パリ五輪代表の垣田と池田ペアが活躍、早稲田が男女4種で勝利|インカレトラックDay2
Bicycle Club編集部
- 2024年08月25日
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8月23日から25日にかけて、インカレ・トラックレースが千葉県千葉市のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)にて開催。2日目は早稲田大学が4種目でタイトルを獲得、男子はインディヴィデュアルパーシュート、さらに女子はインディヴィデュアルパーシュートマディソン、チームスプリントで勝利した。
多くの観客が集まった大会2日目
インカレ・トラックレース2日目は各種決勝種目が開催された。この日は土曜日ということもあり、朝から多くの観客がドームに駆けつけ、各校のOB・OGも現地に集まり、大きな声援で母校の後輩たちに声援を送る姿が見受けられた。
昨日予選が開催された男女インディヴィデュアルパーシュートは決勝が行われ、男子は大仲凜功が、女子は池田瑞紀がそれぞれ優勝、早稲田大学が男女ともに同種目を制す形となった。
女子マディソンでは早稲田大学の池田・垣田ペアが圧勝し、さらに女子チームスプリントでも早稲田大学が優勝と、早稲田大学が男女合わせてこの日だけで4つのタイトルを獲得した。
男子ケイリンでは中央大学の井出晃太郎がインカレ初優勝を果たし、男子チームスプリントでは日本大学が大会2連覇を達成。
男子オムニアムでは最終種目であるポイントレースで鹿屋体育大学の梅澤幹太が逆転で優勝を決めた。
女子インディヴィデュアルパーシュートでは池田瑞紀(早稲田大学)が追い抜きで優勝
女子インディヴィデュアルパーシュート1-2位決定戦では、昨日の予選でそれぞれ大会新記録を樹立した池田瑞紀(早稲田大学)と水谷彩奈(日本体育大学)の対戦に。
池田が序盤から積極的な走りを見せると1km過ぎに水谷の背中が見え始め、そのままの勢いで水谷を追い抜き、池田が追い抜き勝ちとなった。
池田は「3kmの個抜きはきつかったんですが、仲間の応援が力になりました。タイム的には昨日よりも早い、自己ベストが出せればなと思って走っていました。」とコメントした。
男子インディヴィデュアルパーシュートでは大仲凜功(早稲田大学)が前半からの積極的な走りで優勝
男子インディヴィデュアルパーシュート1-2位決定戦では、昨年のインカレで同種目2位入賞を果たしている伊藤恭(中央大学)と同3位の大仲凜功(早稲田大学)の対戦に。
女子に続き男子でも大仲が前半から積極的な走りを見せ、一時は伊藤の背中が見えるぐらいにまでリードを広げるものの、後半に入ると大仲のペースが落ち始め、伊藤が徐々に差を取り戻していく。しかし、前半についた差を取り返すまでには至らず、大仲が先にフィニッシュする形でインカレ初優勝を飾った。
大仲は「伊藤選手が格上なのは間違いないので、前半から積極的に走って自分がどこまで耐えられるかというのを狙っていました。あとは昨日出した自己ベストのタイムを更新を視野に走りました。今日の走りに満足はしてませんが、優勝することができて良かったかなと思います。明日はマディソンとチームパーシュートの順位決定戦がありますが、そこでも表彰台に乗れるよう頑張ります。」と前半のペーシングの意図を語ってくれた。
女子マディソンでは早稲田大学の池田/垣田ペアが日本代表らしい圧倒的な力で優勝
女子マディソンは6大学8チームが参加。パリオリンピックに出場した垣田真穂と池田瑞紀のペアが前半から積極的な走りを見せてトータル4回のラップを成功させ、圧倒的な力を見せつけるような走りで女子マディソンを制した。
垣田は「大学のレースもあまり走ってない中でしたが、インカレという舞台で勝つことができて良かったです。オリンピックの疲れはありましたが、本当に多くの方が応援してくれていて、多くのサポートもあって頑張ることができました。」と優勝の喜びを口にしつつ、「やるべきことをやりつつ、その後にあるチームスプリントも意識して走りました。」とレース中の走りを振り返る。
同郷である池田とのペアについては「高校時代はライバルで、大学が決まった時に同じ大学だと知って本当にうれしかった。大学ではマディソンがあるので、一緒に出場して優勝したいと思っていて、それが今回叶ってうれしいです」とし、3日目のオムニアムに向け「しっかりやるべきことをやって良い順位で終われればなと思います。」と明日に向けた抱負を語った
男子ケイリンでは最終周回で捲りきった井出晃太郎(中央大学)がインカレ初優勝
男子ケイリンは1日で1回戦から決勝を実施。
1/2決勝までを勝ち上がった以下の6名が決勝のスタートラインにつく。
- 井出晃太郎(中央大学)
- 細川拓真(朝日大学)
- 山田壮太郎(慶応義塾大学)
- 町田颯(日本大学)
- 田村一暉(京都産業大学)
- 中野大詞(早稲田大学)
ペーサー離脱後、残り2周回を前に田村が積極的に仕掛けると、残り1周回を切って田村の後ろから仕掛けた井出がそのまま独走で優勝を決めた。
井出は「目標としていたインカレで優勝できてとてもうれしいです。インカレは大学生で最も大きな大会で、全員がそこに向けて調整してくる中で優勝できたというのは大きな成果かなと思います。」とインカレ初優勝の喜びを口にしつつ、「先行することを狙っていました。7月の学生選手権でも田村選手は大逃げをしていたので、その逃げには警戒していたんですが予想よりも早いタイミングで仕掛けられてしまって、先行することはできませんでした。」と狙い通りの走りではなかったと言うが、「田村選手を目標に残り1周を切ってからトップスピードで捲っていきました。全力で走れば勝てるとは思っていました。」と自信はあったという。
明日のスプリントに向けては「疲労回復などやるべきことをやって臨みたいと思います。」と語った。
男子オムニアムでは最終種目ポイントレースで梅澤幹太(鹿屋体育大学)が逆転し、インカレ個人種目初優勝を飾る
朝行われた予選を勝ち上がった18名による決勝となった男子オムニアム。
第1種目のスクラッチでは後半に飛び出した梅澤幹太(鹿屋体育大学)が制すと、第2種目のテンポレースでは5名の選手がラップする積極的な展開を岡本勝哉(日本大学)が98点で暫定4位につける。
最終種目ポイントレースを前に、岡本と矢萩悠也(京都産業大学)が114点で並び、梅澤が106点で暫定3位につけ、山田拓海(早稲田大学)が98点で暫定4位につける。
最終ポイントレースでは序盤に山田のアタックをきっかけに梅澤が単独ブリッジに成功し、暫定3位と4位が先頭集団となる。
大量得点を稼いだ梅澤と山田は残り30周回を切ってようやくメイン集団をラップ。
梅澤は「昨年は悔しい思いをしたので、今年は勝てて良かったです。」と優勝を喜びつつ、「スプリント勝負では厳しい部分があるかなと思っていたので、逃げの展開を作りたくて積極的にいきました。(山田選手のアタックに対してブリッジを仕掛けたタイミングについては)上位の選手が力を使ったタイミングでペースが少し落ち着いたので、そこは狙っていったという感じです。」と狙いどおりの走りができたと言う。
「メイン集団でも動きが出そうならラップしようと思っていましたが、そういった動きもあまりなく。山田さんとも話しながらラップせずにポイントを稼いでいこうと。」とメイン集団をラップするまでに時間をかけた理由を語った。
高校生の頃からいくつものタイトルを手にしてきた梅澤だが、インカレ・マディソンでの優勝はあるものの大学に入ってから個人でタイトルを獲得するのはこれが初となる。「学生選手権トラックとかでもうまく結果に結びつけることができてなくて。ここで優勝することができて良かったです。明日は団抜きの1-2位決定戦がありますが、失敗しても2位なので積極的に走りたいと思います。」と初タイトルへの思いとそして明日への抱負を述べた。
女子チームスプリントでは大会記録を樹立した早稲田大学が優勝
午前中に行われた予選で大会記録となるタイムを出した早稲田大学と、昨年のインカレ覇者で同じく大会記録となるタイムを出した鹿屋体育大学の対戦となった1-2位決定戦。
予選よりタイムを伸ばした早稲田大学に対し、予選より鹿屋体育大学を伸ばせなかった鹿屋体育大学、早稲田大学が優勝を飾ることとなった。
大蔵は「(池田、垣田の)2人に助けてもらってインカレで頂点を獲ることができ、うれしさでいっぱいです。このメンバーでチームスプリントの合わせをしたことがなかったんですが、学連・大会新記録を出すことができびっくりしています。」と優勝の喜びを口にし、「今年は女子総合優勝を狙っているので、明日も来週のロードレースでも全員で全力を出せればなと思います。」とチームとしての目標を語った。
男子チームスプリントでは大会記録に迫る走りで日本大学が連覇を果たす
昨年のインカレ覇者で午前中に行われた予選でトップタイムを出した日本大学と、一昨年のインカレ覇者で同予選2位の中央大学との対戦となった1-2位決定戦。
日本大学は予選タイムを上回り大会記録に迫るタイムを出したのに対して、中央大学はタイムを落とす結果に。日本大学が大会連覇を飾ることとなった。
吉川は「1kmTTは1kmTTで、チームスプリントはチームスプリントで別な喜びがあります。」とチームスプリントでの優勝を喜びながら、「チームスプリントを走ることがほとんどなくて、日本大学のジャージを着てチームスプリントを走るのは今日が最初で最後。去年の優勝タイムに迫る走りができたのは良かったかなと思います。」と今回のタイムを振り返り、明日のスプリントに向けては「3冠は意識せず、一つ一つ順位を上げて大学対抗の順位に貢献できたらと思います。」と抱負を語った。
リザルト
女子3kmインディヴィデュアルパーシュート
- 1位:池田瑞紀(早稲田大学) 追い抜き勝ち※
- 2位:水谷彩奈(日本体育大学)※
- 3位:石田 唯(早稲田大学) 3分48秒272
- 4位:岩元美佳(鹿屋体育大学) 3分50秒999
- 5位:渡部春雅(明治大学) 3分51秒137
- 6位:石田明梨(同志社大学) 3分53秒954
※池田および水谷が予選時に出したタイムは大会新記録
男子4kmインディヴィデュアルパーシュート
- 1位:大仲凜功(早稲田大学) 4分24秒918※
- 2位:伊藤 恭(中央大学) 4分25秒833※
- 3位:塩出皓成(順天堂大学) 4分34秒015※
- 4位:矢萩悠也(京都産業大学) 4分36秒126※
- 5位:清水稜太郎(明治国際医療大学) 4分34秒873
- 6位:森本直樹(朝日大学) 4分34秒958
- 7位:宇田川塁(法政大学) 4分36秒271
- 8位:小林岳央(日本大学) 4分37秒157
※タイムは順位決定戦時のもの
女子マディソン
- 1位:早稲田大学A(垣田真穂/池田瑞紀) 114点
- 2位:早稲田大学B(石田 唯/大蔵こころ) 69点
- 3位:日本体育大学(石田明莉/水谷彩奈) 44点
- 4位:法政大学(濱口夕海/相見涼花) 6点
- 5位:鹿屋体育大学A(岩元美佳/淵 稟碧) 3点
- 6位:順天堂大学(田中杏奈/新沼杏菜) 0点
男子ケイリン
- 1位:井出晃太郎(中央大学)
- 2位:町田 颯(日本大学)
- 3位:中野大詞(早稲田大学)
- 4位:田村一暉(京都産業大学)
- 5位:細川拓真(朝日大学)
- 6位:山田壮太郎(慶応義塾大学)
- 7位:小嶋海音(日本体育大学)
- 8位:和氣丈一朗(同志社大学)
男子オムニアム
- 1位:梅澤幹太(鹿屋体育大学) 162点
- 2位:山田拓海(早稲田大学) 143点
- 3位:岡本勝哉(日本大学) 124点
- 4位:矢萩悠也(京都産業大学) 116点
- 5位:松井丈治(立命館大学) 88点
- 6位:中島 渉(立教大学) 87点
- 7位:片岡遼真(明治大学) 78点
- 8位:山下虎ノ亮(中央大学) 74点
女子チームスプリント
- 1位:早稲田大学(大蔵こころ/垣田真穂/池田瑞紀) 52秒385※
- 2位:鹿屋体育大学(岩元美佳/年見穂風/中西美央) 52秒802※
- 3位:日本体育大学(大野風貴芽/米田千紘/水谷彩奈) 53秒102※
- 4位:順天堂大学(沢登香里/田中杏奈/新沼杏菜) 55秒589
- 5位:八戸学院大学(嵯峨希来/松下彩也香/丸子南徠) 55秒451
- 6位:法政大学(濱口夕海/濱 彩春/相見涼花) 55秒550
※学連新記録および大会記録
男子チームスプリント
- 1位:日本大学(山下翔太郎/伊藤京介/吉川敬介) 45秒167
- 2位:中央大学(井出晃太郎/植松史弥/熊谷海飛) 46秒902
- 3位:法政大学(福地 晶/中島康征/宮川耕太朗) 46秒942
- 4位:朝日大学(野田勇飛/白井 輝/細川拓真) 47秒165
- 5位:早稲田大学(中野大詞/美甘星次郎/大仲凜功) 47秒189
- 6位:明治大学(藤澤佑成/宮崎太志/吉田唯斗) 47秒276
- 7位:鹿屋体育大学(石田陽紀/香西玲良/福永隼人) 47秒617
- 8位:日本体育大学(清水敦希/片野 樹/小嶋海音) 47秒698
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集◎バイシクルクラブ編集部 文と写真◎三井至
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