連載「僕をダメにする泥酔つまみ vol.5 カツオのペスト・ジェノヴェーゼ」
ロー・タチバナ
- 2021年06月02日
二度も旬を楽しめるカツオって最高!
春から初夏にかけてのまさに今、カツオの刺身用サクがスーパーにめちゃくちゃ並んでいて、しかも安い! つまりカツオは産地にもよりますが、少し前から旬に入っています。つまみを作るならそういう時期を狙い撃ちすれば、舌も財布も喜ばしくハレルヤというわけですな。ちなみにカツオは今出回っている初鰹と、秋に出回る戻り鰹の二回旬を迎えて、それぞれ味わいも違うので楽しみ方もいろいろでGOOD。はい、ということで、最近TikTokでおすすめに出ていたサザエさんのパロディ動画を観たら闇落ちしたロー・タチバナですこんにちは。ひでえよカツオくん。
ってことでカツオの基礎知識を真面目に書く
江戸時代より初夏を告げる縁起物として珍重されてきた初鰹。さっぱりとした味わいで、現代でもその人気は健在ですが、グッと脂ののった秋の戻り鰹も濃厚な旨味を楽しめるとあってファンも多いのではないでしょうか。
カツオの食べ方としては、表面を炙ってタタキにするのが代表的ですが、新鮮なものはぜひ刺身でも食べてみてほしい。ほか、1尾まるごとさばくなら、厚めの切り身を揚げてカツにしたり、アラの部分を煮付けにしたりと様々な楽しみからができます。出回るのは50cm前後の大型が多いのでさばきがいがあるので、包丁技に自信のある人はチャレンジ! 小出刃はサイズに合わないので、使う包丁は出刃が◎。基本は三枚おろしですが、身が重く割れやすいので、片身をおろしたらひっくり返さずにそのまま背骨を外すのが定石です。また、頭周辺のウロコは非常に硬いので皮をむく要領ですき引きにするのがベター。
時速30kmほどで泳ぎ続けるカツオの身体は紡錘形をしており、まさに弾丸。熱帯性の回遊魚として知られ、春から黒潮にのって九州から北上し、秋にまた南下していく。そのほか、小笠原海流にのってくる群れも存在する。主な産地は高知の土佐、九州地方、千葉県、静岡県など。目利きのポイントは魚体が鮮やかな青色に光っているもの、また、尾の付近がザラザラした手触りなら新鮮な証拠。エラぶたを開いて見て、エラが真っ赤なものも新鮮なのでまるごと買う時は要チェック!
新鮮な刺身を洋風に仕立ててみる?
まあ、僕は基本的にあまのじゃくですからね。刺身を薬味と醤油で食べるのも当然美味しいんですけど、変なことやってみたくなってしまうわけです。「悪魔のレシピ」シリーズの著者として。そんなことばかりやっているから、妙な色が付いて仕事が大変になるんだっつの、と思ってはいるんですが…。でも、その変なことがバシッと決まって、めちゃくちゃ美味しくなるという快感には抗えないのですよトホホ。今回紹介するレシピも、そんなキレッキレに決まった料理のひとつで、これ本当に試してみてほしいんですよね。
題して「カツオのペスト・ジェノヴェーゼ」。要はカツオの刺身をバジルのペストでマリネした簡単料理であります。カツオ特有の酸味と劇的に相性が良くて、酒が本当に進みますよ!
「カツオのペスト・ジェノヴェーゼ」レシピ
材料(2人分)
バジル…30g
A
クルミ…10g
にんにく…1片
塩…小さじ1/2強
黒コショウ…少々
EXVオリーブオイル…75ml
カツオ(刺身用)…1/2サク
作り方
1 バジルの葉を茎から外し、葉が大きいならば適当なサイズにちぎっておく。
2 1のバジルとAをフードプロセッサーに入れてペースト状になるまで撹拌する。塩気は強めのほうが美味しいので、味見してみて塩分が薄いようなら好みで塩を足して混ぜる。
3 カツオをサクから切り出す。厚いほうが見栄えは良くなるが、あまり厚くすると味のバランスが悪くなるのでそこはどちらを取るかお好みで。
4 2のペストとカツオを保存袋に入れて、優しくもみ込んだら器に盛り付ける。
教えてくれたのはこの人!
ロー・タチバナさん
様々な食に関するメディアやイベントなどをプロデュースする傍ら、趣味の料理研究が高じて、著書「悪魔のレシピ(枻出版社)」発刊とともに料理研究家としての活動もスタートし、少し、いやかなり毒っ気のある独特な語り口と独自路線の料理で一躍人気に。現在では著書が5冊まで増えたが、本人は「アイディアはそんなタケノコみたいにポコポコ湧かんのですよ」とボヤく(たぶん喜んでいる)。本名(秘密だけど)では、地方食材を活用したブランディング提案や講演、レストランジャーナリストとしてテレビ出演なども多数。当初はマンウィズみたいに覆面でやってみたら面白いんじゃないかと思ってお面も購入したが、やっぱり面倒なのでやめた模様。最近はペアリングの仕事なども増えて、なんか調子に乗っているらしいですよ。
写真=大宮ハヤト 文=ロー・タチバナ
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PROFILE
ロー・タチバナ
幼少期より料理を趣味とし、何よりも食を愛する料理家。食品メーカーWEBサイトでのレシピ提供や地方食材の情報発信、キッチン家電のブランディング提案、各種講演なども行う。著書に「悪魔のレシピ」「悪魔のおつまみレシピ」「悪魔の鬼やせレシピ」など。インスタグラムでも情報発信中 @raw_tachibana
幼少期より料理を趣味とし、何よりも食を愛する料理家。食品メーカーWEBサイトでのレシピ提供や地方食材の情報発信、キッチン家電のブランディング提案、各種講演なども行う。著書に「悪魔のレシピ」「悪魔のおつまみレシピ」「悪魔の鬼やせレシピ」など。インスタグラムでも情報発信中 @raw_tachibana