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マシューズが上りスプリントで勝利、マリア・ローザはレムコで変わらず|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリア2023の第3ステージが現地5月8日に行われ、上り基調でのスプリントをマイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)が制してステージ優勝。今季初勝利、ジロでは通算3勝目を挙げた。マリア・ローザを着用して走るレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)もトップと同タイムで終え、リーダーの座をキープしている。

ジェイコとトレックの主導権争い 最後はマシューズのジェイコに軍配

開幕から2日間眺めてきたアドリア海にいったん別れを告げて、内陸部へと進む1日。スタートから長く平坦区間を走り、フィニッシュまで40kmを切ったところから丘陵地帯へ。3級山岳ヴァリコ・デイ・ラーギ・ディ・モンティッキオ(登坂距離6.3km、平均勾配6.4%、最大勾配10%)と4級山岳ヴァリコ・ラ・クローチェ(2.6km、7.6%、10%)を立て続けに上ったら、今度はフィニッシュへ向かって駆け下る。最終局面も上り基調で、フィニッシュ前350mは勾配5%。レース距離は213km、丘陵ステージにカテゴライズされ、レイアウト的には上れるスプリンター向きと見られた。

アレクサンダー・コニシェフとヴェリコ・ストイニッチのチーム コラテック・セッレイタリア勢2人の飛び出しで始まったレースは、最大6分まで差が開いたところでチーム ジェイコ・アルウラーとトレック・セガフレードが集団コントロールを開始。少しずつタイム差を調整して、2~3分に抑えながら進んでいく。ほぼ中間の107km地点に設けられた1つ目の中間スプリントポイントはコニシェフが1位通過。しばらくしてやってきたメイン集団は、マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)が先着し、全体3位通過。この直前には、前日勝利のジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)のために牽引する新城幸也の姿も見られた。

©️ LaPresse

それからも形勢に大きな変化なく進んでいたが、残り50kmを切ったあたりから上りに備えて各チームが隊列を組んで集団前方に集まってくる。バーレーン・ヴィクトリアスはここも新城が牽引役を務め、上りの入口までのポジショニングを担っている。

©️ LaPresse

3級の上りが始まったところで、先頭はストイニッチ単独に。ただ、それも長くは続かず、中腹でメイン集団に吸収される。そこからはフィリッポ・ザナ(チーム ジェイコ・アルウラー、イタリア)がペースを上げて、集団の人数を一気に絞り込む。これでポイント賞のマリア・チクラミーノを着るミランら、スプリンターを中心に多くの選手が脱落した。

©️ LaPresse

この上りと続く4級は、ともにティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)が1位で頂上を通過。ステージ優勝後の山岳賞のマリア・アッズーラ獲得を決める。その後の下りは風雨が本格化したことで、レムコ擁するスーダル・クイックステップが前に出て危険回避。上りで遅れていたピーダスンがアシストともに前へ復帰しているほか、集団後方で発生したクラッシュをかわした際に後ろに取り残されかけていたジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)も下りで何とかポジションを戻している。

©️ LaPresse

フィニッシュ前10kmに設置された2回目の中間スプリントポイントでは、マリア・ローザのレムコみずからスプリントをして1位通過。3秒のボーナスタイムを獲得。これを追ったログリッチも2位で通過し、2秒ボーナスを得ている。

最終局面を前に、集団に残ったのは65人ほど。上りで牽引していたザナが再びペースアップを図り、さらにはトレック・セガフレードも人数をかけて先頭まで上がってくる。そのまま最後の1kmとなり、ピーダスンが優位な状態でスプリント態勢に突入する。

©️ LaPresse

最終コーナーを抜けて残り300m。わずかな隙間をこじ開けてマシューズがスプリントを開始すると、ピーダスンやカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク、オーストラリア)らが反応。ライバルが迫る中、マシューズがトップで粘ってそのままフィニッシュラインを通過。ステージ優勝を決めた。

©️ LaPresse

歓喜のマシューズは、これがじつに8年ぶりとなるジロでの勝利。キャリア通算では40勝目。今季はレース中のトラブルや新型コロナ感染など不運の連続だったが、ようやく白星をゲット。マリア・チクラミーノ候補として今大会を戦っている。

©️ LaPresse

マシューズに続き、2位にはピーダスン、3位にはグローブスが入線。マリア・ローザのレムコは15位として、ジャージのキープを決めている。個人総合上位でスタートした選手のうち、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)やブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)が遅れたことから順位が変動。アルメイダが総合タイム32秒差の2位、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)が同44秒差の3位に上がっている。

©️ LaPresse

新城は15分11秒差の163位。この日もチームメートをサポートする働きをこなしてレースを完了している。

9日に行われる第4ステージは、175kmの丘陵コース。2級山岳が3つ登場し、いずれも最大勾配10%級の上り。フィニッシュ前12.6kmからのコッレ・モレッラ(9.6km、6.2%、12%)がステージ優勝と個人総合それぞれの争いにどんな影響をもたらすかがポイントとなる。

ステージ優勝 マイケル・マシューズ コメント

©️ LaPresse

「ジェットコースターのような日々が続いていた。パリ~ニースで新型コロナウイルスに感染したためミラノ~サンレモを走れず、復帰したらロンド・ファン・フラーンデレンでクラッシュ。このジロも何ができるか想像がつかずにいたが、今日はチームが最大限のサポートをしてくれた。このチームはファミリーみたいなもので、私がこれまでに経験してきたことを共有する場でもある。自転車は私のスポーツであり、夢であり、趣味でもある」

個人総合時間賞、ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール コメント

©️ LaPresse

「中間スプリントポイントを意識していたわけではなかったが、誰も取りにいかないなら3秒ボーナスにトライしようと思った。プリモシュ(ログリッチ)がマークしてきていることはチームカーからの無線で聞かされていたので、彼が動けばそれをチェックする準備もできていた。明日のステージについては状況を見ながら判断していきたい。マリア・ローザをキープするかは50:50だ」

ジロ・デ・イタリア2023 第3ステージ結果

ステージ結果

1 マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア) 5:01’41”
2 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)ST
3 カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク、オーストラリア)
4 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ、イタリア)
5 ステファノ・オルダーニ(アルペシン・ドゥクーニンク、イタリア)
6 スヴェンエリック・ビーストルム(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ノルウェー)
7 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)
8 シモーネ・ヴェラスコ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)
9 トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード、ラトビア)
10 アンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)
163 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+15’11”

個人総合時間賞(マリア・ローザ)

1 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー) 10:18’07”
2 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’32”
3 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+0’44”
4 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+0’46”
5 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’58”
6 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)ST
7 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’02”
8 マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)ST
9 ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)+1’08”
10 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)+1’18”
137 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+18’21”

ポイント賞(マリア・チクラミーノ)

ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

山岳賞(マリア・アッズーラ)

ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)

ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

チーム総合時間賞

UAEチームエミレーツ 30:56’33”

▼ジロ・デ・イタリア2023スタートリスト&コースプレビューはこちら
ジロ・デ・イタリア2023

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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