日本酒ラベルの用語を読み解こう【その1】
buono 編集部
- 2017年01月18日
日本酒ブームが叫ばれている昨今。好きな人ならばお気に入り銘柄の1つや2つあることだろう。
しかし、紳士諸君はラベルに書かれている専門用語をきちんと理解しているだろうか?
ツウならば知っておきたい、ツウでなくても話のネタに覚えておきたい、日本酒ラベルの表記を徹底解剖する!
日本酒の三大季節酒を覚えよう
今回は日本名門酒会にご協力いただき、ラベルによく記載されている用語の中で、押さえておきたいものを解説する。
「まず三大季節酒の流れを覚えると分かりやすいです」と日本名門酒会の田村哲夫氏。「この秋に収穫された新米を用いた瑞々しい“しぼりたて”が11月から3月頃に出荷され、3月から8月は爽やかな“夏の生酒”、9月から11月にかけて、旨味の乗った“ひやおろし”が出ます。この三大季節酒の他に日本ならではの四季の行事に絡めた酒があり、それが分かると日本酒がより楽しめますよ」
出荷時期を表す用語
瑞々しい新酒に爽やかな夏酒、旨味あふれるひやおろし等、四季折々の味は日本酒ならでは。出荷時期を表す用語を一つずつ解説していく。
新酒しぼりたて(しんしゅしぼりたて)【11~3月】
新酒は7月1日から翌年の6月30日までの期間で製造された酒。一般的には、冬から春先にかけて出荷する瑞々しい「しぼりたて」を指す。
立春朝搾り(りっしゅんあさしぼり)【2月4日】
日本名門酒会の企画。旧暦で一年の始まりである2月4日の立春の早朝に搾り上げる杜氏泣かせの酒で、その日限定の縁起酒。
春和酒(はるなごみざけ)【2~4月】
日本名門酒会の企画。一般的には花見や歓送迎会で楽しむ春の酒。暖かい春の到来を感じるフレッシュなかすみ酒(うすにごり)が中心。
無垢之酒(むくのさけ)【3月】
日本名門酒会の企画。その年の造りの傾向を十分に把握した寒い時期に、しぼりたての締めくくりとして無濾過で瓶詰めした純米吟醸生原酒。
夏の生酒(なつのなまざけ)【3~8月】
冬から春にかけて搾った酒を一切火入れせず、低温熟成させた生酒。搾りたての荒々しさが落ち着き、爽やかな香りと清涼感あふれる味わい。
夏酒(なつざけ)【5~8月】
一般的には火入れしたものも含む、5~8月に出荷される酒。通常より酸度を高めたり低アルコールのものや夏を感じさせるビジュアルが特徴。
初呑み切り(はつのみきり)【6~7月】
貯蔵された酒を初めて封切りして品質検査する蔵元の恒例行事。「ささのはさらさら」は初呑み切りの酒を関係者が審査し、七夕の頃に程良く熟成した酒(日本名門酒会企画)。
ひやおろし【9~11月】
新酒を一度火入れし、タンクや瓶で貯蔵して酒蔵で「ひや」のままひと夏を過ごし、9月頃に「卸し」た酒。旨味の乗った味わいが魅力。
寒おろし(かんおろし)【11~1月】
日本名門酒会の企画。「ひやおろし」より熟成期間を延ばし、11月頃から出荷される酒。より熟度が増し、まろやかでとろりとした味わい。
熟酒-古酒-(じゅくせいしゅ -こしゅ-)【その他】
前年の酒造年度に造られた酒を「古酒」、前々年度のものは「大古酒」といい、一般的には3年以上熟成させた商品を指すことが多い。
いかがだっただろう?基本的な用語を理解すれば、日本酒が二倍、三倍も楽しめること間違いなし!次回は「製法」について解説していく。
(監修=日本名門酒会 田村哲夫)
SHARE
PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。