天覧山~日和田山 登山ルート「奥武蔵を代表する低山を縦走する」
PEAKS 編集部
- 2019年10月08日
INDEX
埼玉県飯能市にある天覧山(てんらんざん)は、標高195mとそれほど高くなく、都心からのアクセスも良いため人気の山だ。天覧山から日和田山(ひわだやま)、物見山と3つの山の縦走を楽しめるルートは、都心からの日帰り登山にぴったり。今回は飯能駅からスタートする縦走ルートを紹介する。
ルート概要
飯能駅→天覧山→高麗峠→鹿台橋→日和田山→物見山→高麗駅
歩行時間
4時間15分
日程
日帰り
技術
★☆☆☆☆
体力
★☆☆☆☆
レベル
初級
天覧山 登山ルートへのアクセス
公共交通機関
池袋駅から西武池袋線急行に乗り飯能駅で下車。西武新宿線沿線からは所沢駅で乗り換え。JR中央線沿線からアプローチする場合は、国分寺駅から西武国分寺線と新宿線を東村山駅で乗り継ぎ、さらに所沢駅で乗り換え。
また、JR八高線が便利なら、東飯能駅で西武池袋線に乗り換えて飯能駅へ。池袋駅〜飯能駅50分。
車
縦走ルートのためマイカー向きではない。飯能駅周辺の駐車場を利用することも可能だが、休日には混雑することも。
天覧山 ルートプラン
歩行距離:12km
登山口:飯能駅
下山口:高麗駅
高低差:300m
低山だが縦走気分が味わえる山域として人気がある。とくに首都圏からのアクセスがよく休日には混雑することも。大きく分けると天覧山から巾着田(きんちゃくだ)まではハイキング感覚で歩くことができ、初めて山に登る人は巾着田から高麗駅に抜けて帰路につくのもいいだろう。日和田山から物見山にかけては「山登りをしている」という実感が味わえるはず。天覧山と日和田山〜物見山では歩いている人の雰囲気が若干違うように思われる。
飯能駅
↓50分
天覧山
↓50分
高麗峠
↓25分
鹿台橋
↓35分
日和田山
↓45分
物見山
↓50分
高麗駅
天覧山 登山ルートの詳細ガイド
まずは天覧山まで足慣らし
にぎやかな飯能駅前の商店街を北に向かって歩く。やがて西武線の踏切に。その手前を左折し、飯能第一小学校に突き当ったら、右手へ回り込む。そのまま道なりに歩き、能仁寺、天覧山の標識に従う。
能仁寺入口を右へ。広場を抜けて十六羅漢像を目指す。岩壁に刻まれた羅漢像をすぎ、岩の階段を登ると天覧山山頂に到着。あっけないほどだが、明治天皇が兵の演習を総覧したことからこの名で呼ばれるだけあって、広々とした眺めは一見の価値がある。
ひと休みのあと、高麗(こま)峠へ向かう。整備された道を下り、車道に出たら左へ。西武線の線路をくぐり、中山西の信号で車道を渡って、高麗峠の道標に導かれるようにして山道に入る。すぐに左へ登り、木々の間を進もう。ほほえみの丘をすぎれば高麗峠はすぐ。ひと下りで広々とした巾着田へ。
日和田山手前では先行者を参考に
彼岸花で知られる巾着田を斜めに横切って、高麗本郷の信号で車道を渡り、日和田山の登山道に取り付く。少し勾配はきついが、道は整備されていて、わずかな時間でクリアできるので、がんばろう。鳥居をくぐるといったん勾配は落ち着きますが、水場をすぎると再び勾配がきつくなる。岩に刻まれた足がかりをたどって登る箇所もある。
先行者のルートをよく観察しておくことを忘れないように。とくに雨上がりなど滑りやすい条件の場合は慎重に進もう。わずかな距離なので、落ち着いて行動すれば心配はないはず。登りきれば、鳥居の前に出ます。広場を通りすぎた先が、特徴的な塔が立つ日和田山山頂。眺めは東側が開けているだけで、ベンチは数台しかないので、混雑時は譲り合おう。
日和田山から岩混じりの道を下りる。普段より歩幅を狭くして下るとグッド。高指山の道標に従えば、舗装路に出て、山頂に立つ鉄塔の脇を通り抜ける。ほどなく左手に休憩所が見えてくる。
この先に物見山への分岐点があり、木々の間に延びる未舗装の山道を登っていく。ひとしきり登れば、静寂に包まれた山頂に到着。木々に囲まれた山頂で眺めは期待できないが、のんびりとした時間をすごせるだろう。また、ここからわずかに先へ進んだところに三角点もある。
先ほどの分岐点まで戻り、往路でその上を歩いた陸橋をくぐる。展望はないものの、交通量は多くない林道をゆるやかに下っていけば、民家の間を歩くようになる。高麗駅の道標に従って鹿台橋を渡れば、ゴールの高麗駅はもう目と鼻の先。
天覧山 登山カレンダー(該当月の1日)
天覧山 山データ
<p<山名と標高:天覧山(てんらんざん)195m
日和田山(ひわだやま)305m
登山適期:3月〜6月、9月〜12月
営業小屋:なし
避難小屋:なし
水場:日和田山手前
トイレ:天覧山、巾着田、日和田山
ビューポイント:天覧山、日和田山
登山を楽しむ皆さんへ
天覧山から巾着田までならスニーカー程度の軽装備で歩けるが、日和田山や物見山は完全な山装備でないと危険。日和田山山頂前後に岩場やザレ気味の登山道があるからだ。また、急登箇所や急降下の登山道も存在する。物見山手前の道も通常の登山道なので、登山靴や山用のバックパックは必需品。
物見山から下って林道清流線に入るときは、道標に従おう。このときに日和田山から歩いてきた林道をくぐる。林道清流線は完全舗装されて歩きやすいルート。道なりに下ると民家がポツポツと現れます。高麗駅への道標に従って進もう。
登山をするにあたって
標高がそれほど高くない山だからといって油断していると、とんでもないしっぺ返しを食らうこともしばしば……。ここに記載している所要時間はあくまでも目安なので余裕をもって計画は立てよう。また、天候や自分の体調によっては、中止することも検討してほしい。山はいつまでもそこで待っていてくれる。どんなにその山が低くても、謙虚に向き合うことで、山はあなたを優しく迎え入れてくれるだろう。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。