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【ロングボーダーズ・ムーブメント】HAWAIIAN NOSERIDING CLASSIC

今、世界のロングボードシーンで同時多発的にあらゆるムーブメントが巻き起こっている。仮にロングボードのスタイルを大きく2分するならば、クラシックとプログレッシブ……いや、はたしてそんな簡単な括りで片付けられるのだろうか? もはやロング乗り達の想像力と行動力は次なる段階へと突き進み、波に乗るというサーフィンの本質を同志らと共に昇華させる域にきている。ロングボーディングならではのスタイルを魅せ合うのか、同じ土俵で戦うことの少なかった2大勢力の競演なのか、ある技にのみこだわり続けるのか、それとも、ボードのスタイルにこだわるのか……。いずれにせよ、それらは視野を広く、もっと大きな世界でロングボードのすばらしさを捉えようというムーブメントに他ならない。そして華麗に波間をダンスするというロングボーディングらしさは不変だ。おそらくはそのアプローチの部分にそれぞれの個性が内包されている。

これらを読み解くカギとして、今回の我々は“コンテスト”に注目した。真のサーファーであればサーフィンを一つのスポーツという括りで片付けることにはいささか違和感を感じずにいられないわけだが、単に滑った転んだでどっちが勝った負けたということを言いたいわけではない。トッププロから一般サーファーのローカルコンテストまで、独自の解釈でロングボーディングを突き詰めようとする彼らのカルチャーは、まさしく今世界で起こる同時多発的ムーブメントの一つなのである。つまるところ、それぞれに明確な答えを見出すことはおそらく難しいだろう。しかし、これから紹介する国内外で昇華された“コンテスト”というカルチャーを読み解いていくと、その先に世界のロングボーダー達の突き進むムーブメントの一端が見えてくるに違いない。

今回紹介するのは、2019年7月29・30日の2日間に渡りハワイ・ワイキキビーチのクイーンズにて行われた「HAWAIIAN NOSERIDING CLASSIC」。SURF GARAGEの主催としては3回目の大会となる。トッププロも一般サーファーも一緒になってクイーンズの極上波をシェアしたこのイベントを、プロサーファー瀬尾亮一のレポートでお届けしよう。
◎出典: NALU(ナルー)no.114_2019年10月号

▲参加人数は約180名。過去の優勝者にはベン・アイパ、ジョイ・カベール、アイヴァン・ハラダ、ノア・シマブクロ、マイキー・ゴードン、ランス・ホカノ、カイ・サラス、キーガン・エドワード、ケリア・モニーツ、ジョイ・マゲルソン、フリッツ・ベルモロ、ジェイソン・シバタ、ジョニー・ザ・リッパー、カニエラ・スチュワートなど錚々たるメンバーのハワイで最も歴史あるノーズライディングコンテスト。大会ロゴにはSURF GARAGEと関係の深いヘザー・ブラウンの書き下ろしを採用

サーフィンをこよなく愛し、心から楽しむ

「ハワイアン・ノーズライディング・クラシック」に参加させてもらうきっかけは、ハワイでサーフガレージのオーナー、トオルさんに声を掛けていただいたのがキッカケであった。

「クイーンズの貸切波でロコ相手に力試ししてみないか? ただし、サイドフィンは禁止だぞ……」

そうトオルさんは笑った。私自身、「ハワイアン・ノーズライディング・クラシック」という歴史ある大会に呼んでもらえるとは想像もしていなかったので、興奮のあまりその日は朝まで寝付けなかった。日本に帰国し、さっそく声をかけたのが浜瀬海であった。大会の詳細を伝えたところ、ぜひ参加してみたいとのこと。そして、今回のトリップが決定した。

▲「HAWAIIAN NOSERIDING CLASSIC」とは、6人1組で行うチーム戦と、プロのみで戦うプロ戦、さらにグラインダー戦がある。今回、日本からはチーム戦とプロ戦にJPSAで2017,18年と2年連続グランドチャンピオンに輝き、今年は世界戦を中心に活動範囲を広げ始めている浜瀬海と瀬尾亮一の2名がエントリーした

浜瀬海とは、昨年末にマレーシアでのコンテストに参加して以来、私にとってサーフィンの先生でもあり、友人でもある。ただハワイのどこのポイントに行っても“お前達は親子なのか?”と聞かれるたびに20歳以上も離れている事を痛感せざるを得なかった。

ファイナリストの全員が会場を沸かせる素晴らしいライディングを披露

そして当日、4~7ftほどの極上のコンディションの中、コンテストはスタートした。この大会の素晴らしいところは、普段は混雑を極めるワイキキのメインブレイクであるクイーンズを貸し切り、2日間に渡り皆で平等に2回ずつ、思い切りライディングができる事だ。

チーム戦は6人1組で、ノーズライディングをしている2日間の合計タイムで勝敗が決まる。チーム戦の参加者の中には、JPSAでファイナル常連の喜納元輝(きのうげんき)やSurf relikでも活躍中のネルソン・アヒナ3世など豪華メンバーの姿もあり、それだけでも興奮するほどだ。

▲ルールはノーズの先端から、チーム戦は24インチ(約60cm)、プロ戦は12インチ(30cm)の部分のワックスをしっかり落とし、ピンク、グリーンと目立つテープを貼る。そのテープを貼った場所内でノーズライディングをしている時間の合計を争う競技だ。おわかりの通り、プロ戦では約30cmの中でノーズライディングをするので必然的にハングテンしか加点の対象にならない。サイドフィンの装着と、ライディング中に海面に手を着ける事は禁止される

プロ戦では2日間のノーズライティングの合計タイム、上位6名がファイナルに進む事ができる。そうそうたるメンバーの中、浜瀬海がファイナルまで進み、5位入賞を果たした。圧巻だったのは、僅差で優勝したカニエラ・スチュアートと2位カイ・サラスとのデットヒート。ファイナリストの全員が会場を沸かせる素晴らしいライディングを披露している中、カニエラ、カイの両者はオーバーヘッドのセットをハングファイブ、ハングテンで抜け、カットバックを繰り返しながらライト、レフトにノーズライディングを繰り返した。インサイドまで余すところなく波を乗り継ぐと、ビーチに詰め掛けていた観客達からは大きな歓声が沸き起っていた。

▲ローカルヒーローのオールラウンダー、カイ・サラス。フロー感たっぷりのノーズを決める

▲美しきワヒネ、ジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタインはしなやかに走り抜ける

▲2X JPSAロングボード・グランドチャンピオン浜瀬 海もローカルをうならせた

ロガー達の新たなムーブメントの一端を表現していると強く感じた

「ハワイアン・ノーズライディング・クラシック」という歴史あるコンテストを通して、私はハワイに根付いている本物のサーフカルチャーを、初めて肌で感じることが出来たような気がしている。ふと、サーフガレージのトオルさんの言葉が頭をよぎる。

“もっとたくさんの日本の方々にこの大会を知ってもらいたい”

そう、この大会を通じて勝負の勝ち負け以上の大切な事を学ばせてもらった。サーフィンをこよなく愛し、心から楽しむことが何よりも大切。私はトオルさんの言葉をそう理解している。真面目に取り組むあまりに、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれたようだ。来年はJPSAの精鋭達に声をかけ、チームジャパンとして参加させてもらう予定だ。そしてまた、この大会でさまざまな事を学ばせてもらえるのを楽しみにしている。

今、世界で多様なロングボードの大会が行われている中、このイベントがただの大会ではなくて、ロガー達の新たなムーブメントの一端を表現したものだと、この旅で私は強く感じる事が出来た。

出典

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FUNQ NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

FUNQ NALU 編集部の記事一覧

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