抜き足、差し足、大キレット ルートガイド
PEAKS 編集部
- 2021年09月01日
INDEX
「大キレットから槍ヶ岳を眺めたい」高所への恐怖心が対照的だった男二人の山旅をルートで振り返ってみよう。北アルプスを代表する岩稜ルートだ。
北アルプスを代表する岩稜ルート。
>>>ルポの前編・後編はこちら
文◉麻生弘毅 Text by Koki Aso
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
取材期間:2019年9月19日~ 21日
出典◉PEAKS 2020年7月号 No.128
天国のような上高地から槍ヶ岳を経て(ないけど)、身の毛もよだつ大キレットを通過して北穂高岳へ。北穂高岳から涸沢への下りも、落石の危険があるなど要注意。
データ
- 1日目:上高地~殺生ヒュッテ
- 2日目:殺生ヒュッテ~大キレット~北穂高小屋
- 3日目:北穂高小屋~涸沢~上高地
アクセス
公共交通機関で上高地に向かう場合、松本電鉄上高地線新島々駅から路線バス、もしくはタクシーで。東京、名古屋、大阪からは上高地までの直行バスもある。車の場合、駐車場のある沢渡からシャトルバスやタクシーを利用。現地の状況については、上高地公式ウェブサイトにて確認を。
www.kamikochi.or.jp
マップ
①上高地から梓川~槍沢を遡る。一ノ俣谷の手前「槍見河原」で、ようやく槍ヶ岳がこんにちは!
②大キレット通過を考えると、宿泊は槍ヶ岳山荘がベスト。しかし、殺生ヒュッテのテント場は眺めが抜群!
③南岳小屋までは快適な雲上の道。大喰岳(3,101m)、中岳(3,084m)、南岳(3,033m)と3,000m峰が続く。
④南岳を下って南岳小屋へ。ようやく大キレットが近づいてくる。状況が悪ければ、槍ケ岳方面へ引き返そう。
⑤南岳小屋を下ってゆくと、恐ろしい大キレットの全貌が明らかになってゆく。登山者が米粒のよう……。
⑥南岳小屋から「最低コル」への高低差は227m。高度感のあるハシゴ、クサリ場が続き、早くも緊張感が……。
⑦大キレット中、もっとも標高の低い「最低コル」(2,748m)でひと休み。ここからが大キレットの本番。
⑧「最低コル」から100mほど登った「長谷川ピーク」。ここはピークまでの登りよりも下りが俄然、難しい。
⑨「長谷川ピーク」の全貌。ピークからクサリのない薄い岩稜を下ってゆく。すれ違うときは譲り合って。
⑩「長谷川ピーク」と並ぶ難所「飛騨泣き」。足場は安定しており、ボルトも設置してあるが、高度感がすさまじい。
アドバイス
大キレットをゆく場合、核心部である「長谷川ピーク~飛騨泣き」が登りとなるため、槍ヶ岳側から歩くほうが難易度が低い。南岳小屋から北穂高小屋はコースタイムで3時間30分。その間、エスケープルートはないので、天候にはよくよく注意を。大キレット内は起伏も激しいので、体力的な余裕をもって臨みたい。
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文◉麻生弘毅 Text by Koki Aso
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
取材期間:2019年9月19日~ 21日
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。