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山岳第1弾はルビオがバースデーウィン。リーダージャージは世界王者レムコへ|UAEツアー

アラブ首長国連邦(UAE)で進行中のUAEツアー(UCIワールドツアー)は、現地2月22日に第3ステージを行った。今大会2回ある山岳ステージのうちの1つで、ジェベル・ジャイスの頂上にフィニッシュが設けられたレースは、最後の10kmを独走したエイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)がプロ4年目にして初勝利。しかもこの日が25歳の誕生日で、みずからを祝うビッグなステージ優勝となった。個人総合争いにも変動があり、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)がメイン集団の先頭となるステージ2位となり、ボーナスタイムを生かしてリーダージャージを奪取している。

今大会1つ目の山岳ステージ

開幕から平坦、チームタイムトライアルときて、第3ステージは今大会1つ目の山岳ステージ。フィニッシュラインが敷かれるジェベル・ジャイスは登坂距離約20kmで、平均勾配5.6%。フィニッシュ前2kmのポイントで最大勾配9%になる。本格的な上りではあるものの、例年多くの選手が前線に残り、なだれ込むようにしてフィニッシュに到達する傾向にある。今回は開幕からの2ステージで総合系ライダー間にタイム差が発生しており、それを受けて各選手・チームがどう戦術を練るかも注目された。なお、レース距離は185km。

© LaPresse

レースを前に、2選手がスタートラインにつくことを断念。とりわけ、ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)はホームチームであるUAEチームエミレーツの一員。1月のツアー・ダウンアンダーの覇者で、今大会でも山岳アシストだけでなく自身の上位進出の可能性もあると見られていただけに、重要なピースを失った形だ。

そんな中で始まったレースは、早い段階で4選手がリードを得て進んでいく。3分前後のタイム差で推移するが、残り50kmを切ったところでオイエル・ラスカノ(モビスター チーム、スペイン)がそれまで一緒に逃げてきた3人を引き離して単独先頭に。リーダーチームのイネオス・グレナディアーズや、エース格を上位に送り込んでいるスーダル・クイックステップ、バーレーン・ヴィクトリアスがメイン集団をコントロールするが、無理にラスカノとの差を詰めず、淡々と残り距離を減らしていった。

©️ Sprint Cycling Agency

10km独走のルビオがプロ初勝利

ひとり旅を続けるラスカノは、その態勢を維持してジェベル・ジャイスの上りへ。メイン集団は2番手パックで走っていた前の3人を捉えて、フィニッシュへとつながる登坂を始めた。

この頃にはUAEチームエミレーツも集団牽引に加わる。このうち、ミッケル・ビョーグ(デンマーク)は先鋒としてたびたびスピードアップを図る。スーダル・クイックステップ、イネオス・グレナディアーズも加勢し、残り14kmになったところでラスカノをキャッチした。

© LaPresse

それからも集団はUAE、スーダル、イネオスが代わる代わる前へ出て人数を絞り込む。そんな流れから、残り10kmになったところでアルベルト・トレス(モビスター チーム、スペイン)に引き上げられたルビオがアタック。これを集団は見送り、ルビオは見る見るうちにリードを拡大。サムエーレ・ゾッカラート(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ、イタリア)が単独で追いかけるが、これも集団はスルー。やがて先頭のルビオと集団とは1分近い差となった。

©️ Sprint Cycling Agency

勾配が厳しくなる残り2km以降はさすがに苦しくなってきたルビオだったが、十分な貯金を得てひとりで最終局面へ。最後までしっかりと踏み続け、ウイニングセレブレーションでようやく笑顔をみせた。

鮮やかにステージを勝ったルビオは、この日が25歳の誕生日。アンダー23時代は年代のトップを走ってきたが、いよいよトップレベルでもその強さを見せようとしている。

© LaPresse

ルビオから14秒後、メイン集団が山頂へとやってきた。最後の数kmは牽制気味だったが、フィニッシュラインを目前にマイヨアルカンシエルのエヴェネプールが加速。ライバルに1秒先行し、ステージ2位を確保。これでボーナスタイム6秒を獲得。3位にはアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)が続き、リーダージャージのルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)は5位だった。

© LaPresse

これらの結果により、エヴェネプールが個人総合で首位に浮上。プラップからリーダージャージを奪取することに成功した。そのプラップは総合タイム差7秒で2位に。第1ステージから上位戦線を行くペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)が11秒差の3位につける。上位3人とは1分近い差となっているものの、4位以降もこのステージで大シャッフル。まだまだ勝負は動きそうな印象だ。

©️ Sprint Cycling Agency

総合争いの形勢が少しばかり見えてきた今大会のプロトン。次の第4ステージは、ドバイが舞台となる174km。中盤の砂漠地帯で風がどうなるかも見ものだが、全体を通してコーナーが多いレイアウトなのもポイントとなる。平坦コースでスプリンターの競演が予想されるが、予期せぬ出来事から波乱が起きないとも限らない。ここまでと同様に緊張感が漂うステージとなるだろう。

ステージ優勝 エイネルアウグスト・ルビオ コメント

©️ Getty Sport / Movistar Team

今日の目標はステージ上位だったので、予想以上の結果を得られた。アタックすべきチャンスを感じていたし、最後までトップをキープできるだけの力があった。集団が迫ってきていることは分かっていたけど、焦ることはなかったし、最後の1kmまで勝利を確信しなかった。今年はアルゼンチン(ブエルタ・ア・サンフアン)でシーズンインしたが、UAEツアーで結果を残したいと思っていた。自分自身の可能性を示すことができ、それを生かせるところまできている。2023年シーズンは素晴らしい1年になると確信している。

個人総合首位 レムコ・エヴェネプール コメント

© LaPresse

私がリーダージャージを獲ったことで、チームの士気は上がると思う。ただ、総合リード7秒は十分とは言えない。(第7ステージで上る)ジェベル・ハフィートは今日以上の急坂だから、激しいレースになるはず。私は爆発力のあるクライマーとは言えないが、年々強さを身につけているし、今日のステージでそれがある程度証明できた。

UAEツアー2023 第3ステージ結果

ステージ結果

1 エイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア) 4:51’24”
2 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+0’14”
3 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)+0’15”
4 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタンチーム、カザフスタン)
5 ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)
6 ハルム・ファンハウケ(チーム ディーエスエム、ベルギー)
7 トーマス・グローグ(ユンボ・ヴィスマ、イギリス)
8 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)
9 セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)
10 ベン・ツィーホフ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)

個人総合時間賞

1 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー) 8:27’22”
2 ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’07”
3 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’11”
4 ステファン・デボッド(EFエデュケーション・イージーポスト、南アフリカ)+1’01”
5 ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)+1’04”
6 ハルム・ファンハウケ(チーム ディーエスエム、ベルギー)+1’10”
7 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)
8 エイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)+1’11”
9 ゲオルグ・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト、南アフリカ)
10 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)+1’12”

ポイント賞

ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)

ヤングライダー賞

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

中間スプリント賞

エドワルト・プランカールト(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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