スコアアップに直結するコースマネジメント術|プロキャディが教える攻略のポイント
EVEN 編集部
- 2019年12月19日
INDEX
グリーンを4分割してみると確率の高い攻め方が見えてくる
ツアープロは、グリーンを4分割にして緻密な戦術を練っています。下のイラストのようにA、B、C、Dの4つのブロックに分けて考えるのです。
ピンポジションによって、どのような球筋で攻めるか。グリーン周りの外しても良いエリアと絶対に外してはいけないエリアはどこか。リスクマネジメントを考慮しつつ、ベストルートを見出す作業をしています。
例えば、フェアウェイのライもグリーン面もフラットだった場合に、グリーン左奥のAのエリアにピンが立っている時は大きめのクラブで打つという選択肢はあり得ません。大きいクラブでミスした場合は、グリーンの左奥側に外してしまうリスクが高く、次のアプローチがかなり難しくなってしまうからです。
逆に、ピンの位置がCなら大きめのクラブでストレートボールかフェード系の球で攻めるのが効率の良い作戦です。Bは短めのクラブでしっかり打ち、Dは大きめのクラブでセンターにのせるのが基本的な考え方です。
このようにグリーンを4分割してみると、ベストルートがフォーカスして見えてきます。ミスしてもグリーン上にボールが止まってくれる確率の高い狙い方を考えるのがコースマネジメントであり、リスクマネジメントなのです。
そのためには各番手のキャリーの飛距離を知っておくことがとても重要です。自分の本当の飛距離とはランも含めたトータルの飛距離でなく、キャリーの飛距離です。自分の飛距離を過信することなく、正しい飛距離をつかんでおきましょう。
「仮想のピン」を立ててそこを狙う気持ちをつねにもとう
ピンを狙って良い時と、ピンを狙ってはいけない時の違いはどこにあるのでしょうか。
ピンの位置が右手前で、グリーンの右手前にはアゴの深いバンカーがあるとします。その状況でピンを狙っていくと、当たりが少しでも薄かったら右手前のバンカーに打ち込んでしまう可能性が高いといえます。
そう考えると、こんな状況ではピンを狙ってはいけないといえそうです。グリーンの右手前にアゴの深いバンカーがあり、ピンをダイレクトに狙うとリスクが大きいのなら、グリーンの中央か、それよりもやや左奥側に仮想のピンを立てて、そこを狙うのが賢明な作戦です。「ピンの位置が手前ならプラス5ヤード、ピンが奥ならマイナス5ヤード」の発想です。
基本的には、ピンがグリーンの端のほうにある場合は、グリーンの中央付近に仮想のピンを想定して打つのが上手なリスクマネジメントです。ピンが立っている側をショートサイド、ピンと反対側をロングサイドといいますが、グリーンの面を広く使えるロングサイドを狙うのが安全確実な作戦なのです。
プロの中にはロングパットを残すくらいなら、ショートサイドを狙ったほうが良いという人もいますが、それはショートサイドに外しても寄せられるアプローチの技術を持っているからです。アマチュアゴルファーがスコアロスを防ぐには、ロングサイドに仮想のピンを立てて打ったほうが良いでしょう。
ピンを「攻めるか、守るか」という戦略のメリハリは必要ない
イラストのようにピンの位置が左奥で、グリーンの左奥にアゴの深いバンカーがあったとしましょう。ピンをダイレクトに狙った結果、良いショットが打てれば最高ですが、その反面大きなリスクを背負うことにもなります。仮にグリーンの左奥に外してしまったら、難しいバンカーショットやアプローチが残ることになり、大叩きの危険性が高まります。
こんなケースでは、ピンを直接狙わずにロングサイド側に仮想のピンを立てて打つのがベストな作戦です。仮想のピンを立てる場所は、ゴルファーのレベルにもよりますが、プロや上級者でピンの右手前5ヤード、アベレージゴルファーの方なら右手前10ヤードといったところでしょう。
ピンの右手前5ヤードの仮想のピンを狙った結果、ちょっと引っかけ気味の球筋でピンそば2ヤードで止まることもあれば、当たりが少し薄くてピンから10ヤード外れることもあります。つまり結果だけを見て、ピンの近くに止まったから「思い切って攻めた」とか、ピンから10ヤード離れた場所で止まったから「守りにいった」というわけではないのです。
状況によって「攻めるか、守るか」のメリハリをつけると良いと言われたりもしますが、私にいわせれば攻めるも守るもありません。本人がやっていることは「仮想のピンに向かって打つ」ということだけで、攻めるか守るかの思考の違いはないのです。
SHARE
PROFILE
EVEN 編集部
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。