ランニング用トゥルーワイヤレスイヤフォンで最良【Jaybird Vista】
- 2019年08月01日
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耳に装着して、驚いた。まるで耳に入れてるのを忘れるほど軽く、フィットする。Jaybird Vistaは音質も含め、私が経験したランニング用トゥルーワイヤレスイヤフォンでベストだ。
スポーツギアとして、着々と改良されている
実を言えば、私はトゥルーワイヤレスイヤフォンがあまり好きではない。唯一愛用しているのは、AppleのAirPodsだけだ。トゥルーワイヤレスは多くの場合、左右が繋がったタイプより、電波状況の悪化に弱く、片側だけ繋がらなくなったりして面倒なことになる。電池の持ちにおいても不利だし、満員電車で接触して片側だけ落っことしたら、途方に暮れることになる。
しかし、本日発表されたJaybird Vistaで印象が変わった。これは良い。
ご存じのように、Jaybirdは『スポーツギア』としてのイヤフォンを作るアメリカのメーカー。スポーツに音楽を加えることで、人々をエンパワーすることを目標としている。
私に、この製品について説明してくれたのは、アメリカ・ユタ州のJaybird本社からやってきたJaybirdのアスリート&パートナーシップマネージャーのジェフ・テイラー氏。フィットネスジムに教官のようなテイラー氏は、クライミングとキャニオリングでスポンサードされていたアスリートだという。
とても軽く感じるほど、フィット感がいい
先ほど『軽い』と書いたが、実は片側で6gという重量は、従来モデルのRun XTより1g軽くなっただけだ。しかし、装着感は半分になったと思えるほど軽い。おそらくフィット感の良さ、重心位置の改善などによる改善なのだろう。
あまりに軽く、走ろうが、飛ぼうが外れる気がしない。Jaybird Vistaを使って、これまでのトゥルーワイヤレスヘッドフォンに感じていた不安感は、『外れるのではないか?』という感覚だったことに気がついた。
もちろん、装着感には個人差があるとは思うが、少なくとも私にとってJaybird Vistaは汗だくになって走っても外れそうな気がしない初めてのトゥルワイヤレスイヤフォンだ。
IPX7対応の防水性能(水深1mに30分間水没しても内部に浸水しない)を持っているので、汗や雨はもちろん、走り終わったあとに軽く水洗いすることさえできる。
本体には、ウィングと一体になったイヤーチップが合計3種類付属する。ちょっと大きめを選んで使う方がフィットするように感じた。イヤーチップをしっかりと外耳にフィットさせるように装着するような感じだ。
接続性もいい。充電ケースを兼ねたケースを開いてボタンを長押しすればペアリングモードに入る。一度ペアリングすれば、あとはケースを開くだけで、AppleのAirPodsのように簡単にペアリングしてくれる。
ケースの充電はUSB-Cコネクター。製品にはUSB-A to USB-Cケーブルが付属するが、専用のケーブルというわけではないので、融通が効いて便利。
本体は満充電で6時間の連続使用が可能で、ケースには10時間分のバッテリーが入ってる。つまり両方合わせて16時間の連続使用が可能だ。片道1時間半の通勤なら月曜日から金曜日まで充電せずに使うことができる。
満充電にするには2時間ほどかかるそうだが、5分の充電で、1時間再生できるので、出かける直前に気がついても、その日に使う分ぐらいは充電できる。
また、たとえばランニング時の安全性に配慮するとか、Podcastなどステレオで聞く必要がないコンテンツのために片側ずつ使うための『シングルイヤフォンモード』を使えば32時間使い続けることもできる。
良好なデジタルデバイスとしての性能
Bluetooth 5.0に対応しており、接続性もいいし、音が切れたりすることも少ない。ペアリングなどもスムーズで使用感はとても快適だ。
ドライバーは同社最新型の6mmタイプを使っており、従来4つの部品を組み合わせて作っていた本体構造をひとつのパーツの削り出しから作ることで、よりしっかりした音を実現している。『スポーツ用イヤフォン』とはいえエクスキューズまったくなしで勝負できる表現力豊かな音だ。サイズからは信じられないほどの重低音、クリアな中高音の表現力を持つ。少し、低音のビートが強めなのもスポーツ向きにチューニングしてあるといえるだろう。
カラーはブラック、ニンバスグレー、ミネラルブルーの3色があるが、ブラックのみ8月8日発売。グレーは8月22日、ブルーは10月25日の予定となっている。
自分だけのイコライゼーションをセットできる
もうひとつ特徴的なのが、専用の『Jaybirdアプリ』によって、イコライジングを調整できること。また、このアプリから、本体のアップデートを行うこともできる。
なお、アプリから設定したイコライザーはJaybird Vistaに書き込まれるので、再調整しない限りはそのままのイコライザー設定になる。つまり、iPhoneで設定して、Apple Watchの音源を聞いたとしても、イコライザー設定は有効になるということだ。
さらに特徴的なのが『パーソナルEQ』という機能。
人はそれぞれ、違うカタチの耳を持ち、どの領域の音がどのように聞こえるかは人それぞれだ。それを平準化して調整するための機能。
パーソナルEQを立ち上げると、副低音から順番に高い音に向けて6段階にわけて、どのぐらいのボリュームにすれば聞こえるかを調整する(故に静かな場所でしか調整できない)。画面上のボリュームを上げて行って、音が聞こえたところで、止めるのだ。
この作業を6回繰り返すと、あなただけの『パーソナルEQ』が設定される。
私も設定してみたが、明らかに自分専用に設定すると、各音域のバランスが良くなり、良いサウンドで楽しむことができる。他のプリセットされたいくつかのイコライザー設定より、バランスの取れた音に聞こえる。おそらく私の聞こえる領域の偏りに対して、Jaybird Vistaの方が合わせてくれているといっていいだろう。
製品の説明を聞いたあと、ジェフ・テイラー氏、Jaybirdのスタッフのみなさん、そして川内兄弟をはじめとしたチームJaybirdのみなさんと、皇居の周りを走った。小雨降る中だが、実に楽しかった。
10%割引クーポンを提供いただいた
最後になったが、価格は2万3880円(税別)。
8月いっぱいは、こちらのクーポン『RUNVISTA10』で、Amazonで10%割引で購入することができる。詳しくはこちら(https://www.amazon.co.jp/b?node=7260829051&ref=RUNVISTA)。
また、8月8日から9月7日まで、JOGLISランニングステーション( https://www.joglis.jp/ )において製品が展示される、試聴もできるとのこと。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年8月号 Vol.94』)
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。