ライチョウに出会える!? 4ルート
PEAKS 編集部
- 2021年08月19日
INDEX
日本アルプスの野鳥といえばライチョウ。ライチョウに出会いに行きたいという人のための厳選ルート。野鳥やライチョウに詳しいフォトグラファー3人からご紹介。ライチョウに出会えたら、マナーを守り適度な距離を保って観察しましょうね。
文・写真◉矢島慎一、大塚 伸、高橋広平 Text & Photo by Shinichi Yajima, Shin Otsuka,Kohei Takahashi
出典◉PEAKS 2020年6月号 No.127
リコメンダー
フォトグラファー/矢島慎一
アルプスをはじめ、日本各地の山で撮影するかたわら、趣味の野鳥観察を楽しむ。小誌連載「そろそろ本気で撮るぜ山写真」を担当。
フォトグラファー/大塚 伸
春から初冬は立山に常駐してライチョウ調査に従事し、真冬はニセコ周辺でバックパカントリースキー&スノーボードの撮影をする。
雷鳥写真家/高橋広平
元山小屋スタッフ。ライチョウに出会って以来、雷鳥写真家として活動する。現在は安曇野を拠点にライチョウの生態系を追っている。
ヤリホの展望とライチョウの気配濃厚ルート。【北アルプス/2泊3日】
鏡平を筆頭に、いくつもの槍穂展望地が点在するパノラマルート。笠ヶ岳に至る穏やかな稜線はハイマツの絨毯に覆われていて、いつライチョウが現れても不思議ではないシチュエーションだ。
咲き誇る花々を愛でながら歩けば、イワヒバリやカヤクグリ、ホシガラスなど、アルプスを代表する野鳥たちにも出会えるはず。笠ヶ岳周辺では、悠然と舞うイヌワシの姿が見られるかもしれない。(矢島慎一)
アクセス
関東、中部、関西方面から新穂高までバス便あり。車の場合は長野自動車道松本ICから90分、東海北陸自動車道高山ICから70分、北陸自動車道富山ICから90分。
マップ
アドバイス
公共交通機関利用の場合、わさび平小屋に前泊で3泊4日の行程となる。笠ヶ岳~クリヤ谷を経て中尾高原口のルートは笠新道より歩きづらく、雨天、増水時は避けたい。
静かな稜線で雷鳥縦走。【北アルプス/1泊2日】
静かな縦走路でライチョウ観察。高山植物で有名な五色ヶ原への縦走路は、ライチョウの生息数が多く登山者が少ないので静かに観察するにはもってこい。
標高こそ3,000mに満たない稜線だが、東に後立山連峰、西に立山カルデラ、南北には果てしないアルプスの峰々と景観は抜群。帰りは山頂部にお花畑が広がるライチョウ天国の浄土山に寄っていこう。(大塚 伸)
アクセス
富山県側は立山駅からケーブルカーとバスを乗り継ぎ室堂駅へ。長野県側からは扇沢から関電トンネル電気バス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、トロリーバスを乗り継ぐ。
マップ
アドバイス
ハクサンコザクラなど高山植物で有名なエリアなのでライチョウと併せて花も楽しめる。夢中になるあまり、遊歩道以外にはみ出したりライチョウを取り囲んで撮影しないように。
ライチョウ×表銀座のパノラマ満足ルート。【北アルプス/2泊3日】
表銀座ではまんべんなくライチョウが生息しているためルート上でライチョウに出会えるチャンスもあるだろう。4月中旬~ 6月末ごろまではオスが縄張りの見張りのために見晴らしのいい岩場や樹木の上にとまっていることが多く、そういったところに注目しながら歩いてみると見つけやすい。
初夏以降の子育て時期は、登山道脇のハイマツで涼んでいたり、残雪のきわなどで見られる。稜線上では槍ヶ岳を望めるため、槍ヶ岳をバックにライチョウショットも狙えるだろう。(高橋広平)
アクセス
燕岳登山口まで、シーズン中は定期バスを利用できるが時刻表を要チェック。車の場合は無料駐車場を利用、駐車場~登山口まで約1㎞。下山口の三股登山口にも駐車場がある。
マップ
アドバイス
中房温泉~第2ベンチまでがとくにに急登でがんばりが必要。常念小屋~常念岳山頂は落石に注意。常念岳山頂~長い下りで、2日目の足に堪える。痛めないようゆっくり歩こう。
のんびりすごす、雷鳥三昧ルート。【北アルプス/1泊2日】
世界有数の生息地の立山でゆっくりライチョウ観察。初夏はオス同士の激しい縄張り争い、夏はかわいいヒナとお母さんの子育て物語。立山の山岳景観に囲まれたライチョウの楽園ですごすルート。
日帰り入浴を楽しめる山小屋もあり、室堂から野営場も近くテント泊初心者や山に不慣れな人も安心。とにかく登山よりもライチョウという人にオススメ!(大塚 伸)
アクセス
立山駅、扇沢駅から立山黒部アルペンルートで室堂へ(5月初旬現在営業休止中。詳しくはHPで要確認のこと)。混雑時は整理券の発行があり倍の時間がかかることも。要注意。
マップ
アドバイス
余裕があれば、ライチョウ生息密度の高い雷鳥坂まで足をのばしてもいい。ライチョウの聖地とも呼ばれるみくりが池周辺でもゆっくり楽しめる。マナーを守って静かに観察を。
※新型コロナウイルスの影響により、最新情報に関しては山小屋・観光協会等、各所にお問い合わせください。
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- 文・写真◉矢島慎一、大塚 伸、高橋広平 Text & Photo by Shinichi Yajima, Shin Otsuka,Kohei Takahashi
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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