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テント泊を快眠へと導くスリーピングバッグの選び方

一日歩いて疲れきった身体を回復させるために大事なのは、なんといっても睡眠。テント泊最重要ギアのひとつと言っても過言ではない寝袋の選び方を、さかいやスポーツの松本知雄さんに教えていただいた。

文◉編集部 Text by PEAKS
写真◉廣瀬友春 Photo by Tomoharu Hirose
出典◉PEAKS 2020年8月号 No.129

シーンに合わせて選ぼう

日中はダラダラと汗を流しながら歩いていたとしても、日本アルプスなどの高山の稜線では、夏でも最低気温が一桁台まで下がる。暑がりか、寒がりか、人によって最適な寝袋も変わってくるが、多くの人が使いやすいのがスリーシーズン用。

モデルによるが基本的には気温0℃付近までは対応するので、夏はもちろん、厳しい状況でなければ晩春、早秋くらいまで使える。保温力を大きく左右する中綿素材は、軽くてコンパクトになり、重量あたりの保温力が高いダウンが主流。ただ化繊中綿にもさまざまなメリットがあるので、自分の使用シーンをイメージしてベストな寝袋を選ぼう。

中綿の素材

シート状保温材

ファイントラック/ポリゴンネスト イエロー
ファイントラック独自の保水しにくい保温材

ファイントラックのみが使用しているシート状の保温素材「ファインポリゴン」。こちらは化繊中綿に比べて水を含みにくく、乾きやすいのが特徴。そのため結露や発汗の影響を受けにくく、保温性が落ちにくい。収納サイズは化繊中綿よりひと回り小さい。

化繊中綿

モンベル/バロウバッグ #3
濡れに強いがダウンよりかさばる

重量あたりの暖かさはダウンほどではないが、濡れても保温力が低下しにくく、さらにコストパフォーマンスにも優れているのが化繊の中綿。ダウンと同程度の暖かさを得るためには多くの中綿が必要で、収納サイズも大きくなってしまうのが難点だ。

ダウン

イスカ/エア280X
軽くても暖かいから持っていきやすい

重量あたりの保温力に優れ、軽く・暖かく・コンパクトと三拍子揃っているのがダウン。保温力は、かさ高性を表すフィルパワーにも左右され、たとえば同じ重量のダウンが入っていたとしても、基本的にはフィルパワーの数値が高いほうが保温力にも優れる。

弱点は水濡れ。ダウンが濡れるとロフトが失われてしまい、保温力が一気に低下してしまう。テントの結露などでダウンが濡れないように注意しよう。

撥水ダウンも増加中

ダウンの弱点である濡れによるロフトの低下を克服するために、撥水加工が施されたダウンを使用した製品も近年増えている。濡れはもちろん、湿気にも強いので、高湿度でムレムレのような状況でも保温力が低下しにくい。もちろん自宅での洗濯も可能だ。

対応温度

寝袋選びでチェックすべき重要なポイントが対応温度。表記の仕方はメーカーによってさまざまだが、使用する際に目安となる気温が公表されており、選ぶ際の参考となる。最近ではEU規格の「ヨーロピアン・ノーム」を採用する国内メーカーも増えており、よりモデルの比較がしやすくなっている。なお、寒さへの耐性は個人差も非常に大きいので、不安な場合は保温力が高めのものを選ぼう。

ヨーロピアン・ノームによる表記。「コンフォート」「リミット」「エクストリーム」の三段階で目安となる温度が表示されている。

収納サイズ

テント泊の装備のなかでも、寝袋はバックパック内で大きなスペースを取る大物。それゆえに収納サイズもしっかりとチェックしておく必要がある。収納サイズは主に中綿素材によって左右される。同程度の適応温度の場合、化繊中綿が一番サイズが大きくなり、ダウンの場合はフィルパワーの数値が低いほうがよりかさばる。なお、コンプレッションの仕方によっても収納サイズは変わってくる。

左からスリーシーズンの化繊中綿、スリーシーズンのダウン、夏用のダウン。製品によりサイズがかなり異なる。

生地

山岳用の寝袋は軽量・コンパクトを意識して薄手の生地が使用されている。生地には撥水加工が施されているものも多いが、天候条件や使い方が悪いと中綿が湿って保温力が低下してしまう。そんなときはカバーを使用するのも手だが、寝袋の生地自体に防水透湿素材を使ったものであれば、カバーなしでも濡れを防いでくれる。最近は薄手の防水透湿素材が登場しており、重量もそれほど増加しない。

ナンガ独自の防水透湿素材「オーロラテックス」。撥水でなく防水なので、結露したテント本体に触れたりしても中のダウンは濡れくい。
ナンガ/オーロラライト 350 DX

ファスナーの作り

ディテールに関しては、モデルによりさまざまな工夫が施されている。なかでも使い勝手を大きく左右するのはファスナーの作り。一般的な製品は足元までファスナーがあるが、軽量化を意識したモデルはファスナーが途中まで、あるいはなしというモデルもある。

ファスナーが長ければ入りやすい、多様な使い方ができるなどのメリットがあるが、逆に重量増、寒気が入るなどのデメリットにもなる。

ファスナーが上部のみのモデル。ファスナーを全開にした掛け布団のような使い方はできないが、ファスナーレスに比べると入りやすい。
ナンガ/ネロライト0
ファスナーがフルレングスなら、暑いときは足元だけ開けて熱を逃がすなど状況に合わせてさまざまな使い方ができる。
モンベル/ダウンハガー800 Women’s #3

サイズ

基本的には寝袋は成人男性に合わせたサイズとなっているが、身長の低い男性や女性だと足元が余ってしまう。モデルによっては全長が短いものもあるので、もし気になるモデルでショート設定があれば体型に合わせて選ぶようにしよう。

またそれとは別に、最近はインシュレーションジャケットと組み合せて使う半身用のモデルもいくつか出ている。軽量化を目指すのであれば、このような製品も視野に入れてみるのもいいだろう。

インシュレーションジャケットと組み合せて使う半身用寝袋。対応温度は5℃以上の夏山向けだが、重量は200g弱と圧倒的に軽く、コンパクト。 ナンガ/エレファントフット スリーピングバッグ100

教えてくれた方

さかいやスポーツ エコープラザ/松本知雄さん

軽い装備で山をファストに駆けるのが好き。夏なら薄手の寝袋を身体の上に掛けるだけで十分という、軽量化には有利な暑がりや。

出典

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PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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