アウトドアビークル座談会 〜アウトドアに最適なクルマ選び、運転する楽しさを語ってもらいました〜
フィールドライフ 編集部
- 2020年07月19日
アウトドアビークル座談会
趣味はもちろん、仕事でもどっぷりと自然のなかで活動するクルマ好きな3人に集まってもらい、アウトドアに最適なクルマ選び、運転する楽しさを語ってもらいました。
(左)JIMNY OWNER 山下晃和さん
アウトドア誌やモーターサイクル誌をはじめ、多分野でモデル活動を続けながら長期間での海外自転車旅など、アウトドア活動に取り組んでいる。
(中)WRANGLER OWNER 清水雅之さん
ピークデザインなど、アウトドアでもおなじみの撮影機材を扱う「銀一」にて広報を担当。登山はもちろん、冬にはアルペンボードなどを楽しむ。
(右)RAV4 OWNER 三森典彰さん
環境調査や自然体験プログラムなどのコーディネートを行なう「ビオトープ・ギルド」代表。釣りを趣味として、業務で屋外へ出掛けることが多い。
アウトドアにぴったりなクルマ選びとは?
自然体験や環境活動プログラムのほか、地震などで被害を受けた被災地の支援活動に取り組む三森典彰さんは、2カ月前にトヨタのRAV4が納車されたばかり。
輸入撮影機材の広報や営業活動を担当する清水雅之さんは、重厚感あふれる風貌に憧れていたジープのラングラーに昨年末から乗りはじめた。
一方、モデルの山下晃和さんの愛車は、6年前から乗り続けているスズキのジムニーだ。登山やサーフィンなどに出掛けるときの相棒として一番だったと話す。
そんな彼らに、愛車の魅力をはじめ三人三様のクルマ選びについて語り合ってもらった。
山下晃和(以下Y)ジムニーに乗る前は、ホンダのバモス・ボビオっていう軽自動車に乗っていたんです。すごい積載量で、モトクロスのバイクが積めたりして気に入っていたんですけど、それでサーフスポットに向かっているときに、何度かスタックしたことがあって。
そんな不満を感じていたときに、ジムニーのカスタムをしている「アピオ」とお取引きをしている人と仕事で知り合って、試乗をさせてもらいに行きました。
ずっと借りている駐車場が、軽自動車でギリギリのスペースで、あまり選択肢がなかったという理由もあったんですけど、それが決定打でしたね。
僕が乗っているのはコンプリートカーといって、ホイールとかマフラーが替えられていて、リフトアップされているモデルです。波乗りに行った先で出会うサーファーたちが、みんなランドクルーザーとかパジェロとか、リアゲートにタイヤを装着した四輪駆動車に乗っていたので、その姿を見てかっこいいなって、ちょっとした憧れもありました。
清水雅之(以下S)わかる、わかる! 後ろにタイヤを装備しているの、かっこいいですよね。僕がラングラーを選んだ一番の理由は、見た目なんです(笑)。
この独特なフォルム。それに7本のスリットが入ったフロントグリル。ホイールもやたら大きくて、後ろにはスペアタイヤがついている。高校生のときにジープのチェロキーに乗っている人が近所にいて、憧れのようなものを感じていましたね。
でも、これまで一度もいかにも四輪駆動車っていう雰囲気のクルマに乗ったことがなくて、家族ともかっこいいよね、一度は乗ってみたいねって以前から話しをしていたんです。
いままでは子どもがまだ幼かったので車高の高いクルマは難しいと考えていたんで、ようやく乗ることができたという感じです。あとは、取り回しが大変なのかなと思っていたんですけど、試乗したら思っていた以上に運転がしやすかったですね。自宅周辺は狭い道が多いのですが、国産車と変わらない感覚で運転できそうだなと感じたところが決め手になりました。
三森典彰(以下M)僕は、これまでトヨタのラッシュというSUVに乗っていたんです。でも排気量が小さくて、コンパクトなサイズだったので荷物を満載するとふたりしか乗れなかったんですよ。スタッフを4人連れていこうとすると、クルマを別にもう1台用意する必要があった。
それで、もう少し大きなクルマにしたいなと思って、ディーラーで試乗させてもらって決めました。ただし、クルマが大きすぎると林道などで取り回しが悪くなるので、それは避けたかった。
あとは、東日本大震災の被災地までの数百キロを移動することが多くて、そのときにオートクルーズコントロールやレーンキープといった先進の安全装備が充実していることも重視して選びました。
前を走っているクルマとの車間距離を調整してくれたり、巡行速度もある程度一定に保ってくれたりするので、クルマが少ない時間帯などでは非常にストレスが軽減されています。
Y 小回りが利いてくれるのはいいですよね。ジムニーだと遊び道具みたいな感覚でクルマを所有できるのもいいし、ランニングコストも安い。僕は小さなクルマが好きで、オートバイも250㏄なんです。
身長が183㎝と大きめなので、友人たちには1200㏄とかの大型バイクに乗れよって言われるんですが(笑)。
あと、事故をしたりはしないんですけど、運転がそんなにうまくなくて……。車体感覚を掴むのが下手みたいで、小さなクルマのほうが運転しやすいと感じているんです。スピードもあまりだせない性格なんで。
ただ、荷室にあまり道具が積めないのが短所だったんですが、それはルーフキャリアを付けて解消してます。キャンプ道具は全部屋根に積んで、自転車もアピオのサイクルラックを使ってリアゲートに2台積めるようにしているんです。
これで4人乗って、荷物満載にして移動していますよ。あとは、後ろのシートを倒したときに荷室に少し段差ができるんですけど、その段差を埋めてくれる専用ケースがあるんです。最初は車中泊をするつもりはなかったんですけど、いまでは車内でもよく寝るようになりました。
M もともと僕は、釣りをするのが大好きだったんです。でも気に入っていたポイントが開発されてしまい、それまでたくさんいた魚がほとんどいなくなってしまった。景観も悪化していって、僕のなかですごく大切な存在だった環境がどんどん破壊されてしまって……。
そんなことがきっかけで、環境を改善するための仕事をしたいと思っていまの会社を始めました。これまでは仕事で山のなかに入っていくことが多かったので、仕事のことを考えるとどうしても休日までアウトドアに出掛けるという気持ちになれなかったんです。
でも、最近は少しずつですが釣りに行くようになりました。水辺の生物を観察するのに手に入れたインフレータブルカヤックで川下りをしたり、冬はクロスカントリースキーにも出掛けています。
クルマの中には、いつも虫取り網とか、たも網とか、胴長も入れています。出掛けた先でふと使いたいなって思ったときに、その道具がいつでも出せるようにしていますね。
Y うわぁ、そうなんですね。僕はいつもクルマの中にはほとんど荷物を置いていなくて、車内に置きっ放しにしているのはティッシュボックスぐらいかな(笑)。
僕もアウトドアはなんでも好きで、登山もしますし、トレイルランニングやマウンテンバイク、それにキャンプも好きですよ。スノーボードとサーフィンもやるし。パックラフトもやるんですけど、そういった場合は荷物がコンパクトで軽いのでオートバイとか、自転車で行くことが多いですね。人数が多いときだけ、クルマを使う感じです。
すごいクルマ好きというわけではなくて、実用性を求めて乗っているという感じなのかもしれないですね。
S 山下さんは、ジムニーに乗っているくらいだから、けっこうクルマ好きじゃないですか?
Y そうですかね?
S そうでしょー。
Y そうですね。クルマ、好きです(笑)。いろんな乗り物を持っているので、天気がよければバイクに乗ろうかなって考えるんですよね。クルマは雨でも乗れるからって思ってるし、やっぱり楽ですからね。
バイクの運転は好きなんですけど、クルマは仕事で使ったり、マウンテンバイクを持っていくときに乗ることが多いかなぁ。
S 僕の一番の用途は、近所にあるスーパーマーケットへの往復ですかね(笑)
Y それ、アウトドアアクティビティじゃないですよ!
S えぇ? アウトドアを都会でも感じたいから、ラングラーを買ったんですよ。
Y あっ、いいこと言いましたね。やっぱりラングラーはかっこいいですよ。ジムニーに乗っていても、やっぱりラングラーには憧れますからね。
S ジムニーと交換する?
Y 交換してほしいけど、いまの駐車場に停められないんですよ(笑)。でも本当に、ラングラーは造形としてかっこいいですよね。男心をくすぐるというか、冒険心が剥き出しといったイメージがあります。
S 僕は毎日のようにアウトドアに出掛けられるわけではないから、会社から帰ってきたときにガレージにラングラーが停まっているだけで、「おぉっ」て思うんですよね。所有する満足感みたいなものが、すごく高いんですよ。
燃費などのランニングコストとか、実用性はやっぱり国産車に負けるかもしれない。でも、それに勝る魅力があることは所有してみてはじめてわかった部分ですね。
M 僕は、いつも泥臭い現場に出ているので、どちらかというとタウンユースも意識したようなSUVをあえて選んだんです。僕にとってのトヨタという会社は、質実剛健なクルマを作るというイメージがあって。デザイン面ではまだ保守的な印象ですが、このクルマは結構かっこ良くなったなと思ってるんです。
内装もすごく良くなっていて、シートなどの質感も高いじゃないですか。それでいて四輪なので、アウトドアフィールドでも十分機能する。
Y その感覚は、すごくよくわかります。たとえば極地仕様のダウンジャケットをアウトドアで着ていると本物になっちゃう。だから、ちょっとライトな黒色のモデルで、街でも映えるようなジャケットを着る。そうしたらかっこいいよねっていう感覚ですよね。本気度をちょっと緩めているんですよね。
乗っているクルマを見ると、趣味とか、どういった仕事をしているのかとかなんとなく伝わってきますからね。
僕のジムニーは、自分の身の丈に合っているというか、背伸びをしていない感じもあるかな。無理せず維持できて、それでもちゃんと遊べるクルマであるというところが自分にぴったりだなと思っています。
S 仕事をしているなかで、アウトドアが得意なモ
デルさんっていうアピールとかもあるの?
Y はい。アウトドアは大好きだし、そういうイメージが定着してくれているっていうのはうれしいですね。それに、乗っているクルマを聞かれて答えたとき、よく「山下君、ジムニーっぽいよね」って言われるんです。それって、すごくうれしいですよ。
S 僕は、完全に趣味のクルマですからね。不満点はそれほどないんですけど、あえて挙げるとラングラーで営業回りとかは派手で行きにくいです。
あと、ウィンドウガラスを開け閉めするためのスイッチがコンパネについているんです。これが普通のクルマと同じようにドアに装備されていればと、個人的に思います。
M 僕も改善してほしいところを挙げると、ドアの内側にある握り手がヒンジの近くにあるんです。そのため女性や子どもたちが開け閉めしにくいみたいで。
風の強い日の開閉時とかは急に開いてしまったり、ほかのクルマに傷をつけたりしてしまいそうで恐いんですよね。それでいつも僕が外から開けているんですよ。
そのほかはほとんど不満点ないですね。おもしろい部分だとバックミラーです。普通の鏡だと荷物を天井まで積載したときに後ろが見えなくなりますが、リアゲートの上部にカメラが備えられていて、スイッチひとつでその映像をバックミラーに映すデジタルミラーモードに切り替えられて、後方の視界を確保することができるんです。
あとは電源が多いところ。USB端子が4つと、AC電源もとれます。長距離移動のときにも、ポータブルバッテリーなどを温存したまま車内で仕事ができるんです。
前のクルマは見た目こそSUVだったけど、後輪駆動車ですごく滑りやすかったんですよ。安全に現地に行って家まで帰ってくるっていうことを考えると、やっぱり四駆が安心ですね。それでいて、高速道路では駆動輪の調整もしてくれて燃費もいい。
S 僕は学生時代からアルペンスノーボードをしていて、雪道を走ることが多かったんですが、やっぱり四駆が安心だなと思います。夏場で活躍するのは、ちょっとした林道とかキャンプ場内の泥濘程度ですけど、それでも助かったと思うことはたくさんあります。
Y 僕が気に入っているのはアピオ社製コンプリートカーの機能なんですけど、サスペンションシステムがとてもいい。高速道路を走るときは硬め、オフロードでは柔らかめにといったように、ダイヤルを回すと走りがまったく変わるんです。結構便利ですよ。
本当に路面が荒れているときは、前輪2本を柔らかめにして、後ろは硬めにするとギャップを拾わなくなる。ラリーとかに出る人はそうするみたいですね。
不満点は、好きなところでもあるんですけど、やっぱりサイズが小さいこと。車中泊をするときに多少窮屈に感じるんです。
この前新しいジムニーに少し乗ってみたんですけど、あっちはめっちゃいいですね! いまの不満点をぜんぶ解決してくれているんです。とくに窓がとても広くて、視界が圧倒的に開けて気持ちがいいし、運転もしやすい。
景色を見ながら走るのが好きなんです。音響も良くなっていて、もう次世代のSUVというフィーリングでしたね。だいぶ心が動かされたんですけど、いま注文しても半年とか1年待ちみたいなんで……。すごい人気ですよね。
TOYOTA RAV 4 G-Grade Noriaki Mitsumori
人も、荷物も満載して仕事でガシガシ使うSUV。
DETAIL 先進の装備と利便性がすばらしい
SUZUKI×APIO JIMNY APIO-COMPLETE Akikazu Yamashita
クルマも、バイクも小さいほうが好きだから軽自動車のオフロードカーを選んだ。
DETAIL 山道でも、海辺でも頼りになる走破性が魅力
JEEP WRANGLER UNLIMITED-SAHARA Masayuki Shimizu
都会でもアウトドアを感じられることがなによりうれしい。
今回の車で7台目
DETAIL The 4WDというクルマに乗ってみたかった
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文◎村石太郎 Text by Taro Muraishi
写真◎宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
取材協力◎本栖湖キャンプ場 Special Thanks by Lake Motosu-Ko Camping Ground
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。