サーフィンスキルアップのための陸トレ・筋トレ
FUNQ NALU 編集部
- 2017年06月16日
INDEX
サーフィンやるのが最強のトレーニングとはいえ不足している身体能力は常日頃から鍛えておこう
波にあわせボードを滑らせりゃいいから、そのコツさえわかれば簡単!……って、そこまでは甘くないのがサーフィン。実際、海に入り、沖へパドリングしただけで、その運動量の多さを実感するはずだ。しかも、サーフィンで使われる筋肉は、普段あまり使わないような部位だったりするからたちが悪い。サーフィンを始めるにあたって陸トレで体力強化も同時にスタートしておこう。
サーフィンをやっていれば、当然、使われる筋力部位は否応なしに鍛えられていく。しかし、不足している部分は意識的に鍛え、常に力が発揮できるようにしておくのがやはり、サーフィン上達への早道となる。
では、サーフィンが上達するために日頃から鍛えておきたい部分とはどこか? ズバリ、バランス能力にかかわる体幹部分と、パドリング能力にかかわる上半身だ。バランス能力をつきつめれば、足首、ひざ、骨盤といった関節部分の連動作用がポイントながら、それらを敏感にかつ安定した機能をもたらすためには、体の軸となる体幹(コア)部分がしっかりとしていることが不可欠と言える。また、パドリング能力は、実際に海に入っていれば上半身の筋力はそれなりにつくとはいえ、肩や肩甲骨の柔軟性、背筋部位の筋力を意識的に鍛えておくことがサーフィン上達につながっていくのだ。
身体バランスアップの陸トレ
サーフィンのライディングをイメージしながらバランス強化していこう。重心変化に対応できる能力と瞬発的な動きを鍛える下半身強化のトレーニングを紹介する。
※カッコ内は1セットのトレーニング回数・目安運動量。それを2 〜3セット行う。
1. 体を捻りながら行うフロントランジ
動作の安定性を高めるための必須は足腰の筋力強化。前足を踏み出し、腰を下げた状態から上半身を外側(膝を曲げた側)に捻る連続動作を繰り返す。サーフィンのターンをイメージして体を動かすことがポイント。また、体を捻った状態でも骨盤の角度は常に水平に保つこと。(左右方向10回ずつ)
2. 角材を使ってバランストレーニング
厚さ10センチほどの角材や木片を使ってのバランストレーニング。角材の1辺を指先で掴みながら持ち上げ、そのまま地面についた1辺でバランスを維持する。(飽きるまで)
3. 回し蹴りで片脚バランスのトレーニング
片脚を持ち上げた不安定な状態でどれだけ一本足立ちをしていられるか。回し蹴りの要領で、後方より大きく膝を回すことで意識的にバランスが崩れるようにする。(飽きるまで)
4. 公園のベンチでジャンプトレーニング
公園のベンチや高さ30cm程度の台を見つけてジャンプアップ。ベンチの上に完全に飛び乗るのではなく、エッジ部分に着地し、重心の不安定な状態を維持しながら、横方向に体を捻って着地する。力を抜いて身軽にジャンプアップ&オフを繰り返す。(飽きるまで)
電車やバスでも重心バランス練習
揺れに反応してとっさに体のバランス維持できるか意識することもバランス能力向上に役に立つ。膝の屈伸を利用して、体の重心を下げるように意識しよう。
パドル・バランスアップの陸トレ
パドリングの姿勢が維持できる強靭な胴体を強化。腰、骨盤の安定性を高め、背筋力を鍛える床に寝そべって行うトレーニング。
1. 上体起こしと脚上げで腹筋トレーニング
上体起こしは腹筋上部、脚上げは腹筋下部が鍛えられるが、その両方を一緒に行う。上体と脚を同時に持ち上げ、両腕をつま先方向へ伸ばし、体でV字を描くようにする。(10回)
2. 骨盤の傾斜をリセットさせる体幹トレーニング
腰痛予防にもなるパドリングに重要な脊柱起立筋の強化とともに、骨盤の動きを自然なものに馴染ませる効果がある。四つん這いになり、ゆっくりとした動作で、腕と脚を対角線上に伸ばして5秒ほど静止する。次にお腹の下に引き寄せ、肘と膝をつける。(左右5回ずつ)
パドリング姿勢を安定させる背筋トレーニング
うつ伏せのポーズから両肘と両膝をもち上げるようにしてエビ反りのように体を反らす。反動をつけないこと。パドリングをイメージしながら、ゆっくりと繰り返す。(20回)
パドル・パワーアップの陸トレ
パドリング推進力を高めるために肩周辺部位をやわらかく。肩周辺と肩甲骨の柔軟性とスムースな動きを作るパドル・トレーニング。
1. 寝そべった姿勢で肩甲骨トレーニング
パドリングですぐに疲れる原因のひとつである肩甲骨の動き。それを鍛える動きを実際にパドリングの姿勢で行う。前方に伸ばした両腕をゆっくりと肘を曲げていく。上体は反らしたまま、肩甲骨が引き寄せられている動きを意識すること。(10回)
2. 肩の動きを強化し、柔軟性を高める
パドリング力を高めるために、肩関節周辺にある細かなインナー筋肉を鍛えておく必要がある。サーフィン前のウォームアップとしても有効。手の平の向きをイラストの要領で動かしながら、上に伸ばした腕を肘を曲げてサイドへ、サイドから前へと動かし、それを繰り返す。(30回)
3. テイクオフのイメージトレーニングも役に立つ
ボードに腹這いになった状態から一気に立ち上がる動きは、全身のバネを強化する意味からも日頃からやっておこう。動作を素早く、瞬発的に繰り返すことがポイント。
泳力はないよりは、あった方がいいに決まってる
もしものときの避難方法ということにもなるが、泳げなければ安心してサーフィンを楽しむことができないはずだ。水泳選手のようなスピードはなくても、長い距離を慌てずに泳げるだけの泳力と自信だけはつけておこう。
サーフィン前には、波をチェックしながらウォームアップしよう
陸トレで、サーフィンに必要なフィジカル能力を高めておくことも有意義ながら、サーフィン前の準備運動というのも忘れずに実施しておきたい。目的は、怪我を予備することだが、別な捉え方をすれば、体のパフォーマンスレベルを日常生活からサーフィンのものに切り替えるスイッチの役割を果たすとも言える。筋肉をストレッチで伸ばすとともにジャンプ運動やジョグなどで筋温を高めることで、スムーズな体の動きが生まれ、怪我も防ぐことができる。海に着いて、はやく海に入りたいハヤル気持ちを抑え、まずは、波のコンディションを確認しながらウォームアップしよう。
SHARE
PROFILE
FUNQ NALU 編集部
テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。
テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。