ヴィスマ勢のトップ3独占が2度起きるなどサプライズもありながら、ここまで4ステージを終えた今大会。第5ステージからは、いよいよ山岳地帯へと足を踏み入れる。

サン=ジュスト=サン=ランベールからサン=ソヴァール=ド=モンタギュまでの189kmに設定されたコースには、1級から3級までの5つのカテゴリー山岳が控える。また、山岳にカテゴライズされない上りもあり、登坂への対応力が問われる。前日の個人タイムトライアルで各選手に明確なタイム差も出たが、これらがどのようにレース展開に反映されるかも見どころになる。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

山岳区間に入るのを機に、18人が出走を取りやめ。ヤングライダー賞のマイヨブランを着るシュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・イージーポスト、スイス)は、体調不良で大会を去ることになっている。

126人でスタートしたレースは、しばしの出入りを繰り返して10人の逃げグループが形成される。この動きを容認してからは、リーダーチームのユンボ・ヴィスマが中心になってメイン集団をコントロール。その差は730秒近くまで広がった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

快調に逃げる先頭グループでは、ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)が山岳ポイントを次々と1位通過。得点を稼いで山岳賞争いを優位に進めようとの姿勢を見せる。フィニッシュまで50kmを切っても集団との差は6分以上あり、ステージ優勝の可能性が徐々に大きくなってきた。すると、残り40kmを切ったタイミングでマクナルティが上りを利用してアタック。先頭グループ後方からの仕掛けに他選手は反応が遅れ、マクナルティはあっという間に独走態勢へ移っていった。

一方で、時を同じくしてメイン集団では、マイヨジョーヌを着るワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)が少しずつ集団から遅れをとり始める。チームには総合エースのログリッチが控えていることもあり、ファンアールトにはアシストがつくことはなく、そのままリーダーの座をバトンタッチする構え。メイン集団の上りをこなすごとに全体の人数を減らし、やがて総合系ライダーで占められるパックへと絞られていった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

単独走ながら十分なリードを確保したマクナルティ。後ろでは数人単位がパックを編成して追走を図ったが、先頭までは届かず。1人でも安定したペースを刻んだマクナルティがそのままフィニッシュへと到達。両手を掲げてステージ優勝を喜んだ。

今のプロトンでは最高のチームの1つであるUAEチームエミレーツでは3年目のシーズンを送っている、23歳のマクナルティ。ジュニア時代からタイムトライアルを主に世代トップクラスの成績を上げ、トップチームに入ってからも着実に上位を押さえられるライダーに成長。昨年の東京五輪ロードレースでは、金メダルを獲ったリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)と残り5kmまでトップを争うなど、インパクトある走りができるあたりも魅力。今年はすでに2勝を挙げており、3つ目の勝ち星は自身初となるUCIワールドツアーでの勝利となった。

©︎ A.S.O./Alex Broadway

マクナルティのフィニッシュから約2分開いて、前半から逃げていた選手たちが続々とステージを完了。そして、543秒差でメイン集団もやってきた。この頃には15人ほどまで人数が絞り込まれ、終盤までアシスト陣に守られながら走ったログリッチも問題なくこの中で走り終えた。レース後半にはいくつかアタックが散発したが、いずれも大きな変化は生まれず、総合系ライダーは1つのグループでこのステージを終えている。

これらの結果により、個人総合順位は変動。ここまで上位を固めてきたファンアールトとクリストフ・ラポルトのユンボ・ヴィスマ勢2人が下がったことで、その他総合系ライダーがスライドする形で順位がアップ。個人総合優勝候補筆頭のログリッチがいよいよマイヨジョーヌに袖を通し、39秒差でサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)、さらに2秒差でピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)が追う形。総合タイム差1分以内に5人が入り、同10位でもトップと2分差と、まだまだ何が起こっても不思議ではない状況だ。

11日に行われる第6ステージは、クルテゾンからオバーニュまでの214km。地中海に面する南仏へと到達する。2級と3級のカテゴリー山岳が5つ待ち受けるが、最後の約18kmは下りと平坦とあり、セオリー的には逃げた選手たちがステージ優勝争いでは有利か。もう1つの焦点となる個人総合争いに何か動きがありそうな点に注目。ハードなレースとなることは間違いない。

ステージ優勝 ブランドン・マクナルティ コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

UCIワールドツアーでは初勝利は特別な喜びだ。大会序盤のエシェロンでクラッシュしたため総合をあきらめざるを得なかったが、心身を回復させたことで今日の勝利につながった。2週間前に勝ったファウン・アルデシュクラシックと同じコースが採用されていたこともプラスだった。

逃げはイチかバチかの判断だったが、脚の調子が良かったのでレースをうまく運ぶことができた。独走に持ち込みたいと思っていたのでアタックすることに決めた。上りは全力で、下りはリスクを抑えながら走りたいと考えていたので、それなら独走すべきだと判断したんだ」

個人総合時間賞 プリモシュ・ログリッチ コメント

©︎ A.S.O./Alex Broadway

「今日もいつもと同様にハードな1日だった。この先にもっと大きな山が控えているので気は抜けない。チームメートは今日も素晴らしい働きをしてくれたし、最高のクライマーと肩を並べて走ることができた。明日はどうなるかわからないけど、その先には昨年苦い経験をした最終の2日間が待っている。

今年も多くのレースを走るつもりなので、モチベーションはとても高い。リズムよく走ることができており、今の状態にはポジティブな印象しかないよ」

パリ~ニース2022 第5ステージ結果

ステージ結果

1 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ) 4:53’30”
2 フランク・ボナムール(B&Bホテルズ KTM、フランス)+1’58”
3 マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)ST
4 ハルム・ファンハウケ(ロット・スーダル、ベルギー)+2’30”
5 ローラン・ピション(チーム アルケア・サムシック、フランス)+4’01”
6 アンソニー・トゥルジス(トタルエナジーズ、フランス)+4’02”
7 ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)+4’57”
8 オウェイン・ドゥール(EFエデュケーション・イージーポスト、イギリス)ST
9 ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)+5’43”
10 カンタン・パシェ(グルパマ・エフデジ、フランス)ST

個人総合時間賞

1 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア) 16:50’28”
2 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)+0’39”
3 ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)+0’41”
4 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+0’56”
5 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ、ロシア)+0’59”
6 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’11”
7 セーアン・クラーウアナスン(チーム ディーエスエム、デンマーク)+1’26”
8 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)+1’35”
9 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)+1’45”
10 ヨン・イサギレ(コフィディス、スペイン)+2’01”

ポイント賞

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞

ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)

ヤングライダー賞

マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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