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熟成肉の火付け役、中勢以の店づくりにみる“肉哲学”

今や空前のブームとなった熟成肉。
ごく当然のように “熟成” を謳う時代にあって改めて “熟成肉のパイオニア” の門を叩いた。
垣間見えたのは流行りとは無縁の熟成肉に対する哲学であった。

“あの熟成肉店” のカラクリ、あなたはいくつわかる?

「熟成肉の見た目はカビの生えた瘡蓋のお化けみたいでしょ。そんなお肉をお客様に美味しい食べ物として、どうしたら理解していただけるのかと思っていました」。熟成肉を広めた立役者として度々メディアにも紹介される中勢以会長・出浦陽一郎氏は話し始める。

「どのように受け止められるかが大切なんです。もちろん中勢以は徹底的に管理した熟成肉を提供しております。そして、本当に美味しいお肉をお客様に届け、召し上がっていただき、素晴らしい時間を過ごしていただけるようにと思って設計した空間、それが中勢以内店なんです」

“肉屋らしからぬ” 店構えに注目が集まる中勢以だが、それは奇をてらったものではなく、出浦氏自らがクリエイティブディレクターとして綿密に構築したものであった。

「杉の一枚板の上に肉を置いたのは、熟成肉はドリップ(肉汁)が出ないからであり、普通の肉ではあり得ないこと。不遜ですが、神様に供物を捧げる時のように、お客様に商品を提案させていただいております。そして熱を発しないLEDで、肉に部分照明を当て明暗がつくようにし、肉が最も美しく見えるように工夫しました」

出浦氏の熟成肉に対するクリエイティブな想いが、細部に至るまで反映された中勢以内店。魅力はディスプレイや店舗の設えに留まることなく、中勢以の肉のポテンシャルの高さを如何なく体験できるよう、購入した肉を、料理人の卓越した手腕で調理して、食することができるレストランと肉屋を併設。内店で体験するすべては、中勢以の肉を通して、“素晴らしい時間” を楽しむためのカラクリとして機能しているといえる。本当に肉が輝くための仕掛け、そして精肉店のあるべき姿……。 では、検証していくとしよう。

【カラクリその1】
スポットライトで魅せる手法はさながら美術館。

肉を陳列するショーケースは、あえてすべてを照らさないスポットライトを用いている。計算し尽くした光源の数、光の当て方は杉の一枚板に置かれた熟成肉を美しく見せている。また、客側に肉の断面が見えるように配置している点も見逃せない。そして、購入した肉は竹皮に包まれる。肉との出会いから購入、持ち帰りまでのストーリーを演出しているのだ。

【カラクリその2】
“より美味しく” を追求した結果……

ショーケースの対面の棚には、整然と様々な調味料が並ぶ。和がらしやマスタードなどの調味料は、熟成肉特有の味わいを引き立てることを前提に揃えられた中勢以ならではの審美眼で選ばれたアイテムたちなのある。

【カラクリその3】
扉の先に待ち受けるは熟成肉のサードプレイス。

最大の仕掛けにして、最高の魅力がレストランを併設している点だ。“食べられる中勢以” を旗印に、ショップで購入した熟成肉を、その場で料理人に調理してもらい味わうことができる。ショップの奥にあるメタリックな業務用扉の先に通路が敷かれており、レストランへと繋がる。期待を高めてさらに進んだ先で提供される料理は、熟成肉をいかに調理すれば良いかという啓蒙も兼ねていると言える。単なる “イートイン併設” ではない理念が随所に散りばめられているのだ。

【カラクリその4】
大前提となる安全について。

中勢以哲学の真髄は、見た目ではない。最も根本的な “肉の提供における安全” はバックグラウンドの最優先事項として浸透している。こうしたことは目に見えないものだが、「登録証明書」は可視化された片鱗として役割を果たしている。

中勢以直伝レシピ!熟成肉のコールドステーキ

中勢以が提案する熟成肉の魅力が堪能できる鉄板メニュー。作り方は2ヶ月ほど熟成された内モモを使用し、
表面を高温の鉄板で焼いて冷やすのみ、とシンプル。ニンニクが利いた和風ソースが熟成肉の甘みを引き立ててくれる。

【材料】1〜2人分

牛肉(内モモ)……250g
パクチー……適量
芽ネギ……適量
白髪ネギ……適量

ソース

ニンニクピューレ……小さじ1
酢……20cc
醤油……100cc

【作り方】

1 250°Cに熱した鉄板に肉を一面ずつ焼く。肉の厚みによって異なるが、片面10秒から15秒程度を目安に高温でさっと焼く。

2 全面焼き終えたら冷凍庫で充分に冷やす。

3 肉は2ミリ厚ほどに薄くカット。

4 パクチー、肉、芽ネギ、白髪ネギ、ニンニクの順に盛り付ける。

【カラクリその5】
通り過ぎてしまう “意外な” 外観。

コンクリート壁に映えるイエローのオーニング。“肉屋” に見せない “見た目” が客の心をくすぐる。商品だけを売るのではなく、サービスと心の高揚までを総合的に提供するスタイルの現れだ。

 

【DATA】
中勢以 内店

住所/東京都文京区小石川5-10-18
電話/03-3830-0490
営業/ランチ11:30〜15:30(L.O.14:00) ディナー 17:00~23:00(L.O. 21:30)
休み/月曜(祝日の場合は翌日休み)※ ランチは土・日曜・及びこれに繋がる祝日のみ
http://www.naka-sei.com/uchi/

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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