BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

石原がボルタ・ポルトガルを完走! ヨーロッパ西端、ポルトガルでの自転車レース

毎年8月、ポルトガルで約10日間に渡って開催されるステージレースが「Volta Portugal(ボルタ・ポルトガル)」である。今年は8月5日から15日までの12日間で開催され、日本人選手ではジャバ・キウイ・アトランティコ所属の石原悠希が出走し、最終第10ステージまで走り切り104位で完走した。

日本で報道されることも少ない、ヨーロッパの西端・ポルトガルの自転車レース事情をスペイン在住の對馬由佳理がレポートする。

今年で83回目の開催となったボルタ・ポルトガル

83回目の開催となった今年のボルタ・ポルトガルは、レース日数は12日間(休養日1日を含む)。初日プロローグはリスボンでの個人タイムトライアルでスタートし、翌日2日目から第1ステージがスタート。8月15日のポルトでの個人タイムトライアルが第10ステージ(最終ステージ)となった。

毎年この時期に開催されるボルタ・ポルトガル。ポルトガルは小さな国だが、自転車レースが開催される場所としてこの国を見ると、意外とバラエティに富んだコースを組むことができる国だということに気が付く。

今年、平坦基調のコースはプロローグ・第2ステージ・第6ステージの3つあったのに対し、上りゴールも第3ステージ・第5ステージ・第9ステージの3ステージあった。しかし、上りゴールも第9ステージは斜度のある長い上りであったのに対し、第5ステージ距離の比較的距離の短い上りだ。また、目立つ上りはないものの、細かいアップダウンが続くステージもしっかり組み込まれている。

最大の敵は気温差と石畳

ゴール前の石畳を走る石原選手(写真右)。写真撮影:對馬由佳理

ボルタ・ポルトガルの開催は8月。そのため、暑さ対策が必要になることは想像に難くない。しかし、面積が小さいわりに地域によって寒暖差が激しいのも、この時期のポルトガルの特徴である。

一般的に、ポルトガルは内陸部に行くほど夏は気温が上がる。例えば、今回第2ステージのスタート地点となったバダホスはポルトガル国境沿いにあるスペインの町だが、スタート時の気温は35度を超えていた。しかし、同じ日のポルトの気温は22度。

その日のステージが開催される場所によって大きく気温が異なるため、選手たちは毎日その日の天候に対応する必要がある。

また、ポルトガルの街中は石畳になっている場所が少なくない。その石畳も古いものが多く、荒れている場所も少なくない。そして特に港町では狭い上り道に石畳が敷き詰められており、そうした場所をボルタ・ポルトガルではコースに設定されることも多い。

ポルトガルの自転車チームはコンチネンタルチームが主体

最終第10ステージのゴール地点。自転車に乗っているのはポルトの警察官たち。 写真撮影:對馬由佳理

「うちは小さいチームだから、選手個人の能力が勝利の鍵になりますね」今年のボルタ・ポルトガルで総合順位を1位から3位まで独占したグラスドライブ・Q8・アニコロール。そのスタッフは「どんなことをしたら、ボルタ・ポルトガルような12日間のステージレースで表彰台を独占するチームを作ることができるのか?」という記者の質問に、このように答えた。

ボルタ・ポルトガルのUCIカテゴリーは2.1。そのためこのレースに出場したのは18チームのなかで、プロコンチネンタルチームは4チーム(カハ・ルラル、ヒューマン・パワード・ヘルス、ブルゴスBH、エウスカルテル・エウスカディ)のみ。他の14チームはすべてコンチネンタル・チームであり、そのうち9チームが地元ポルトガルのチームで占められている。

じつは、現在ポルトガルにある自転車チームは、すべてコンチネンタル・チームである。そして今年は、この段階で活動していた、ポルトガルのチームがすべてこのボルタ・ポルトガルに出走している。いっぽう、ボルタ・ポルトガルの開催期間中、レースはポルトガル国営放送のメインチャンネルで毎日2時間生放送され、優勝者はその日の夜のニュースでも大きく取り上げられる。

スタートやゴール地点にはジロやツール、そしてブエルタで見られるようなスポンサーがさまざまなアトラクションを設営している。特にゴール前は毎日観客が大勢集まり、選手へと声援を送る。ゴール前のポルトガルの観客の声援は、走っているサイクリストが「ブエルタ・エスパ―ニャのゴール前の声援みたいだった」と話すほど、熱い盛り上がりを見せる。

こうしたことからも想像できるように、小さなコンチネンタル・チームにとって、そしてコンチネンタル・チームに所属する選手にとって、ボルタ・ポルトガルへの出場は大きな目標となる大会なのである。コンチネタル・チーム所属の選手が、いろいろな人に顔や名前を知られることができる数少ない機会が、このボルタ・ポルトガルであると言うことができるだろう。

このような大会が長年開催され続け、今年で83回目を迎えたということを考えても、ポルトガル自転車界の活動が、地に足をしっかり付けた着実なものであることを意味しているのではないだろうか。

リザルト

1 モレイラ・マウリシオ(グラスドライブ・Q8・アニコロール、ポルトガル)  38:38:31
2 フレデリコ・フィゲイレド(グラスドライブ・Q8・アニコロール、ポルトガル) +0:01:09
3 アントニオ・カルバーリョ(グラスドライブ・Q8・アニコロール、ポルトガル) +0:02:35
104 石原悠希 (ジャバ・キウイ・アトランティコ、日本) +2:11:28

 

ボルタ・ポルトガル公式WEBサイト
https://www.volta-portugal.com/

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load