ニューサドルで2023年、シーズン・イン！

今年は……女性専用設計サドルを使ってみる！

サドル選びは男女共通の悩みではあるけれど、しっくりくるものと出会えていない女性サイクリストは、女性用モデルにトライしてみてはいかがだろうか。さまざまな人間の体型に100%マッチするものはないけれど、各メーカーが研究を重ねて生み出したモデルを試してみる価値は十二分にある。サドルメーカーとしての歴史あるブランドは、それだけ多くのデータを持っているからだ。

fi’zi:k LUCE S-ALLOY
-目指すはウィメンズサドルのスタンダード

プロチームをサポートするフィジークだが、女性用サドルはレースユースよりも快適性とライドクオリティを向上することを念頭に置いたラインアップが目立つ。実際にウィメンズワールドツアーレベルのレーサーは筋力やフォームなど、男性用（というよりもユニセックス）モデルを使用できるフィジカルがあるため、女性専用モデルを選ぶ機会はそう多くない。

一方で多くの一般ライダーが楽しむ週末のレクリエーションやロングライドに適応する女性用サドルとして、フィジークが生み出したのが「ルーチェ」シリーズ。イタリア語で「軽い」を意味することからもわかるように、ただパッドを厚くし快適性を増しただけのサドルではなく、スポーツバイクの軽快さを損なわない軽量性と、安心感ある座り心地を実現する。ショートタイプではなく、ノーマルタイプなのでポジションのスイートスポットを探しやすいだろう。S-ALLOYは耐久性に富む金属製レールだが、より軽量なカーボンレールタイプ（LUCE CARBON／23,600円）もある。

S-Works Power with MIMIC
-アグレッシブなライドスタイルを貫くために

スペシャライズドのパワーサドルを女性用に設計する際に搭載されたのがMIMICテクノロジー。これはバイオミミクリー（生体模倣）の略語で、生物の身体組織を模倣し、自然なフィット感を生み出すもの。サドルノーズにかけての肉厚になったクッション部分がそうだ。ここには4Wayストレッチ素材の超薄型のPUレザーに形状記憶クッションが埋め込まれており、手で触るとソフトに優しく変形する。前傾姿勢時に圧迫感を覚えやすい会陰部への刺激を抑えるテクノロジーだ。元プロ選手を含む多くの女性ライダーとの協働により開発されたというMIMICテクノロジー搭載サドルだが、実のところ男性が使っても快適性に優れ、いまではユニセックスモデルとしてブランドは位置づけている。

MIMICを搭載したスペシャライズドのサドルはパワーだけにとどまらず、上に見たROMINやPHENOMといったノーマルレングスのサドルもあるため、基本性能の高いサドルに女性用フィーチャーを追加できると考えると選択オプション幅がぐっと広がる。S-WORKS POWER WMNは、やはりアグレッシブなライドポジションでレースやハイテンポなライドに出る女性ライダーにおすすめだ。

サドルブランド独自のテクノロジーにも注目！

fi’zi:kの「アダプティブ」

デジタル3Dプリントの驚異的な進化が生み出した、複雑な格子状構造。見た目のインパクトもさることながら、最大のメリットはサドルの部位によって異なる反発性や弾性をもたせたこと。格子の大きさや密度を変えることによって、例えば剛性の必要な座面部分は硬く、ペダリング時に触れるウイング部や体重のかかるノーズ部分をソフトにするなど、微細な調整が可能となる。レース用サドルにワンランク上の快適性をプラスするのはもちろん、ロングライド用途のサドルにとってもその恩恵は計り知れない。

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Specializedの「SWAT」

スペシャライズドが誇る収納システムがSWAT。Strage（収納）、Water（水）、Air（空気）、Tool（ツール）の頭文字を撮っていることが分かるとおり、ライド時の必需品をスマートに収納できる。対応サドルの後部にはビス穴が設けられ、各種SWATアクセサリーの装着が可能だ。画像は「ROAD BANDIT STRAP – TUBE STORAGE」（4,235円）。スペアチューブをスマートに携帯できる。MTB用チューブに対応するストレージや、ボトルケージを増設できるオプションもあり。

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PROのSTEALTH

本記事で紹介したPROのSTEALTHサドルの設計思想。トレンドのショートノーズサドルに、どんな要素を重視したかが伺える。サドルレングスは248mmに抑えられ、前乗りを前提とした幅広のノーズ部分、さらに後ろに腰をスムーズに下げやすいような表面のテクスチャー、会陰部の圧迫を避ける大きめのホール設定などに注目。

「PRO」の
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