BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

終盤で独走に持ち込んだイェーツが勝利、マリアローザはカラパスへ移動|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリア第14ステージが現地5月21日に行われ、急坂が連続する丘陵コースでサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)が最後の約5kmを独走。そのまま1人で逃げ切って、ステージ優勝を挙げた。個人総合では、このステージ3位のリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)が首位に。マリアローザがフアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)の元を離れることになった。

イェーツがヒザの痛みを押して独走

大会第2週も残り2日。第14ステージはサンテナからトリノまでの147kmで争われた。スタートからしばしワンウェイルートを走ったのち、トリノを基点とする周回コースへ。周回内2つの2級山岳はいずれも急坂で、後に出てくるコッレ・デッラ・マダレーナは最大勾配20%。最終周回では、フィニッシュ前4.5kmに2回目の中間スプリントポイントが設定されている。丘陵ステージに位置付けられながらも、難易度は星4つ。山岳並みに重要な1日との見方も多かった。

このステージもリアルスタートから慌ただしく、アタックとキャッチの繰り返し。これが50km以上続き、この間にトム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)がリタイア。なおも出入りが続くプロトンでは、一時的に10人以上のパックが先行する場面が見られるが、その状況は長くは続かなかった。

©︎ LaPresse

周回コースに入ると、ボーラ・ハンスグローエが集団のペースメイクを本格化。マリアローザのロペスや、個人総合3位のジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)が集団が割れた際に後方に取り残されかけるが、自力で前線へ復帰。さらに、個人総合10位のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)はメカトラブルでバイクを交換。こちらはタイムロスを取り戻せず、最後まで後方での走りを余儀なくされている。

サバイバル化するレースは、残り50kmで先頭に残ったのは個人総合上位陣を中心に12人。この段階で、個人総合5位につけるギヨーム・マルタン(コフィディス、スペイン)や同11位のテイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)は集団から遅れている。

大きく展開が動いたのは、最終周回1つ目の上りスペルガでのこと。フィニッシュまで30kmを切ったところでカラパスが猛然とアタック。一瞬で集団との差を広げるとともに、ロペスが耐え切れずズルズルと後退。独走態勢に入ったカラパスに対し、コッレ・デッラ・マダレーナに入って個人総合4位のジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)とヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)が追走グループからアタック。ここにイェーツも加わり、上りの途中でついにカラパスに追いついた。

©︎ LaPresse

そこからは4人がまとまって最後の下りへ。そして残り4.6km、短い上りを利用してイェーツがアタックすると、個人総合で上位に絡んでいないことも相まって他の3人は容認。完全に独走に持ち込んだイェーツは、後ろに15秒差をつけて今大会2勝目のフィニッシュラインに到達した。

©︎ LaPresse

イェーツは今大会の個人総合優勝候補に挙げられ、個人タイムトライアルで争われた第2ステージで勝利。マリアローザ一番手との見方がさらに強まったが、第4ステージでの落車で右ヒザを負傷。ブロックハウスを上った第9ステージで大きく遅れ、個人総合争いからは完全に脱落していた。それからはステージ優勝にフォーカスし、逃げを狙う場面もたびたび見られていた。そして、この難関ステージでの勝利。総合成績を逃しながらも意地の走りで勝ち星をもぎ取った。

レースを長くコントロールしたボーラ勢は、ヒンドレーが最後をまとめて2位フィニッシュ。同タイムでカラパス、ニバリと続き、終盤にかけて猛追したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)が5位、アルメイダが6位。ロペスも1人でフィニッシュを目指す形になり、イェーツから4分25秒差の10位でレースを終えた。

これらの結果から、個人総合順位が大きく変動。カラパスがトップに立ち、マリアローザが10日ぶりの移動。総合タイム差7秒でヒンドレーが続き、同30秒差でアルメイダ、この日ステージ7位だったミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)が59秒差の4位に位置。長くトップを走り続けたロペスは、4分4秒差の9位にランクダウンした。同時に、ヤングライダー賞がアルメイダへ移っている。

©︎ LaPresse

タフなステージはまだまだ続く。22日に行われる第15ステージは、リヴァローロ・カナヴェーゼからコーニュまでの178km。レース半ばで山岳へと入っていき、2つの1級山岳を越えてから2級山岳コーニュの頂上へ。第2週最終日は、最終週へつなぐ大事な1日となる。

ステージ優勝 サイモン・イェーツ コメント

©︎ LaPresse

「常に集団の絞り込みが行われているような状況で、私はステージ優勝することに集中していた。最後の上りでは私より上を行く3選手がそろっていて、アタックするタイミングを計りながらレースを進めた。

ヒザの痛みはまだ残っていて、上りのほとんどをダンシングで踏み続けないといけないほどだ。この数日間はジロから離れることばかり考えていたから、今日ようやく自分のあるべき場所に戻れたような気がしている。個人総合を狙えなくなったことは本当に残念だが、きっとまた挑戦できると思う」

個人総合時間賞 リチャル・カラパス コメント

©︎ LaPresse

「非常にハードな1日だった。ボーラ・ハンスグローエが下りでペースを上げたため、私のチームメートの数人が遅れてしまった。明日は本格的な山が控えていて、今日とは違うレースになると思う。いまのポジションを守らないといけない。

3年前に初めてマリアローザを着た時とは、私自身の経験やチームメートが違っている。第3週は最後まで激しい、かなり複雑な戦いになると予想している」

ジロ・デ・イタリア2022 第14ステージ結果

ステージ結果

1 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス) 3’43’44”
2 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’15”
3 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)+0’28”
6 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’39”
7 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’51”
8 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)ST
9 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’10”
10 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)+4’25”

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル) 58:21’28”
2 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’07”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’30”
4 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’59”
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)+1’01”
6 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’52”
7 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’58”
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)+2’58”
9 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)+4’04”
10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)+9’06”

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)

山岳賞(マリアアッズーラ)

ディエゴ・ローザ(エオーロ・コメタ、イタリア)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)

チーム総合

ボーラ・ハンスグローエ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load