1287回着られるウエア。フーディニとポーラテックがつくったもの
PEAKS 編集部
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フーディニが目指すのは「循環型」のビジネス。そのために必要なのは、機能性だけでなく、長く着られること。そして、最後はリサイクルできること。ポーラテックをパートナーに、持続可能なものづくりに取り組む。
文◎伊藤俊明 Text by Toshiaki Ito
写真◎熊原美恵 Photo by Yoshie Kumahara(製品)
出典◎フィールドライフ 2021年秋 No.73
企画協力◎エスシーティージャパン
TEL.03-5436-6380
www.challenge-21c.co.jp
製品に関する問い合わせ◎フルマークス
cs@full-marks.com
www.full-marks.com/houdini
循環する社会をプロダクトから見つめ直す。
「私たちは、2001年に “直線型“ から “循環型“ へとビジネスモデルを切り替えました。それは、すべてがゆっくりと動き、廃棄物のような無駄なものを出さずに別の資源に生まれ変わるという、自然のなかにある循環型サイクルを模倣したものです。資源や製品、知識や洞察力が流れるような生態系(エコシステム)です。それが実現することでみんながアイデアを共有し、前進できる。いまより進化できると考えています」
スウェーデンのブランド、フーディニ代表のエヴァ・カールソンは、ポーラテックが主催したサスティナビリティについてのパネルディスカッションで、自社が目指している「循環型(Circularity)」をこのように説明した。
循環型の実現に欠かせないのは、長く使える高品質な製品、そして素材を提供するサプライヤーや製品を扱うショップ、その先にいるユーザーとの親密な連携だ。
「どうしたらゴミを最小限に抑えられるのか。ペットボトルのようにみんなから愛され、リサイクルできて、最終的に害なく地球に戻すことができる製品をつくれるのか。製品をつくるときに、私たちは自分たちにこう問いかけます。“長く着てもくたびれないか”。“リペアやリユースができるか”。そしていちばん大切なのが “この製品に存在価値はあるのか”。優れたデザインの製品+適切な生産ボリューム+ライフスタイルの提案。この3つが合わさってこそサスティナブルな会社・ブランドになりうるし、循環型モデルを確立できると考えています」
優れた製品は、サプライヤーとの良好な関係なくしては生まれない。そのためにフーディニが選んだパートナーがポーラテックだ。
1993年、パタゴニアと共同でペットボトルをリサイクルしたフリースを開発した同社は現在、「ポーラテック・エコ・エンジニアリング」の名の下で、環境に配慮した企業活動に取り組んでいる。
製造から市場に届けるまでの、すべての行程をグリーンでサスティナブルなものにするというこの取り組みのなかで生まれたのが「パワーエア」だ。マイクロファイバーの流出を抑えることを目的に開発された。起毛されたフリースは毛が抜けやすい素材だが、パワーエアは、小さなカプセルに繊維を閉じ込めることでこの毛抜けを80%も軽減している。
フーディニはこのパワーエアを真っ先に採用し、「パワーエアフーディ」を開発した。さらに昨年、より軽量になったパワーエアライトを使い、「モノエアフーディ」をリリース。それだけでは足りないとばかりに「モノエアプロジェクト」を立ち上げ、できたばかりのこのウエアのさまざまな情報を公開した。
このときエヴァは、「アイデアを共有することがイノベーションを進化させる第一歩となり、さらにはテキスタイル産業を超えた変革の起爆剤になることを願っています」と語っている。モノエアフーディは、世界最大級のスポーツ・ファッション用品の見本市ISPOで金賞を受賞した。
フーディニはまた、地元スウェーデンでのリペアやレンタルのサービスを2012年からスタートさせている。店頭ではじまったレンタルのサービスは、現在はオンラインでも受付可能だ。さらに2018年にはサブスクリプションのパイロットプログラムを立ち上げて試験運用を開始している。
「リペアやレンタル、サブスクなどを開始したことで、現在は87%の製品が循環型モデルとなっており、2022年にはこれを100%にする予定です。そして、2030年には原料や物流面まで含めたすべてを循環型にしていきたいと考えています」
2019年にフーディニが行なった顧客調査によると、同社の製品は寿命までの間に平均1287回着用されているという。世界的に見たアパレル業界での平均は160回だそうだ。
フーディニ/モノエアフーディ
¥28,600
サイズ:XS~XXL
カラー:テラレッド、他4色
重量:580g(L)
- BRAND :
- フィールドライフ
- CREDIT :
-
企画協力◎エスシーティージャパン TEL.03-5436-6380 www.challenge-21c.co.jp
製品に関する問い合わせ◎フルマークス cs@full-marks.com www.full-marks.com/houdini
文◎伊藤俊明 Text by Toshiaki Ito
写真◎熊原美恵 Photo by Yoshie Kumahara(製品)
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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