毛蟹〈ケガニ〉|料理を愛する人のための魚図鑑
buono 編集部
- 2020年11月18日
INDEX
冬の味覚の代表格。味噌と身の甘みが美味しい
北海道の海の幸の代表格としてメジャーなケガニ。冬の旬の時期を迎えるとますますその需要を膨らませる。
同じ北海の幸の中で人気のカニであるタラバガニやズワイガニと比較すると、一パイの可食部が少ないのだが、これほどの人気の理由は、そのすばらしい甘味に加え、豊富なカニ味噌が楽しめるところにある。
大柄なカニではないので、身をほぐす作業など、調理にひと手間必要だが、その苦労を吹き飛ばすほどの味を期待しながらの作業はむしろ楽しいものだ。
多くの人に愛される美味でありながら、繁殖力の弱さも手伝って漁獲量が少なく、高級食材として高値をつけているが、アラスカ産など質の高い輸入ケガニも増えてきている。
おすすめの料理
塩茹で、ちらし寿司、酢の物、パスタなど
さばき方、ケガニの殻の剥き方
脚や胴はかなりの硬さがあるので、切る際に力が必要となる。刃の上に両手をのせ、ぐっと体重をかけて切るようにする。
手順1
腹側の足の間にある三角形のふんどしを、包丁のあごに引っ掛けて引っ張る。
手順2
胴をしっかりと押さえ、ふんどし部分に指を入れて甲羅を手で引きはがす。
手順3
口の部分を手でむしる。甲羅にある白い脂肪部分も取り除く。
手順4
ガニ(灰色のビラビラしたもの)は食べられないので、残さず手でむしり取る。
手順5
足を根元から切り落とし、足に包丁の先で切れ込みを入れる。ツメにも同様に包丁で切れ目を入れておく。
手順6
胴の部分を包丁で真ん中から切り分ける。
手順7
カニ味噌を箸や小さいスプーンですくい集める。
手順8
切り分けた胴体と足と甲羅。このように処理すれば食べやすい。
DATA
分類
エビ目(十脚目) クリガニ科
学名
Erimacrus isenbeckii
英名
Horse Crab
産地
主な産地は北海道全域とオホーツク海。国産は北海道産。アラスカなどからの輸入物も美味しい。
旬
旬は10〜3月。北海道では資源保護のため春はオホーツク、夏は内浦湾、冬は日高太平洋と漁場が変わる。
目利きのポイント
- 手で持った時に、見た目以上に重いものは身肉が詰まっている。また足を軽く押してみて、スカスカ感がないもの。
- 殻の色が濃く、ふんどし部分の色合いが濁っていないものを選ぶと良い。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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