BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

世界最大のグラベルレース、アンバウンドグラベル2023参戦記|UNBOUND GRAVEL 2023【前編】

もし世界で一番有名なグラベルレースの名を挙げるとすれば、このアンバウンドグラベルになるだろう。アメリカの広大なグレートプレーンズと言われる草原を走る砂利道を舞台にしたこのレースに、今年は世界から約4,700人が参加した。日本人参加者の数もおよそ20名で、昨年の約2倍に及ぶ。このグラベルレースにバイシクルクラブからも編集長山口と編集部の坂本も挑戦。今回、筆者である坂本の目線でとらえたアンバウンドグラベルの模様を2回に分けて書いていく。

※「聞くバイクラ」でおなじみのBCステーションでも、アンバウンドグラベル2023について元全米グラベルランキング1位の竹下佳映と編集部坂本が語ったぞ! 視聴はこちらから!

Apple Podcast

Spotify

身の程知らずの一言からはじまったアンバウンドグラベル2023(UNBOUND GRAVEL2023)への挑戦

2022年秋のニセコグラベルでの1枚。最後尾で虫の息の筆者坂本と一番前で笑顔の竹下選手 @NISEKO GRAVEL

2022年9月、北海道で行われたニセコグラベル・オータムライドが私の自転車初参加イベントとなった。距離120kmでグラベル率は約50%程。パンクを3回繰り返し、制限時間を超えボロボロになりながらゴールした。ただ、初めてのグラベルが予想以上に面白く、そのときにご一緒した竹下佳映さんから「来年はアメリカ取材とかどう!? アンバウンド来なよ!」と言われたのをきっかけにすぐに編集長に打診。今考えるとニセコであれほどボロボロだったのに、渡米させてくれた編集長の決断には驚きと共に感謝しかない。

渡航前準備

いざ出場しようと決まるも、ただ行けばいいものではない。諸々の手続きが必要だ。ここにざっと記載する情報が、いつか参加する予定の方の参考に少しでもなってくれればと思う。

レース申し込み

申し込みは年明けの1月。私は1月18日に申し込んでいる。1月26日が申し込みの締め切りで、翌日27日には画像の当選メールが届いていた。聞くところによるとこの大会は非常に人気なため抽選漏れする人もかなり多い。だが、多国籍性を重視している運営側の方針もあり、外国人の申し込みはある程度優遇されるらしい。今回、日本人は約20人参加していたが、日本からの参加希望者で抽選落ちの話はないようだ(来年からは分からないが……)。

また、このときに主催者側がレース参加費用の引き落とし請求金額を全参加者の数十パーセントにおいて誤ってしまったとのことで、改めて手続きをすることに私はなった。編集長は特に問題なかったようだ。

宿泊手配

大会期間中にお世話になったEcono Lodge Emporia。シャンプーやボディソープの概念はなく固形石鹸がひとつあるタイプで髪の毛がすごいことになった

会場のエンポリアは基本的に田舎の小さな町で宿泊施設が圧倒的に足りない。上記参加権を手に入れた段階ですぐに動いても今回は遅かった。何とか街の中にある上記宿を紹介してもらえたが、日本人参加者の中には約100kmほど離れた場所の宿を使った人もいるようだ。キャンセル無料の宿をレース申込前から事前におさえておく方が良いだろう。この町にあるエンポリア大学の学生寮も臨時でこの期間はホテルとなり、街全体がサイクリストで飽和した雰囲気は圧巻でもある。

大会主催者側が参加者向けにテント泊の案内もしており、そのキャンプ場も訪れた。実際にそこを利用した日本人参加者もいたが、その話は後編にて。

ESTA申請(電子渡航認証システム)

本大会に限った話ではないが、アメリカへの渡航の際には上記ESTAの申請・取得が必須だ。21ドルの申請料がかかる。また、この申請は出国の72時間前までに済ませていなければならないため注意が必要。一度申請すれば2年間は有効なため、早めに申請を済ませておくことが良いだろう(パスポートの期限切れにも注意!)。

国際運転免許証の発行

カンザスシティ国際空港からエンポリアまでは約200km離れている。基本的にレンタカーの移動になることが予想されるが、アメリカでの運転にはもちろん日本の運転免許証のみでは違法だ。出国前に国際免許証の発行を忘れずにしておこう。私は出国日の朝一番で申請・発行をしてもらって何とかセーフだったが、これも余裕をもって行うのが絶対におすすめだ(発行できてなかったら編集長にずっと運転してもらう出張になってしまっていた……それも楽だったか?)

機材などの運搬準備

坂本はオーストリッチのOS-500とスーツケース、バックパックというスタイル
編集長山口はオルケースのB2にスーツケース、バックパックというスタイル

渡航にあたっては自分の自転車を輪行することになる。その際の輪行のスタイルは人それぞれだ。私は1枚目の写真のようにオーストリッチのOS-500というソフトケース。編集長は2枚目のオルケースのB2というハードとまではいかないがよりコンパクトに収納でき、下のキャリー用のローラーがついていて移動が楽なタイプを使用した。我々の車体については不具合は無かったが、他の参加者の話だとフォーク部分に輸送の際にクラックが入ってしまった車体があったと聞いた。輪行後の車体は乗車前に入念にチェックして欲しい。

近づいた本番、出国から会場(エンポリア)まで

いよいよ出国の日。ここからは準備してきたことを行動に移していく。空港から会場となるアメリカのエンポリアという街までは、簡単に言えば飛行機で最寄り空港まで行ってそこからレンタカーだ。実際の移動時のできごとと共に書いていく。

羽田空港→ミネポリス→カンザスシティ

今回は羽田空港発で途中アメリカ国内のミネアポリスの空港でアメリカ国内線に乗り換えてカンザスまで向かった。羽田空港に余裕をもって到着したが、預かり荷物の列が一向に進まない。コロナ規制明けだからか、人生で一番時間がかかったかもしれない。荷物を預けるだけで1時間半ほどかかった記憶がある。また、編集長はさらにその後にいたため保安検査場を通過したときにはすでに離陸時間がギリギリ。何とか走ってセーフ。

そしてミネアポリスの空港で乗り換えの際、編集長が乗り換えのルートから外れる。何と、航空券購入の際に乗り換えではなく一度空港を出る形でのチケットを買ってしまったとのことで、一度ミネアポリスの地面を踏みに行ったのだ。また保安検査場を通ったりするのだが、今回は普通に時間に間に合ったので安心。無事に乗り換えた。

この段階で、先着していた別の日本人の預けた荷物が紛失するという話を聞いていたので少し心配していたが、こればかりは心配してもしょうがない。結果的には無事に全ての荷物がカンザスまで送られていた。

カンザスシティ→エンポリア

レンタカーをカンザスシティ国際空港で借りる
空港からエンポリアまでは約200kmだ

カンザスシティ国際空港に着いてからはレンタカーを借りる。「あっちに車があるから」と言い放ったレンタカーの受付の女性。私は今回初めて外国のレンタカーを借りたのだが、「駐車場に置いてあるカギのかかっていない車を勝手に選んで乗っていけ、カギは車内にあるからさ」というスタイルに驚いた。さらに指定の駐車場エリアに車がたまたま無かったからより混乱。結果的に別のスタッフの女性が「いま車持ってくるわ!」と用意してくれて何とか空港を脱出。

この時点ですでに17時頃。日が長いため感覚が狂いがちだが、もう夕食時でもある。我々はいったん空港そばのホテルで1泊し、翌日早朝にエンポリアの街へ向けて出発した。左ハンドルに右側通行は慣れなくて普通に怖い。なお、編集長は日本時間に合わせて打合せなどが多いため、アメリカでも深夜まで仕事。そのため車内ではよく寝ていた。国際運転免許が大活躍だ。

エキスポも大盛況。ライドイベントの参加者だけで100人超

アンバウンドグラベル公式ジャージも売っていた。記念に買えばよかったか……

エンポリアに到着した日のレースの2日前、6月1日の午後2時からはエキスポがはじまった。おなじみのiRCやパナレーサーなどの世界で活躍する日本ブランドのブースはもちろん、日本ではあまりなじみがない会社のブースも多い。またメインがグラベルの機材だけあってあまり目にしないものも豊富にあり面白い。そしてグラベルの文化なのか、各ブース内や本当にその辺をプロの選手たちが歩いている。なお、このエキスポ期間内に会場そばにある受付でゼッケンのピックアップを忘れないように。

パナレーサーブースにて。左の4人は日本から来た社員だ。ジャージの3名はレース(200マイル!!)にも出走したぞ
大会スポンサーを担うiRCも日本から社員が視察に来ていた。今回編集長が使う車体にはiRCのタイヤが使われていた

イサベル・キングと走るシェイクダウンライド

イサベル・キングはプロのオフロードライダーだ。パナレーサーのサポートを受けている彼女は常にオレンジの服装で有名。メディア的に見つけやすく助かる。写真右に陳列されているタイヤ、グラベルキング限定カラーのオレンジは、彼女の意見を基に開発されたとパナレーサーの大和社長は語る。インタビューの機会に恵まれたため今回のレースでの彼女の装備について聞いた。

「ここはフリント石という尖った石があるのがやっぱり特徴ね。とても尖っていてタイヤを傷つけやすい。だからグラベルキングSKプラスの43Cがベストね!」と彼女は言う。最後にプラスがつくモデルはグラベルキングの耐パンク仕様の製品だ。プロでもこのチョイスをするという点で、このレースのコース環境の過酷さが分かる(残念ながらプラスのモデルに限定カラーがないため、オレンジタイヤの彼女の姿は今回はないのだが)。

筆者のホイールにタイヤを装着中。パナレーサーに直に相談し、現地を見た結果でグラベルキングSKプラスTLRの43Cを選んでもらった。上述のとおり、イサベル・キングのチョイスも全く同じだった

また、このエキスポ期間中には多くのファンライドイベントが催される。公式で実施されているもののほか、各ブース主催と思われる非公式のライドイベントも行われていた。私もイサベル・キングとともに走るライドに参加。ざっと数えるだけで参加者は100人超。本番前のプレイベント的なものにこんなにも集まるのかと驚く。

ジェイミスのサポートライダー、トーマス・ターナー

今回筆者が使う車体がジェイミス・レネゲードのC2だ。そのためそれをネタに車体をもってジェイミスブースへ。途中すれ違う人たちに「レネゲィド!」と声をかけられること数回。さすがにアメリカの老舗メーカーだけあって日本よりもなじみ深いのだろう。担当のスタッフと話すと、「トーマス・ターナーっていうひげのすごいやつがいるから!」とのこと。確かにひげのすごいやつっぽい人がいたので話を聞いた。アドベンチャー好きの彼はプロのMTBライダーで、アンバウンドグラベルにも過去2回参加しているジェイミスのサポートライダー。ハイエンドモデルのレネゲードC1で今回ももちろんプロクラスで出場した。

「何が心配かって? やっぱりこのコースは石が危ないからパンクしないようにするのが最優先だな。あとはめちゃ暑い日差しの中何時間も走り続けるのはきつい!」と経験から話してくれる。また、後日彼からSNS経由でメッセージが届いた。「完走できたかい? 最高にマッディー(泥)なレースでやばかったな!!!」と。

前後でタイヤサイズを変える元プロロード選手のピーター・ステティナ

元トレックセガフレードのプロロードレーサーでもるピーターステティナ。ロードからグラベルに転身した有名人の1人だ。iRCのサポートを受けており、彼は使用するタイヤとしてボーケン・ダブルクロスTLRをフロント42C・リア38Cで使用する予定だった。しかし記事の後編でも書くのだが今回のレースでは前日夜の雨によりすごい泥の区間ができた。その情報をいち早く入手したステティナ選手は、直前でタイヤをセンタースリックのボーケンプラスTLRに変更した(タイヤ幅の組み合わせは同じ)。タイヤへの泥の付着を最小限にしたいという狙いがあったとのことだ。一流のプロ選手というものは機材の選択・適応力から一流だと痛感した。

ボーケン・ダブルクロス(写真左)とボーケンプラス(写真右)の比較。センタースリックの方が泥の入り込む隙間が少ない

補給食を準備。時差との戦いで睡眠が課題

持参した補給食。途中のチェックポイントに置いていく予定のものをわけて準備する。水に溶かすタイプの補給は荒れた道でも無理なく補給しやすく便利だった。そしてや塩分タブレットは必須

エンポリアの街は小さいが、それでももちろんスーパーマーケットは街中にあり、少し郊外に行けばウォルマートもあり買い物自体には困らない。みんなが買ってしまって品薄状態ということも今回は無かった。私は日本から持参したが、補給食など現地でももそろえることが可能だ。

他の参加者のなかには補給食を日本で食べなれたものを持っていけばよかったと後悔していた人もいた。確かに外国の補給食としてジェルを食べたがやはり違和感は少しある。このレースのためだけなら持参した方が確実かもしれない。また、アメリの時間はサマータイム含め14時間日本より遅い。アメリカの24時は日本の昼14時。この時差から睡眠を十分にとれなかったり、体調を崩すような声も聞いた。日本での生活から少しずつ慣らしていくような工夫が必要になるだろう。

朝7時、アンバウンドグラベル2023 100マイルレーススタート!

6月3日の早朝5時50分にプロクラス(200マイル)の選手たちがスタート。その後は6時に200マイル組、7時に100マイル組という順でスタートだ。(350マイル=XLコースの選手たちは前日にすでに出発済み)。100マイルのスタート地点には6H・7H・8H・9Hなどのプラカードをもった係員が立っている。自分の想定完走タイムを目安に自分で並ぶ位置を決めていくシステムだった。10時間切りを目指すとの話だったので10時間のところに行こうとすると、編集長が7Hのプレートの近くにいた日本人チームに混ざっている。「ここから行こう!」と編集長。「そんな無茶です!」と思いつつも動けずにここからスタート。実際、こんな位置など全く関係なくなる事態がすぐに発生したのだが。

ここからのレースレポートと日本からの参加者の機材紹介は記事後編にて!(近日公開予定)

【BC STATION #23】アンバウンドグラベル2023について、過去6回参加のプログラベルライダー竹下選手と今大会完走の編集者坂本が語る

「聞くバイクラ」でおなじみのBCステーション(以下、BCS)で、アンバウンドグラベル2023帰りの坂本と現地在住の2019年の全米グラベルランキング1位で今回の100マイル女子総合4位入賞の竹下選手が出演。現地で実際に感じたことやトラブル、竹下選手による過去の大会のお話など誌面で書ききれなかったこともお届けする。

MCの佐藤シンゴ(右)と100マイルを走り切った筆者の坂本(左)
出走前の竹下佳映選手。この後100マイル女子総合4位を取った彼女は何を語るのか

★BC Station視聴はコチラ

BC Station 公式Instagramアカウントもフォローしてくださいね♪

BC Station 公式Instagramアカウント

BCステーションはこちらからも視聴できます

Apple Podcast

Spotify

番組に関するご意見・感想はこちらまで
https://forms.gle/7ECmsiJ5czjubcrRA

 

バイシクルクラブ9月号のご購入はこちらから!

Amazon

 

SHARE

PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

No more pages to load