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日大と早大が男女それぞれで学校対抗首位、ロードレースで決着へ|インカレトラック最終日

8月23日から25日にかけて千葉県千葉市のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)にてインカレ・トラックレースが開催された。トラックレース最終日となる25日は、男子マディソン、女子オムニアム、男女スプリントおよびタンデムスプリント、そして男子チームパーシュートの計6種目の決勝が行われ、トラックレース3日間での大学対抗では男子は日本大学が、女子は早稲田大学が1位という結果となった。

最終日も多くの観客が訪れたTIPSTAR DOME CHIBA

TIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)

8月23日から25日にかけて千葉県千葉市のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)にてインカレ・トラックレースが開催された。トラックレース最終日となる25日は男子マディソン、女子オムニアム、男女スプリントおよびタンデムスプリント、そして男子チームパーシュートの計6種目の決勝が行われた。

観客席には深谷知広の姿も

首都圏からのアクセスの良さや日曜日ということもあり、前日に続いて多くの観客やOB・OG等大学関係者が会場を訪れ、選手たちへ声援を送る姿が見られた。

これが最後のインカレとなる4年生(回生)たち

男子マディソンは日本大学ペアが昨年の雪辱を晴らす走りで優勝

日本大学(岡本勝哉/新井敬太)

朝に行われた予選を勝ち上がった8チーム16名でのレースとなった男子マディソン。

序盤から日本大学(岡本勝哉/新井敬太)と鹿屋体育大学(梅澤幹太/並江優作)、中央大学(伊藤恭/山下虎ノ亮)、法政大学(宇田川塁/増山輝咲)が積極的なレースを見せてポイントを獲得していく中、レース中盤に中央大学の伊藤が落車し、山下が一時単独でレースを継続しなければならなくなってしまう。伊藤が復帰し、中央大学はなんとかポイントを取ろうと動くものの、日本大学や鹿屋体育大学が逃げを容認せず、ラップが起こるような展開とはならない。

優勝を喜ぶ新井敬太(日本大学)

後半にかけても日本大学がポイント周回でしっかりと1着通過を重ね、昨年落車により優勝を逃した雪辱を見事に晴らす優勝を果たすこととなった。

去年の雪辱を晴らした岡本勝哉(日本大学)

「去年は落車があった関係で勝つことができず悔しい思いをしましたし、昨日のオムニアムでは3位という結果に、梅澤君にやられてしまったので、今日は昨年の分も昨日の分もリベンジできてよかったです。」とリベンジを果たすことができた岡本は、「逃げができる展開も想定していましたが、(他の選手が)飛び出してもすぐに集団に戻るような展開だったので、集団で展開することを選択しました、スプリントでは負けない自信もありましたし。」とあえて集団での展開に持ち込んだという。

岡本勝哉(左)と新井敬太(右)

翌週のロードレースに向けて目標を伺うと、「日大として目指している学校対抗での総合優勝に向けて、ロードレースでもしっかりとポイントが稼げればと思います。」と岡本は語ってくれた。

女子オムニアムは垣田真穂(早稲田大学)が接戦を制す

スクラッチから早稲田大学の垣田真穂や池田瑞紀、水谷彩奈(日本体育大学)、渡部春雅(明治大学)がレースを展開

前日の女子マディソンで圧倒的な走りを見せた早稲田大学の垣田真穂や池田瑞紀、トラック中距離の強化指定に選ばれている水谷彩奈(日本体育大学)ら、12人の選手でのレースとなった女子オムニアム。

第1レースのスクラッチから垣田や池田、水谷、渡部春雅(明治大学)がレースを展開し、垣田が4名でのスプリントを制す。

テンポレースではスクラッチ同様垣田、池田、水谷、渡部が何度も飛び出してはラップを重ねた

第2レースのテンポレースではスクラッチ同様垣田、池田、水谷、渡部が何度も飛び出してはラップを重ね、垣田とは1点差、水谷とは2点差、渡部とは4点差で池田が1着となった。

第3レースのエリミネイションではこちらも最後の4人が総合トップ4という形となり、渡部とのファイナルスプリントを制した垣田が1着となった。

最終第4レースのポイントレース

最終第4レースのポイントレースでは序盤から水谷が積極的にポイントを重ね、3回目のポイント周回を終えて水谷が垣田に2点差まで迫る展開に。

後半には池田と垣田の2人のみで集団をラップする

後半には池田と垣田の2人のみで集団をラップする形となり、水谷はここで優勝が遠のいてしまう。さらに池田がポイントを伸ばし始め、最後のポイント周回であるフィニッシュを前に垣田は池田と1点差と僅差な状況に。垣田は池田よりも先着することが必須という状況の中、水谷が最後のスプリントを制し、2着は垣田、3着は池田という最後の着順に。この結果、わずか3点差で垣田が逃げ切り、女子オムニアムを制す形となった。

優勝した垣田真穂(先頭)

インカレでの個人種目初優勝の感想を伺うと垣田は「ホッとしています。」と口にしつつ、「(オムニアムで必要な)ギア比とかがまだよく分かってなくて、レースを走り終えたら修正をかけてというのを繰り返していました。ただ、最後のポイントレースを前に脚にきてしまっていて、ポイントレースを走っている中でも脚にきているのを感じて、最後は掛かりも悪くて。」とオムニアム全体を振り返る。

「序盤から水谷選手がポイントを取ってきていて、点数差がかなり迫っていたので、前半は水谷選手を意識していました。後半に入ると(池田)瑞紀が点差をつめてきて、少し慌てながら最後はもがいたという感じです。2番手の選手は意識できていましたが、頭と体がうまく合わせることができなかったなと。でもぎりぎり勝つことができて、そこは良かったかな。」と垣田は最終ポイントレースを振り返りつつ、「嬉しいことは嬉しいですが、このままではダメだな、もっと強くなって自分が納得できるレースができるようになりたいです。」と反省の言葉を口にする。

「学連のトラックレースは初めての中、(マディソン、チームスプリント、オムニアムと)3冠を達成できたのはよかったかなと思います。(来週のロードレースに向けては)あまりロードに乗れていない中ではありますが、1週間でしっかりと合わせていきたいと思います。」と垣田はトラックレース全体を締めくくってくれた。

タンデムスプリントは日本大学ペアが昨年のリベンジを達成し、優勝

決勝は日本大学(井上凌玖/町田颯)と明治大学(吉田唯斗/本田音輝)の対戦に

初日に行われた予選をもとに、上位8チームによる1/4決勝から決勝まで1日での開催となったタンデムスプリント。

決勝は1/4決勝、1/2決勝とストレートで勝ち上がった日本大学(井上凌玖/町田颯)と、同じくストレートで勝ち上がった明治大学(吉田唯斗/本田音輝)の対戦に。

優勝を喜ぶ井上凌玖と町田颯

1本目を日本大学が先着し、迎えた2本目。日本大学が残り2周を切って明治大学の前に出ると、そのまま明治大学を突き放し独走で優勝。予選でトップタイムを出し、対戦でもすべてストレートでの勝利と、完全優勝を日大が果たすこととなった。

町田は「力の差はあるだろうなと思っていましたが、今大会で1回警告を受けているので、とにかく綺麗なレースをすることを、また最後まで出し切きろうと2人で話し合って走り切りました。」と決勝を振り返り、井上も「去年は降格で2位になってしまったので、今年は最後まで力を出し切り、勝ち切ることができてよかったです。」と振り返る。

「去年もペアを組んでいて、お互いの息もしっかり合っていました、予選では大会新記録を出すこともできましたし。」と町田は全体を振り返り、井上も「この大会に臨むにあたって自信はありましたし、練習の成果を出すことができてよかったと思います。」と振り返った。

井上も町田も来年もペアを組めるかは分からないとしつつも、「組めるなら連覇を狙いたい。」と最後に語ってくれた。

女子スプリントは中西美央が鹿屋体育大学ジャージで走る最後のレースを制し、優勝

決勝は中西美央(鹿屋体育大学)と大野風貴芽(日本体育大学)の対戦に

こちらも初日に行われた予選をもとに、1/2決勝から決勝まで1日での開催となった女子スプリント。

決勝は1/2決勝をストレートで勝ち上がった中西美央(鹿屋体育大学)と、同じくストレートで勝ち上がった大野風貴芽(日本体育大学)の対戦に。

1本目を中西が先着し、迎えた2本目。中西が先行した状態で最終周回を迎えると、中西がそのまま踏みなおす形でスプリントを開始し、そのままの勢いで大野を下す。中西も予選でトップタイムを出し、対戦でもすべてストレートでの勝利と、完全優勝で鹿屋体育大学のジャージを着て走る最後のインカレを締めくくった。

観客席によりハイタッチする中西美央(鹿屋体育大学)

「鹿屋体育大学のジャージを着て走るのが今大会で最後で、今回優勝することができて本当にうれしく思います。また、両親や親友、幼馴染が遠くから駆けつけてくれていて、最後に良い姿を見せることができてよかったです」と中西は優勝を喜び、「トップスピードは女子の中では誰にも負けない自信があったので、そのスピードを維持する、自信を持って走ることができました。」と決勝を振り返る。

「高校生の頃から500mTTを一番得意としてやってきていてインカレ2連覇も狙っていたんですが、負けてしまって。そこから気持ちを切り替えられるか不安でしたが、チームスプリントでは準優勝ながら去年鹿屋体育大学が出した学連記録を上回ることができ、タイムを出せたことを自分の中では評価していました。スプリントでは3度目の正直、シルバーコレクターにはならないぞと強い気持ちをもって臨みました。」と中西は気持ちをしっかりと切り替えることができたという。

鹿屋体育大学のジャージを着て走る最後の大会で優勝を飾った中西美央(鹿屋体育大学)

中西は10月の国民スポーツ大会(旧国体)を以って競技を引退するという。「10月の国スポを以って競技を引退、地元で公務員になる予定です。小学校6年生からトラック競技を初めて約10年経ちますが、ここで終わりと決めて最後の1年を過ごしてきたので、最後をいい形で締めくくれて満足しています、やり切ることができました。」

男子スプリントは最後3本目までもつれる接戦を井出晃太郎(中央大学)が制し、ケイリンとの2冠を達成

決勝は井出晃太郎(中央大学)と吉川敬介(日本大学)の対戦に

タンデム、女子と同じく1/4決勝から決勝まで1日での開催となった男子スプリント。

決勝はここまで1kmTTとチームスプリントを制し、スプリント予選ではトップで決勝までストレートで勝ち上がった吉川敬介(日本大学)と、ケイリンを制し、スプリント予選で2位で決勝まで勝ち上がった井出晃太郎(中央大学)の対戦に。

3本目を制した井出晃太郎(中央大学)がケイリンとの2冠を達成した

1本目は吉川が先着し、2本目は井出が先着と、今大会唯一3回戦までもつれ込む。3本目は序盤から井出が吉川を外側へ閉じ込めながらスピードを上げていくと、そのままの勢いで井出が先行。最後は吉川が迫るものの、フィニッシュライン上でのハンドル投げを井出が制し、ケイリンとの2冠を達成した。

仲間と優勝を喜ぶ井出晃太郎(中央大学)

「1本目は後手を踏んでしまって、自分の持ち味を生かす走りができませんでしたが、2本目、3本目は自分が得意な展開に持ち込むことができたので勝てたかなと思います。」と井出は決勝を振り返る。

井出晃太郎(中央大学)

ケイリンとの2冠については「本当にうれしいです。昨年市田先輩が2冠をしていて、中央大学は短距離が強くないとかっこよくないなと思って2冠を目標に練習をしていたので、その成果を出すことができてよかったです。」と語り、「今後はハロンで9秒台を出すこと、周りを寄せ付けないような強さを身につけたいなと思います。」と井出は今後の目標を語ってくれた。

男子チームパーシュートは中央大学が学連記録に0.057秒差に迫る走りで優勝

優勝した中央大学(伊藤恭/山下虎ノ亮/釜田佳典/三宅太生)

初日に行われた予選で共に4分10秒を切る好タイムで中央大学(伊藤恭/山下虎ノ亮/釜田佳典/三宅太生)と鹿屋体育大学(廣田汰也/並江優作/梅澤幹太/津留崚)が決勝に進出。

前半から積極的なレースを展開した中央大学が学連記録に0.057秒にまで迫るタイムで鹿屋体育大学に勝利。昨年予選でバラバラとなってしまい、決勝はおろか順位決定戦にも進出できなかった悔しさを見事に晴らす走りとなった。

また、敗れた鹿屋体育大学も予選よりもタイムを上げる素晴らしい走りを見せた。

優勝した4人と、タイムキーパーを務めた宇野旭(右)、監督の高島豪(下)と渡辺将大(上)

伊藤は「去年は崩壊してしまっていたので、チームパーシュートへの思いはどのチームよりも強かったと思います。個人としてもこの大会ではあまり良い結果を残せず、チームパーシュートは絶対に獲りたいと思う中で後輩たちが助けてくれて。良い走りができて本当によかったです。」と優勝の喜びを口にする。

決勝でのタイムについては「学連記録を更新するには至りませんでしたが、そこに迫るタイムで優勝することができ、よかったと思います。記録更新は後輩たちに任せたいと思います。」としつつ、「ロードレースでの総合逆転のチャンスもあると思っているので、最後まで気を抜かずに逆転を狙いたいと思います。」と翌週のロードレースに向けてチームとしての決意を語ってくれた。

大学対抗、男子は日本大学が、女子は早稲田大学が首位でトラックレースを終える

トラックレース3日間の結果を受け、男子は日本大学が、女子は早稲田大学が大学対抗において首位でロードレースを迎えることとなった。

男子は日本大学が2位中央大学とは20点差、3位早稲田大学とは41点差と大差をつける。しかし、ロードレースでは最大36点を獲得することが可能で、2021年には17点差を逆転し日本大学が総合優勝を果たしている。日本大学は正エントリーメンバー8名全員がUCIコンチネンタルチームに籍を置き、中央大学や早稲田大学もUCIコンチネンタルチームやJプロツアーチームで走る選手を多く揃える。その他にもUCIコンチネンタルチームやJプロツアーチームで走る大学が多くエントリーしており、どのようなレースになるのか注目したい。

女子は早稲田大学が2位鹿屋体育大学とは18点差、3位日本体育大学とは22点差をつける。ロードレースでは最大18点を獲得できる形となっており大会ルール上早稲田大学の女子総合優勝はほぼ確定となるが、ロードレースを経て2位以下の総合順位がどのようになるのか注目だ。

ただし、9月1日に長野県大町市美麻地区で開催予定だったロードレースが台風10号接近のため延期、もしくは中止となっており、その開催の可否に注目が集まる(8月28日時点)。続報が入り次第お伝えする予定だ。

リザルト

男子マディソン

  • 1位:日本大学(岡本勝哉/新井敬太) 58点
  • 2位:鹿屋体育大学(梅澤幹太/並江優作) 31点
  • 3位:中央大学(伊藤 恭/山下虎ノ亮) 26点
  • 4位:法政大学(宇田川塁/増山輝咲) 21点
  • 5位:明治大学(海老島卓弥/小泉響貴) -13点

女子オムニアム

  • 1位:垣田真穂(早稲田大学) 219点
  • 2位:池田瑞紀(早稲田大学) 216点
  • 3位:水谷彩奈(日本体育大学) 197点
  • 4位:渡部春雅(明治大学) 179点
  • 5位:川本莉子(鹿屋体育大学) 119点
  • 6位:岩元美佳(鹿屋体育大学) 107点

タンデムスプリント

  • 1位:日本大学(井上凌玖/町田 颯)
  • 2位:明治大学(吉田唯斗/本田音輝)
  • 3位:鹿屋体育大学(香西高良/谷口慶志郎)
  • 4位:日本体育大学(清水敦希/小川純平)
  • 5位:法政大学(鈴木来音/井上功志)
  • 6位:中央大学(植松史弥/金子颯)
  • 7位:同志社大学(前田大騎/和氣丈一朗)
  • 8位:慶應義塾大学(平井健三/寺田伊織)

女子スプリント

  • 1位:中西美央(鹿屋体育大学)
  • 2位:大野風貴芽(日本体育大学)
  • 3位:松下彩也香(八戸学院大学)
  • 4位:沢登香里(順天堂大学)
  • 5位:年見穂風(鹿屋体育大学)
  • 6位:嵯峨希来(八戸学院大学)

男子スプリント

  • 1位:井出晃太郎(中央大学)
  • 2位:吉川敬介(日本大学)
  • 3位:伊藤京介(日本大学)
  • 4位:中島康征(法政大学)
  • 5位:宮崎太志(明治大学)
  • 6位:熊谷海飛(中央大学)
  • 7位:中野大詞(早稲田大学)
  • 8位:福永隼人(鹿屋体育大学)

男子チームパーシュート

  • 1位:中央大学(伊藤 恭/山下虎ノ亮/釜田佳典/三宅太生) 4分4秒730
  • 2位:鹿屋体育大学(廣田汰也/並江優作/梅澤幹太/津留崚) 4分8秒142
  • 3位:早稲田大学(山田拓海/神村泰輝/大仲凜功/山里一心) 4分11秒178
  • 4位:日本大学(吉川敬介/岡本勝哉/奥村圭志/北嶋桂大) 4分13秒697
  • 5位:明治大学(海老島卓弥/小泉響貴/小久保瑠惟/片岡遼真) 4分13秒447
  • 6位:法政大学(宇田川塁/増山輝咲/木下寿杜頼/植本健新) 4分13秒536
  • 7位:朝日大学(國吉優希/齊藤 脩/渡邊 蓮/加藤弘喜) 4分19秒891
  • 8位:京都産業大学(矢萩悠也/田村一暉/山田 潤/森田叶夢) 4分21秒806
    ※1~4位のタイムは各順位決定戦時のもの、5位~8位は予選時のもの

大学対抗(男子)

  • 1位:日本大学 87点
  • 2位:中央大学 67点
  • 3位:早稲田大学 46点

大学対抗(女子)

  • 1位:早稲田大学 49点
  • 2位:鹿屋体育大学 31点
  • 3位:日本体育大学 27点

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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