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ニセコグラベルで第一人者竹下佳映さんに教わる【新米ライター坂本の参戦記-後編】

9月4日に北海道ニセコエリア(ニセコ町、蘭越町)を舞台に行われた国内最大規模のグラベルイベント「Panaracer NISEKO GRAVEL 2022(パナレーサー ニセコグラベル2022、以下略ニセコグラベル)」に、新米ライター坂本が挑戦。前編ではトラブル続きの序盤をお届けしたが、後編ではアメリカのグラベルレースで活躍する第一人者竹下佳映さんから教わったことを中心にニセコグラベルのレポートをお伝えする。

▼トラブル続きの前編はこちらから!
ニセコグラベルに初挑戦でハプニングの連続【新米ライター坂本の参戦記-前編】

ニセコグラベルに初挑戦でハプニングの連続【新米ライター坂本の参戦記-前編】

2022年10月05日

竹下佳映さんと再合流!

竹下佳映さん(左)と一緒に走行した姿を映した数少ない写真となった(笑) 写真:渡辺洋一

最初のエイドポイントである蘭越町のせせらぎ公園。ここで竹下さんと改めて合流し再出発だ。竹下さんと走れる貴重な機会。可能な限り一緒に走り学べるとことを多く吸収していきたい。

舗装路の上りをこなした後、グラベルの下り区間というのが序盤のコースレイアウトの特徴だ。エイドポイント後最初のグラベル区間もこの流れで現れた。ここから竹下さんのグラベル講習を受けながら走行していくというぜいたくな旅が始まった。

グラベルライドの基本フォーム「全身を使ってショックを吸収」

早速教えられたのはフォームについてだ。グラベルの下りでは路面にギャップがあり振動が大きい。ハンドルが取られることも多々ある。その状況で大事なことは、全身で衝撃を吸収すること。バイクだけでなく全身を使って振動を吸収することで、体への負担も軽減されさらにはバイクのコントロールも行いやすくなる。特に下りでのグラベル区間など、スピードが出やすい場面で有効だ。

練習中のフォーム。本当は竹下さんのフォームを撮影できていれば良かったのですが余裕がなく……。 写真:田辺信彦

まず大事なのは、ヒジを開き外側に張り出すこと。そしてサドルからお尻を浮かすこと。空力を求められるロードバイクでは考え難いフォームだが、グラベルの下りでは空力よりもバイクコントロールの方が速度に影響してくるといっても良い。ヒジを張るのと同時に胸を開くイメージも重要だ。その位置で走ると、ヒジを使って振動を吸収しやすくなる。ヒジと股関節での振動吸収機能をこうして最大化する。

ペダルの位置も大切だ。ロードバイクだとカーブの際、進行方向のペダルを上に、逆のペダルを下にするという形が基本だが、グラベルの場合ペダルは路面状況により地面と平行でも良いという。「ペダルが遠い位置(下)にあると、ヒザが伸びてしまう。それだと、ヒザ関節の振動吸収が生かせない」とのこと。クランクを地面と平行にすることで、両足ともに体に近くなり、ヒザが軽く曲がり余裕が生まれる。その部分が振動吸収に生かせるのだ。

ヒジと股関節とヒザ。体の至る所を使って道と戦っていく。これがグラベルの醍醐味だと思えたレクチャーだった。私もこのポジションを取り入れただけで初心者ながら格段に走りやすくなったと実感したので、ぜひ皆さんも試してみてほしい。

タイヤのチューブはしっかりと保護して携行

3度目のパンク修理。他の参加者の人たちが毎回手伝ってくれて何ともあたたかいイベントだった。 写真:竹下佳映

第3エイドでのことだ。何とかここまでこれたがじつはまだ半分少しの場所であり、さらにその間で前編のパンクとは別に2回パンクした。60km程で合計3回のパンクは、私のグラベル知識のなさが原因に他ならない。まず大きな問題は携行していたチューブのサイズが今回の32Cのタイヤに合っていなかったこともあったが、他の参加者の方がサイズの合うチューブを快くくださったおかげで急場をしのぐことができた。

「あのチューブの持ち歩きかたはじつはやめたほうがいいかも」と竹下さん。視線の先にはサドルの下に直接チューブをくくり付けている車体がある。

「グラベルはロードと違い、砂利道とかの上を走るじゃない? そうすると、小石とかいろいろと跳ねたりして車体にぶつかることも多い。埃が付着し汚れもする。すると当然むき出しのチューブにもダメージを与えてしまって、いざ使おうと思ったときにすでに穴が開いているなんてことがある。私も今までたくさんチューブを持ち歩いてきたけど、ちゃんとケースに入れて携帯しているのよ」

なるほど確かにむき出しのチューブをくくり付ける形は見た目はオシャレかもしれない。しかし、予備チューブの役割を考えるといざというときに使えなければ意味がない。ちなみに竹下さんは、ダウンチューブ下のツールボトル(元ピーナッツバター容器)に入れている。

なお、パンク修理が完了し空気をタイヤに入れていく際、「空気圧4気圧だと高すぎない?」という話になった。確かに空気圧が高すぎてかかりがわるくなる恐れもあったが、私の付けているタイヤの32Cがそもそも今回はやや細く、空気をある程度入れないとすぐにパンクしてしまう。苦渋の判断だったが、結果として4気圧をいれざるを得なかった。この先、上り坂の至る所でタイヤが滑って空転してしまったのはここだけの話だ。空気圧も研究が必要だ。竹下さんも走りながら北海道の環境にあわせて空気圧の調整を行っていた。

視線は前を見据え、良いラインを見つける

高い空の下グラベル(砂利道)を進む。最高に気持ちのいいライド体験だ。

ニセコグラベルも終盤に差し掛かってきた。下り斜面のグラベルで他の参加者よりも早く下れることが多いことに気が付いた。前述のポジションが効いているのだろう。竹下さんに感謝だ。また、ポジション以外にも最初に竹下さんに教わったことが影響している。

「グラベルは路面の状況が悪いからみんな足元を気にしながら走りがち。でも前を見なきゃダメ。グラベルといっても、路面の全てが同じ条件とは限らない。途中で穴が開いていたりなんてこともあるし、その道の左右や真ん中でコンディションが違うことも多い。大事なことは、常に進行方向を確認し、走りやすい良いラインを見据えてそこを走ること」と序盤に竹下さんに教わった。

実際に走ってみると、そのラインでのコンディション差は一目瞭然だ。砂利の多いところ、少ないところ。水たまりが残っていたりするところ。みぞ。芝。さまざまなコンディションがグラベルの楽しいところであり、難しいところでもある。これを攻略するために必要なことが先ほどの竹下さんのお話だろう。路面の情報収集はグラベルを走るうえで欠かせない能力だ。参加者の中で途中の路面のギャップに車輪を取られ落車した人も少なくない。途中棄権をした人もいる中で私が落車せず走りきれたのは、(速度が遅かったことと)この竹下さんの教えによるところが大きい。

「サイクルコンピュータの地図もよく表示させてる。これから進むルートで左右どっちに曲がるかとか、その程度のカーブかとかある程度理解できていた方が走りやすいから」と竹下さん。

実際に一緒に走りながら「この先右に曲がる!」とか、「このあと左折ね~!!」など、常に声がけをしてくれていたおかげで準備をすることができた。

最後までポジティブに!

走行中に「あそこで写真撮ろ!」と良い場所で撮影。常に笑顔の竹下さんにエネルギーを多くもらった。 写真:坂本大希

これはグラベルに限ったことではないかもしれないが、竹下さんに一番学んだことだ。私がグラベルのヒルクライムで苦戦している中、途中で「Whoohoo! あとちょっと!!」と鼓舞してくださること多数。

他の参加者の方への励ましを見ても、常に明るくポジティブ。身体的にもメンタル的にも厳しいグラベルの世界では、このポジティブさが重要になってくるのだろう。竹下さん以外にも、笑顔で走っていた人も多く見かけた。グラベルという風土がそうさせるのか、「グラベルファミリー」という言葉も本イベント中によく聞いたが、みんな一丸となりこのイベントを楽しむことに全力だった。ニセコグラベル、本当に純粋に楽しいイベントだ。

ついにゴール! 竹下佳映さんとともに!

一緒にゴールした竹下さんと。「余裕の表情で」と言われて頑張ったが、竹下さんとの表情の差が一目瞭然(笑) 写真:竹下佳映

日が傾いたころようやくゴールに到達した。最後は本当にギリギリだったが、竹下さんや他の参加者からの応援のおかげでなんとかゴールにたどり着いた。「どうでしたかこのコース?」と運営の方に聞かれ、「最高にきついです!(笑)」と答えた。「キツイからこそ楽しいし、記憶に残るよね!」と竹下さん。

距離115㎞、獲得標高2200mのニセコグラベル・エクストラロングコースは、想像以上にタフな厳しいライドになった。しかし同時に、それゆえの素晴らしい体験が待っていた。ショート・ミドル・ロングの他の3コースでも間違いなく楽しめるだろう。日本のグラベル文化はまだまだこれからという。グラベルの楽しさや文化を感じる機会として、このニセコグラベルは唯一無二のイベントだ。ぜひ興味のある方は参加してほしい。

ゴール後、序盤の序盤にパンク修理を手伝ってもらった竹ノ内選手と田崎選手に感謝の意を表明。小坂選手は帰った後でした……。 写真:坂本大希
グラベルの楽しさを教えてくれたキャノンデールの山本和弘さん(右)と素晴らしい写真を撮影してくれた田辺カメラマン(中央)
じつは2回目のパンク修理を手伝ってくれていたパナレーサーのお三方、マーケティングの三上さん(右)と技術開発の佐藤さん(中右)、品質管理の青木さん(左) ありがとうございました! 写真:坂本大希

 

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。現在は週末に社会人チームにてサイクリングを楽しんでいる。

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