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南アルプス白峰三山縦走・装備編|ホーボージュンの全天候型放浪記

カヤックツーリングから雪山登山まで、あらゆる“WILD SIDE” を歩くこの連載。志を同じくする若き読者のために、僕が旅で使ったギアリストをすべて公開することにした。

今回のアイテムは3泊4日のテント泊縦走登山の全装備だ。

>>>南アルプス縦走のルポはこちら

南アルプス白峰三山縦走|ホーボージュンの全天候型放浪記

南アルプス白峰三山縦走|ホーボージュンの全天候型放浪記

2021年09月11日

文◎ホーボージュン Text by HOBOJUN
写真◎杉村 航 Photo by Wataru Sugimura
出典◎フィールドライフ 2018年秋号 No.61

3泊4日のテント泊装備を全アイテム公開

あらためて見渡してみると、今回のギアはウルトラライトでもなければヘヴィデューティでもない「ちょうどいい」ラインナップだと思う。取材やテストのためにいくつか新作も使ったが、基本は実績のある定番商品で、安心してオススメできる内容となった。

そんななか、注意したのは防寒対策だ。白峰三山は3,000mを超える国内屈指の高山地帯で、下界との気温差は15℃以上ある。9月中旬といえば下界はまだ残暑が厳しいが、上は別世界。気温2〜5℃を想定して準備した。

高所経験のない初心者はこの温度差を実感として感じられないからどうしても軽装に振りがちだけど、山は甘くない。しっかりと準備しよう。とくにビーニーやグローブといったアクセサリーやインサレーションパンツなどは手抜きになりやすいので注意したい。

食料はドライフードを中心に準備した。今回の行程ではすべてのキャンプサイトで水が手に入ることが分かっていたため、お湯を注いで調理する食品にした。具体的には朝食にはモンベルの「リゾッタ」を、夕食にはディル イートライフの「スモールツイスト」をメインとし、そこに生卵や豆類、常温保存のできるチキンやマッシュポテトなどを加えた。

GEAR

  • バックパック<グレゴリー/バルトロ65>
  • サブパック<グレゴリー/インナーバッグ>
  • テント<ニーモ/タニ1P>
  • シュラフ<モンベル/ダウンハガー900#3>
  • マット<ニーモ/テンサーM20>
  • ストーブ(個人)<ジェットボイル/ 新型Flash(テスト使用)>
  • ストーブ(団体)<プリムス/イータ(分離型・デポ用)>
  • コッフェル(個人)<ベルモント/ 折り畳みチタンロッキーカップ>
  • 食器(個人)<ジップロックコンテナとJBの底カップ>
  • ウォーターボトル<ナルゲン/ 広口1ℓ>
  • キャンプ用ボトル<プラティパス/2ℓ>
  • ライター<百円ライター>
  • ナイフ(ツールナイフ)<レザーマン/スケールツール>
  • 武器<モンベル/野箸、MSR/折り畳みスプーン>
  • ヘッドランプ<ペツル/アクティックコア>
  • ランタン<ソーラーパフ/ソーラーランタン>
  • コンパス<シルバ/フィールドコンパス>
  • 地図<山と高原地図 no.42 北岳甲斐駒>
  • GPS<ガーミン/eトレックス20J>
  • 洗面セット<歯ブラシ、ODせっけん>
  • タオル<MSR/速乾タオル>
  • ウェットティッシュ<ギャツビーの冷たいヤツ>
  • 財布<モンベル/(免許、保険証)>
  • ケータイ<iPhoneX+スマホケース>
  • 眼鏡<オークリー>
  • モバイルバッテリー<15,000mAh電池+ライトニングケーブル>
  • ファーストエイド<オリジナルセット(防水タッパーウエア)>
  • エマージェンシー<オリジナルセット(グレゴリーオレンジ袋)>
  • トイレットペーパー<1巻き>
  • ジップロック<各サイズ・適宜>
  • 筆記用具<A6ノートとボールペン>
  • 名刺<取材先用に少々>

Pick Up

バックパック

長年グレゴリー・トリコニ65を愛用している。今年のモデルから正面ポケットが二気室+メッシュになり使い勝手がますます向上。軽量化もされている。

サブバック

トリコニのハイドレーションポケットを取り外すとアタックザックに変身。ピークハントはもちろん、行き帰りのサブザックにも便利。

エマージェンシーキット

レザーマン、カラビナ、スリング、スキーバンド、細引きφ3㎜とφ2㎜、タイラップ、ダクトテープ、パッチ、防水マッチなど。

テント

登山にはもっぱら自立式ダブルウォールテントを使う。ニーモのタニは信頼性と居住性に優れながら1.06㎏という軽さが魅力だ。

保冷用コージー

行き帰りの電車や山小屋で缶ビールを買ったときに使うネオプレーンのコージー。「そんなものいらないだろう」という意見は無視。

トレッキングポール

鎖場や岩稜帯でパッとしまえるZポールを愛用。BDのカーボンモデルは軽くて剛性が高いところが気に入っている。長さは110㎝。

クックウエア

今回は新型ジェットボイルを使用。出力が2269kcal/hと大幅アップし、500ccの水をわずか100秒で沸騰させてしまう。

WEAR

  • ベース・Tシャツ<マウンテンハードウェア/ポリ100%>
  • ベース・ロングスリーブ<ティートンブロス/プロトタイプ(テスト用)>
  • 行き帰りTシャツ<uvddw ポリ100%>
  • ベースパンツ<ユニクロ/ポリ100%>
  • ベース・タイツ(防寒兼用)<モンベル/スーパーメリノウール>
  • ソックス<モンベル/ウール中厚2足>
  • ソフトシェル(行動用)<アークテリクス/ハイブリッドJKT>
  • ハードシェル(レイン兼用)<ザ・ノース・フェイス/プログレッサーJKT>
  • レインパンツ<モンベル/ストームクルーザー>
  • トレッキングパンツ<ピークパフォーマンス/シビルパンツ>
  • インサレーション上下<(上)パタゴニア (下)モンベル>
  • キャップ<ゼン/メッシュキャップ>
  • ビーニー<パタゴニア>
  • サングラス<フロート/アストラ>
  • グローブ<REI /ウインドストッパー>
  • ゲイター<モンベル/ゴアテックス ライトウェイト>
  • トレッキングポール<ブラックダイヤモンド/カーボンZポール>
  • トレッキングブーツ<アゾロ/シラーズgv>
  • サンダル<ノーブランド>

Pick Up

ソフトシェル

行動用のソフトシェルで、身頃は通気性の高い素材なのだがフードと両腕外部はゴアテックスで、多少の雨ならそのまま行動が可能。

ベースレイヤー

ティートンブロスの最新作。内面にポリプロピレン、外面にメリノウールを使い二重織りの立体的ニットで仕立てた意欲作。これはいい。

トレッキングブーツ

標高3,000m級の岩稜縦走と50ℓ程度の荷重を想定したブーツ。イタリア製だが、典型的な日本人足型の僕にもぴったりフィット。

ハードシェル

上はTNFのプログレッサージャケット、下はモンベルのストームクルーザーをチョイス。どちらもゴアCニットバッカーを採用する。

FOOD

  • 食糧袋 ドライバッグ(青15ℓ)
  • 朝食 リゾッタ 5日×2人 10袋
  • 昼食 山小屋メシか行動食 5日分
  • 夕食・主食 ディル イートライフ ドライフード3回分
  • 夕食・主食 アルファ米・2 回分
  • 夕食・おかず 5日×2人 10 袋
  • 生卵 6個
  • 野菜 5日分
  • サプリメント アミノ3500(アミノ酸補給)
  • サプリメント ペプチエイド(リカバリー用)

Pick Up

行動食

ナッツ、チョコレート、クッキー、どら焼きなど。手前はエネルギー補給のアミノ酸サプリで1日3~5袋摂取。オレンジのは水に溶かして飲むリカバリーサプリ。就寝前に飲んだ。

スモールツイスト

八ヶ岳のオーガニックレストラン「DILL eat,life.」が手作りするトレイルフード。熱湯を使って15分ほど戻すだけで、クスクスカレーやミートソースパスタなど専門店の味が楽しめる。

今回は現地調達もしたぞ!

南アルプスは源流イワナの宝庫。今回はロッドとルアーを携行し渓流魚を釣ってタンパク源にした。もちろん入漁料を払い、その日に食べる分以外はすべてリリース。野趣溢れる味を堪能させてもらいました。3枚におろして刺身を食べ、残りと皮は塩焼き、骨は素焼きにして骨酒です。イワナ万歳。

食べ頃は八~九寸(24~27㎝)の個体。内臓を取った後、後頭部にナイフで切れ目を入れ前歯でくわえて皮を引く。サバイバル登山家みたいだ。

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

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