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パパでも自由に山に行きたい!家族との両立の仕方とは?

休みの日にフラッと山へ。そんな何気ないことも、「でも、家族がいるからな……」という悩みを持つ父親は少なくないはず。さまざまな家庭環境を持つ山好きパパ会を開き、山登りと家族とのバランスの取り方を自由に語ってもらった。

父だけど自由に遊びに行きたい! 山を愛する4人の父親たち

「山」と「家族」のバランスは、家庭を持つ父親でもある山好きたちがいつも頭を悩ませる問題だ。休日を山でばかり過ごしていては家族は不満を募らせるし、家族サービスばかりしていても焦燥感に駆られる日々。

今回はそんな永遠のジレンマを抱える4人の父親に集まっていただき、フィールドで遊ぶことが好きな自分と父親である自分をどう両立しているのか、ざっくばらんに語り合ってもらった。同じような悩みやジレンマを抱える父親たちの、なにかしらの参考になれば幸いである。

メンバー

大堀啓太

「ファイントラック」広報部主任。5歳の娘と年上の奥様の3人家族。トレイルランやMTB、釣りを楽しむ。最近、娘があまりアウトドア好きではないことが判明して意気消沈。

吉野時男

アウトドアショップ「ヨシキ&P2」N.M.D.事業部部長。中1男子と奥様の3人家族。年間130日山に入る。子どもの親離れで奥様のストレスが自分に向かないか戦々恐々。

篠田寛徳

本業はトマト農家。山岳映像制作が趣味で、山小屋の手伝いもする。14歳の長男を筆頭に3人兄弟のいる5人家族。毎年農作業の繁忙期が終わると山ごもりが始まる。

佐藤拓郎

「フルマークス原宿店」店長。3歳の娘と奥様の3人家族。春から秋はトレイルランやトライアスロンの大会に参加、冬は雪山でスノーボード三昧。車はないが自転車は3台!

お土産より事前のプレゼント

――今日はお集まりいただき、ありがとうございます。まずはみなさんがご自身のなかで山や自然が好きな自分と、子を持つ父親である自分とのバランスをどう取りつつ、山や自然のなかで遊んでいるかお聞かせください。

大堀:僕はファイントラックというアウトドアメーカーで働いていて、5歳の娘がひとりいます。うちは嫁がカメラマンで週末に仕事が入ることもあるので、土日は自分が娘を見ていることも多いです。なので、なかなか自由には山に行けていないんですけど、嫁も理解してくれているので早起きして山に行って走ったりMTBに乗ったりして、昼ごろに帰るというのをよくやっています。

大堀さんのメインのアクティビティはイワナと戯れる沢登り。

――お子さんを連れて山に行くことは?

大堀:高尾山とかには連れていきましたけど、娘はアウトドア自体が好きじゃなさそうだということが最近わかってきて、それなら無理に連れていかなくてもいいかなって。でも、キャンプはよく行きますね。嫁のお父さんもキャンプ好きなので、いっしょに行って僕だけちょっと山を走ったり、釣りをしたり。

うちの会社は夏休みなどの長期休暇が10日間あったりと長いので、半分は家族とキャンプ、半分は自分の時間というようにして、まあ4〜5日くらいまとめて山に入ったりできる長期山行は唯一このタイミングという感じですね。逆にうちの会社は「遊び手が創り手」と言っているくらいなので、長期休みも家族とずっといっしょというわけには(笑)。

家族とよく行くキャンプにて。仕事や子育ての合間を縫ってひとりで日帰りでトレイルランやMTBに出かけることも(大堀さん)。

吉野:僕は習志野のヨシキ&P2というアウトドアショップに勤めていて、中学1年生の息子がひとりいます。うちの場合は僕よりもカミさんが外に出るのが好きなので、僕が外に出ることへの不満よりも、自分が行けない不満のほうが強いですね。

僕は平日休みが多くて、カミさんは小学校の先生で子どもと休みが合うので、時間が空いたらふたりで勝手に出かけています。なので、家族に気を使いながら外へ遊びに行くということを、僕はあまりしていないです(笑)。

そもそもいっしょに行けないのが前提だし、行けないことに対してのカミさんからの不満もないし、僕もカミさんが行くことの不満はないので、そこはおたがいに好きなことをしてます。

――それはある意味、羨ましい環境ですね。

吉野:ただ、やっぱりカミさんが山に行けない期間が長ければ長いほどストレスも溜まるので、そういうときに僕だけ行くときは、行く前にあらかじめ買っておいたちょっとしたプレゼントを渡しています。行ってから悶々とされてお土産買ってきても、遅いんですよね(笑)。

――なるほど、お土産よりプレゼントか。いいこと聞きました(笑)。

吉野:僕もカミさんもありとあらゆることをやっているので、子どももクライミングやスキー、MTB、カヌーもやっていますし、この間はアイスクライミングにいっしょに行きました。でも、それって全部カミさんがやりたいことなんです。長期休暇で家族でどこか行くなら、まずカミさんに希望を聞きます(笑)。

そういう状況が子どこが0歳のころからずーっと続いているので、たぶん世にいう旦那がカミさんの顔色伺って出ていくっていうのとは、ちょっとズレているかもしれないなとは思います。

――そうですね(笑)。

吉野:いま仕事とプライベートを合わせて年間120〜130日は山に行くので、カミさんにも「明日の休みはなにする?」じゃなくて「どこ行くの?」って聞かれます。むしろ「今週は行かない」っていうと驚かれる(笑)。

佐藤:吉野さんに比べたら、うちは一般的な家庭ですね(笑)。僕はアウトドアショップに勤務していて、もうすぐ4歳になる女の子がいます。奥さんはアウトドアをまったくやらないですけど、こういう仕事なんで、ある程度の理解は普通の家庭よりはあるのかな?

僕も基本的に土日は仕事なので、子どもを山に連れ出すなら僕が連れていく感じですね。あと、ショップで月1回くらいお客さんをアテンドして遊びにいくんですが、そこで山に行けるのは自分のなかでは大きいです。でも、それは自分が本当にやりたいことともまた違うので、それも行きたいなとは常に思っていますけど。

――そういうときはどうしていますか?

佐藤:他のご家庭もそうだとは思いますけど、事前の休みの日に僕が子どもの面倒を見て奥さんの時間を作ってあげるとか。でも、トレランとかトライアスロンの大会に出るときはいろいろ言われますね(笑)。

だから「旅行を兼ねて大会に行かない?」って提案を最近はしています。大会の間は僕はそこに集中しますけど、その前後は向こうの両親も含めて行って楽しんでもらったり。

――たしかに大会の前後にホテルとかペンションに家族と泊まってリゾート気分を味わってもらうのはよいかも。

篠田さんは農業の繁忙期が終わるとカメラを抱えて山に入る。3週間北アルプスを歩き回った際の涸沢にて。

篠田:私は農家をやっていまして、うちはカミさんが専業主婦で、子どもは長男が14歳、次男が11歳、三男が8歳です。ウチもカミさんがアウトドアにまったく興味がないんですけど「どうぞ行ってらっしゃい」という感じで、よく山仲間からは「菩薩のような奥さんだね」と言われています(笑)。

仕事は忙しい時期が春から7月いっぱいで、以降はグッとラクになるんですよ。だから毎年8月から10月にかけて集中的に、一度の旅で3週間くらい山に籠ることもあります。

――それは奥様はなにも言わない?

篠田:忙しい時期は何十日も連続で睡眠時間もなく働いていているのを知っているし、ちゃんと稼ぎも入れているので、そこはまあOKです。ただ、3〜4年前まではソロで行くことがほとんどで山は平日に行けばいいや、だったんですけど、それから仲間がわーっと増えてしまって、みなさん土日休みなんですよね。これは困ったなと。なんで、ここ数年はご機嫌取りをうまいタイミングで差し込むのに慣れてきました(笑)。

――お子さんとも山には行かれますか?

篠田:小さいころはみんな連れていっていたんですけど、長男は中学から部活が始まって土日も忙しくて。いまは次男と三男を千葉の鋸山とか簡単に登れる山に連れていって、「山もいいでしょ」ってじわーっと伝えようとしているけど、なかなか伝わらないです。

もうひとり子どもを?

家族で行った千葉県の鋸山。山登りプラスアルファ、ということで巨大な石切り場も見学(篠田さん)。

――理想と現実ってあると思うんですけど、みなさん本当はもっとこうしたいと思うことってありますか?

大堀:そりゃもっと山に行けたらいいですけどね(笑)。独身時代に比べたら山に入る時間が半分以下になっていると思います。反面、最近は娘と遊ぶのがすごくおもしろいんで、そっちの時間も大切にしたいという気持ちも強くあります。そういう葛藤はありますね。山に行きたいけど娘とも遊びたいし、嫁さんのひとりの時間も大切にしなくちゃいけない(笑)。なかなか難しいですね。

――難しいですよね〜。

大堀:どうしても山に行く時間が削られてしまう(笑)。

――でもまあ、どこを削るかと言われたら、大人の真っ当な答えとしては山に行く時間ですよね(笑)。

大堀:それはそうですね。いまが唯一「パパ遊んで?」って寄ってきてくれる時期なのかなって。

――ひとくちに子どもっていっても、年代によって全然違いますからね。うちは8歳の男の子と3歳の女の子ですが、8歳になるとだいぶラクなんで、上の子だけならもう子育てが半分くらい終わったような気になっていたかもしれないです。

篠田:そうですよね。うちは上が14歳なんで、自立していってしまって寂しいくらいですよ。

――だから下の子もいてよかったと最近実感しています(笑)。

大堀:うちはひとりなんで、もうひとりとか考えたりもしますけど。でも、最近は子どもが2〜3歳のころよりは山に行く時間が作れるようになってきたので、もうひとりというと、またそこが削られるのかと(笑)。

――そうですよね。いまと同じような生活をあと5〜6年続けるのか……。

大堀:考えちゃうとこもありますね。でも、娘は僕と山に行ってくれなさそうなんで、もうひとりいたらいっしょに行ってくれるかも(笑)。

篠田:逆に敵が増えるかもしれないですよ。3対1になるかも(笑)。

自分が楽しいと思うことをいっしょにしたい

吉野:僕らの場合は息子がもう中1で、そうすると自分たちの社会がある程度できているんですよね。そことのバランスがちょっとずつ難しくなってきたなって気がしています。カミさんはひとりでも遊びに行くし仲間とも行くけど、いちばんは息子と行きたいんですね。僕はたぶん3番目か4番目くらい(笑)。でも息子はどんどん手が離れていって。

――もう親離れ子離れの時期なんですね。

吉野:息子が友達と遊びに行くからっていうと、カミさんが落ち込むんじゃなくてイライラするんですよ。そのイライラを息子でなくこっちに向けてくる(笑)。

篠田:ウチの長男は中1と中2の間の春休みに友達のコミュニティが確立されて、ぐっと離れましたね。もうすぐですよ。もはや長男は友達と遊んだり部活ばかりで、ほとんど関わらないですね。

――まあ我が身を振り返ったってそうだったわけですからね。

篠田:たしかに。でも、うちの子どもはみんなあまり山好きにはならなかったですね。

――まあ、そんなもんですよね。逆に吉野さんのお子さんが好きになったのが意外。秘訣はあったんですか?

吉野:うちの子どもも山やアウトドアが「好き」というよりは、「嫌いじゃない」という感覚だと思います。どこか旅行に出かけて、その流れのなかにアウトドアがあるっていうか。

僕も親に連れられてどこかへ行くのが、そういうものだから行っていたという感じで、好きでも嫌いでもなかった。ただ人になって自分でもやるようになると最初から知っているってことが多くて、そういう体験がすごくありがたいなって思えたんです。だから僕も「好きになってもらおう」というよりも、そういう活動をいっしょにできていればいいのかなって。

篠田:山仲間のパパたちとよく言っているのは、「仕組まれてもいいから成功体験」。子どもがいい思い出ができるのがベストなんで、いろいろお膳立てして無理やり成功体験に導くんですけど、その仕組みを作ることであーだこーだと話しています(笑)。

――吉野さんはお父さんにも同じように育てられました?

吉野:そうですね。父がうちの店を立ち上げて、僕はその息子なんで、基本的に父は週末は仕事で、たまの休みのときに山に連れていかれるっていうのはまったくいっしょですね。唐松岳とか槍ヶ岳に連れていかれたり。

いま思うとよく連れていってくれたなって思いますが、当時はぶっちゃけどこの山に行こうが違いがよくわからなかった(笑)。でも、息子にもなんでも体験してもらいたいです。

――息子さんにとったらやろうと思えばなんでもできる環境ですもんね。

吉野:道具はカヤックからスキーまで、なんでもありますからね。

――しかも詳しい人も目の前にいるし。でもそれでもやりたいと思ってくれるかどうかはわからない。

吉野:そうですね。好きになるかどうかは本人次第なんで、好きになったらやればいいし。別に他のことを好きになってやってくれても別にいいし。自分たちがやって楽しいと思っていることをいっしょにできたら僕らも楽しいっていうだけで。それだけでやっているような感じですね。

ゼロにしないことが大事

吉野さんは夏山からスキーまで遊びのジャンルを問わずに家族で楽しんでいる。写真は八海山スキー場で2018年12月31日に撮影したもの。「雪の降ったあとのパウダーを3人ともテレマークスキーで楽しみました!」

――山にはお金と時間がかかると思うんですけど、どちらの捻出が難しいですか?

吉野:やっているアクティビティの幅が広いので、僕はお金のほうかも(笑)。ロープだけでも7本持っていますけど、毎年どれかはダメになっちゃうんで買い足すし、アイスクライミングやスキーのウエアもすぐにボロボロになっていくのでよく裏から穴をダクトテープで塞いでいます(笑)。僕はお店にいるんで一般の方よりは買いやすい環境ではあるんですけれど、ただ買う量もハンパないので。

――家計におけるアウトドア道具費の比率が高すぎる。

吉野:そうですね。山へ行けば行くほど道具は消耗するし、行くにもお金がかかりますからね。できるだけお金をかけないで行く算段に常に頭を悩ましています。そのためには仲間を増やして乗り合いで行くとか。単純なことですけど。

なので平日の仲間を増やして、自分と同じくらいのスキルを持って遊べる人たちと幅広くお付き合いしたいなと思って、できるだけいろんな場所に行って、いろんな人と会っています。

大堀:たしかに交通費はかかりますね。僕はソロが好きなんですけど、東北のほうに行ったりすると、もうそれだけで小遣いが飛ぶ(笑)。だから僕も仲間を増やして交通費を浮かそうと考え始めたところです。

篠田:私も3週間くらいがっつり山に入るというのは、何回も通うとお金がかかるというのもあります。テントさえ背負っていればいつまでもいられるので、交通費一回分で済む(笑)。

――佐藤さんと吉野さんはお店に勤めているなかで、お客さんで結婚したりお子さんができたりして山に行けなくなるという話は聞きますか?

吉野:やっぱり子どもができると行けなくなる人が多いですね。それで間が開いちゃって重い腰が上がらなくなるというのはよく聞きます。休んでいるうちに仲間とも疎遠になっちゃうし。逆に結婚もしてなくて子どももいないっていう人はどんどん周りに人が集まって来て……。

佐藤:そういう方こそはまっていきますよね(笑)。

吉野:もうそれは男性も女性も多いですよ。

佐藤:家庭がある人も山とのつながりをゼロにしないことが僕は大事だと思っていて、お客さんにも少しずつでいいのでやり続けてほしいってよく言っています。ゼロにしなければ、仲間との関係も続いていくじゃないですか。

吉野:でも、いまってSNSとかで連絡はつけやすいんで、いざ始めようというときに、仲間はできやすいんじゃないかな。まあ知らない人と行ける精神的な強さは必要かもしれないけれど、いまはそんなふうに仲間を見つけている人は多いと思います。

「お父さんって楽しそう」と思われたい

家族はアウトドアをしないので、山遊びはいつも仲間と行ったり仕事で行ったり。レース参加のほか、冬場は白馬やニセコ、残雪期の北アルプスなどでスノーボードを楽しんでいる(佐藤さん)

――いろいろ語ってきましたけれど、ともあれ人生の長さからしたら小さい子どもがいる時間なんて一瞬ですよね。

大堀:僕がそう思いだしたのは最近ですね。3歳くらいまでは「俺、どうしてこんなに山行けないのかなって」思っていたけど、最近は子どもを大事にしようって(笑)。

佐藤:僕も子どもがもっと小さいころは早く自立してほしいって思っていたんですけど、でも最近、娘に「パパ遊んで」なんて言われるとかわいくて(笑)。

大堀:勝手なもんですよね(笑)。

吉野:子どもの目が輝くようなことをいっしょにできたらいいんですよね。それは山じゃなくても全然いいですが、そういうのがあるといいなって、常に思っています。

――思うんですけど、結局両親が楽しそうに暮らしているのがいちばんなんじゃないかなって。

吉野:ああ、そうですね!

――父さん、人生エンジョイしていて楽しそうだなって思ってくれたらそれだけでいんじゃないかって。子どもにあんな体験やこんな体験という前に、自分がそんな体験をたくさんするほうが大事なんじゃないかって。

篠田:うちの子は3人もれなく「お父さんは自由で楽しそう」って友達やその家族にまで言っていますね(笑)。

――でも、お父さんが楽しそうでもお母さんが不幸そうなのはよくないですよね。

佐藤:そこは難しいですね(笑)。

篠田:難しい!(笑)。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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