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『3歳の頃に料理人生が始まった』buono編集長・島貫朗生インタビュー

編集長の行きつけの店で、酒を飲みながらそのこだわりの根源や、物作りの秘訣、過去の失敗談などを引き出そうというエイサイトオリジナルのインタビュー企画『編集長酔談』。

第1回は、料理紳士のためのエンターテイメントマガジン『buono(ブオーノ)』を創刊した島貫朗生編集長が登場。聞き手は当エイサイト編集長の村上タクタ。

3歳の時から祖母に料理を仕込まれた

—— まずは『buono』創刊おめでとうございます。

島貫 ありがとうございます。

—— そもそもなぜ、『buono』を作ろうと思ったんですか?

島貫 料理が好きだから、食のジャンルで本を作っていて。僕は子供の頃、家庭の事情で祖母に預けられることが多かったんですが、3歳のころから料理を仕込まれていました。祖母は料理上手でね。祖母の焼くステーキのソースを僕が担当するみたいな感じで。オムレツを最初に叩き込まれましたね。

—— 自分は料理好きだな、って思ったのはいつの頃から?

島貫 自分でつくるオムレツの味がすこぶる好きなので。今流行りのふわふわトロトロオムレツなんですけど。たぶん最初から好きだったと思いますよ。

—— 雑誌編集者としては、夢である自分で名前を付けた創刊雑誌ですが、いつ頃から計画してたのんですか?

島貫 料理で定期雑誌を作ろうと考えたのは2年前。

—— 割と最近なんですね、今、幾つでしたっけ?

島貫 38歳です。

02

最初に作ったのはパソコン雑誌だった!?

—— 今、こうやって一緒にお互い編集長としてエイ出版社で仕事しているわけですけど、島貫さんは中途入社ですよね。エイ出版社に来るまでは、他の出版社でやっぱり編集の仕事をしてたんですか?

島貫 雑誌が作りたかったので、学生の頃からT社(出版社)でアルバイトしていて、そのまま潜り込みました。

—— 料理の本を作ってた?

島貫 当時はファッション誌をやりたかったんで、アルバイトがしたいと門を叩いたんですよ。でも、配属されたのはパソコン誌(笑)。そこはそこで面白かったですよ。学生の頃ってインターネットが盛んになり始めた頃で、当時はまだ雑誌にちょっとアングラ記事が載ってたりして(笑)。

編集プロダクションで働いてみた

—— ずっとそこにいたんですか?

島貫 その出版社にいると、どっちかっていうとプロデュースの方の仕事で、僕は実際に本を作ることに携わりたかったんで、編集プロダクションに移りました。出版社の仕事と、編集プロダクションとどっちが向いてるかな? と思って。で、その編集プロダクションで、めちゃくちゃ働いて、さすがに最後倒れました(汗)。

—— え〜っ!(汗)

島貫 徹夜仕事が延々続いたあとに、社長に飲みに誘われて……でも、好きなお酒が一滴も飲めなくて。酒飲みが飲めなくなっちゃおしまいだ、ということでその会社はやめました(笑)。

03

こんどはなぜかバイク雑誌に

島貫 出版社と編集プロダクションと両面経験して、再び別の出版社に。いろいろあったんですけど、それはまた別の機会にしましょう(笑)。で、エイ出版社に。

—— 経験豊富ですよね(笑)。

島貫 その出版社では、経費削減のために、編集者が本気でデザインもやっていた。たまたま僕は、デザインも勉強していたので。

——エイ出版社に入ったのは何歳の時?

島貫 24歳の時ですね。

—— 2004年?  僕はその頃はラジコン飛行機の本を作ってたかな? エイ出版社で最初に作った本はなんだんたんですか?

島貫 最初は『DUCATIカスタムパーツBOOK』を手伝いに来たんですよ。編集者として。僕ちなみにバイク乗らないし、バイクの事、何にもわからないのに、最初の配属がライダースクラブだったんですよ(笑)。正直、この歯車何に使うんですかっ? と(笑)。毎日、これってなんですか? って他の先輩に聞きに行ってウザったがられましたが……(笑)。
(※編注:マニアック過ぎる編集者ばかりになると、一般的な視点になり過ぎて難しい本になってしまうので、詳しくない人を入れるのはよくあること。)

04

なぜか、エイ出版社を退職して、一年間、他社で営業を

—— いろんなことが起こりますよね(笑)。それから?

島貫 ライダースクラブに3か月くらいいて「これからどうする?」って話になって。僕、社員として働きたいです。月給が欲しいです。と言ったら和田編集長(故人)を紹介してくれて。そこで『世田谷ライフ』や『田園都市生活』『東京生活』などのライフスタイル誌をやったり、グルメガイドを作ってましたね。

—— それで、今に至る?

島貫 いえ、その後、僕、一度、エイ出版社を辞めてるんですよ。広告営業をやってみたいというか、やったことないっていう事に対していいのかな、っていう自分の中の葛藤があって。

—— エイ出版社で営業やっちゃダメだったんですか?

島貫 当時副編集長だったので、さすがにいろいろ扱いづらい存在になってしまうかな、と思って。30歳を目処に一旦、退社しました。それから1年間広告代理店で営業を経験。その後再びエイ出版社に帰ってきて、今度は企画部に。企画部で商業印刷物、商業カスタムムックをやりました。

—— それから?

島貫 企画部が一旦解体になったんですよね。そこから僕はじゃ、どうしようか、という話になって……。ひょんなことから、副編集長として、食の本を作るようになりました。『魚のさばき方』とか、ワインの本とか。そこで、編集長になって、『街ラブ本』を立ち上げて。そのあと『トリコガイド』立ち上げて……今に至る……というわけです。

—— けっこういろんなシリーズを立ち上げてますねぇ。

05

家庭料理より一歩進んだ男性のための料理雑誌

—— さて、それで新創刊『buono』なワケですが、どういうところに注目して欲しいですか?

島貫 料理男子とかいうあの流れからというと、基本家庭料理ですよね。そこからまた、一歩先に進んで、誰かのために超絶コダワリの料理をするという人のための本です。

—— 一歩先に進んでいる人がそんなにいますか?

島貫 いるんですよ!(力説)いるんです!! 自分で料理作って、FacebookやInstagramに写真UPしてる人たちが!! 一歩進んだ料理を作りたい層は確実にいるんですけど、そういう男性向けの媒体はなかったんです。自分自身も欲しいし、ビジネスにもなるな、と思って始めました。

—— 『buono』の名前は、どうやって決めたんですか?

島貫 案はいくつも出しました。その中で伊達男っぽい雰囲気が欲しいな、と思ってイタリア語で考えようと思って。イタリア語で食に関する言葉を探していたところに、たまたま『buono』が商標検索したら取られてなくって。

—— 使われてそうな名前なのに空いてたなんて、それはラッキー!!(笑)

壁を殴ったら、穴が開いた(笑)

—— 編集生活で、いちばん嬉しかったことは何でしょう?

島貫 自分がディレクションして、カメラマンとすごくいい写真が取れた時はすごく嬉しい。一番好きなのはデザインが上がってくる瞬間。そこで予想をはるかに超えたデザインが上がってくるともう、ぞくっとするという。

—— いいこと言う!! 僕もそう思いますよ!

—— 逆に、編集やってて、これは大失敗、失敗談として面白い話を紹介してください。

島貫 難しいですねぇ。笑えない話ならいっぱいあるけど……。もう時効だと思うんで初めて告白しますけど、前の会社で、編集長にものすごいムカついて。

—— 殴った?

島貫 殴ってないですけど(笑)。すごくイライラしてて。エレベーターホールの壁を蹴ったんですよ、「ガンッ!」って。そしたら、壁が安普請で穴が開いちゃって、足がそのままズボッとハマっちゃった。

—— エーッ!

島貫 それで、さすがにこれはマズいと思って。靴をきれいに払って、編集部に戻りました。でも、白い壁の破片が足元に落ちてたんで『アイツじゃないか』って、すぐに疑われたんですけど(笑)。強引に「卵の殻だ」って言い張った(笑)

06

極上の鯛ご飯と、ふた切れ1万8000円の神戸牛の刺し身

—— 取材した中で食べた物の中で、一番うまかったものは?

島貫 どんどん、新鮮な体験がありますからね。最近で一番美味しかったのは『分とく山』の野崎洋光さんがバーミキュラ・ライスポットで作った鯛ご飯buono 2017年3月号、p.142掲載)ですね。

—— 鯛ご飯ですか?

島貫 普通は、出汁昆布いれたりするんですけど、そのレシピは出汁を入れない。「出汁を必ず入れなければいけないと言う人はみんな洗脳されてるんだっ」って。ご飯と酒、醤油、あとは鯛だけで。なのに、鯛からすっごい旨味が出ていて。先に、ちょっと鯛に塩を振るのも水分を出すためじゃなくて、魚に塩分を入れるために塩を振る。感銘を受けました。

—— 肉や刺身が出てくるのかと思ったら、そうじゃないんですね。

島貫 そういえばこないだ、日本で一番高い神戸牛を食べたんですよ。

—— 高いってどれくらい?

島貫 価格は、刺身をふた切れでウン万円。

—— えーっ!? それって、どうやって食べるのですか?

島貫 醤油で食べました。部位は、たしかミスジだったと思います。もう、本当に美味い。これまで食べたことある肉と、まったく風味が違う。上等なウニのような味わいを感じられて、とにかくすごい。もうね、謎の肉です、あれは。ああ、また食べたい……。

—— 魚の刺し身はどうですか?

島貫 魚のさばき方の本を作っている時、銀座に毎日のように通ってたんですけど、ただ塩振って焼いただけのアジがもう劇的にうまくって。刺身にするレベルのアジを焼いてもらったんですけど、本気でプロが目利きしたものって本当に違うんだなって、その時に勉強しました。

—— 『buono』はこれからどうなっていくんですか?

島貫 まず、とにかく、男性向けのこだわっている料理雑誌があるということを認知してもらいたいですね。料理ギークな男性向けの料理本ってないじゃないですか。イベントもどんどん開催して、大規模なフードフェスみたいなものに発展させていきたいし。

—— 3号目の特集はなんですか?

島貫 『オトコの魚仕事』です。2017年2月6日発売です。

—— 肉、パーティと来て、こんどは魚ですか。魚料理って、僕のようなシロウトには難しいような気がしますが、見たら魚がさばけるようになります?

島貫 さばきの情報も入ってますけど、何しろ魚料理は上手くなりますよ。

—— 発売を楽しみにしてます。今日は、ありがとうございました。で、もう一軒、行きます?

07

取材協力
【Wine & Jazz BODY & SOUL YOGA】
住所/〒158-0097 東京都世田谷区用賀4-11-4 地下1階
TEL/03-3700-8622
島貫編集長行きつけのワインバー。レアなワインやブランデーが楽しめる大人の隠れ家。心地いいジャズやソウルを聞きながらグラスを傾けるひと時は、編集者には欠かせない時間……というわけで、島貫編集長以外のエイ出版社の編集長もよく見かける。

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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