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筆とまなざし#192「中津川宿の老舗の酒蔵にて、地酒『恵那山』をいただく」

地元の老舗の酒蔵「さざま酒造」訪ねて、はじめて『恵那山』をいただきました。

ぼくが暮らす岐阜県中津川市には中山道の宿場町「中津川宿」があって、その古い町並みに「はざま酒造」という酒蔵があります。じつに200年以上の歴史がある酒蔵で、作られている銘柄はひとつ。町の背後にそびえる日本百名山から名付けられた「恵那山」です。恵那山の伏流水を使って仕込まれていると言います。

この辺りには地酒がいくつかありますが近くの酒蔵のものをときどき飲む程度でした。中津川の市街地は家から少し離れているし古い街並みは車では行きにくい。これまで「はざま酒造」に行ったことはありませんでしたし「恵那山」も飲んだことがありませんでした。最近、たまたまこの古い町並みを歩く機会に恵まれ、それならばと酒蔵を訪ねたのです。

駅前の大通りから栗きんとんで有名な「すや」で道を折れるとそこがかつての中山道で、郵便局を通り越してしばらく進むと四ツ目川という小さな川を渡ります。さらにそのまま歩くと道は直角に左へ曲がり、すぐ右側がこれまた栗きんとんで有名な「川上屋」。さらにその先で再び直角に右に曲がる箇所の突き当たりにある昔ながらの建物が「はざま酒造」でした。ここのクランクは江戸時代に防衛のために設計されたそうで、通りの左右にはいまでも古い家々が立ち並んでいます。「はざま酒造」の横には「式内恵奈山上道」と書かれた石標が立っていて、昔はここから恵那山を目指して歩いて行ったのだそう。まさに恵那山登山の起点となる場所に酒蔵があるとは知りませんでした。

薄暗い店内に入ると「恵那山」が種類ごとに並んでいました。恵那山に登る際に立ち寄るお客さんも多いそうで、頂上に奉納するために購入する登山者もいるのだとか。麓の地酒を楽しむのも登山の楽しみのひとつだし、山の名前を冠した日本酒ならなおさら飲みたいと思うのは登山者心理。恵那山の伏流水を使っているというのも山好きにはそそられるポイントです。それなのにいままで飲んだことがないのも恥ずかしいなと思いつつ、夏の限定醸造「純米吟醸 夏乃照」という一本を購入してお店をあとにしました。

残暑が厳しかった昨日の夕飯時、よく冷やした「恵那山」をいただきました。キリッと爽やかで暑い夕べに心地よい味わい。地元の酒蔵を訪ね歩くのもいいものだと、いまさらながら感じました。次は別の「恵那山」を飲んでみようと思います。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

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