テント泊ソロ装備紹介〜牛田浩一さんの場合〜
PEAKS 編集部
- 2021年09月27日
普段からソロ登山を楽しんでいるプロたちの装備はどんなものなのか? 登山を楽しむ人であれば気になる山にかかわる業界人たちの装備をあますことなく公開してもらいました。今回は、アウトドアコーディネーター牛田浩一さんに、飯豊連峰テント泊2日間の山行を想定した装備をご紹介していただきました。
文◎堀内一秀 Text by Kazuhide Horiuchi
写真◎金井塚太郎 Photo by Taro Kanaizuka
出典◎PEAKS特別編集 【最新版】みんなの山道具
荷物が重くなろうとも「楽しむ」がイチバン
山の道具はどんどん軽く、性能のよいものが出てくる。昔は数日の縦走であれば20㎏超えの荷物は当たり前だったが、いまなら10数㎏で事足りる。ただ、山の荷物は軽ければ軽いほどいいのか、といえばそうではない。登山はあくまで趣味なのだから、山で楽しむための道具まで削ってしまっては本末転倒になってしまう。
牛田さんが飯豊(いいで)連峰の縦走を想定して選んだ道具を見ていると、そんな「楽しむための山登り」という考えが改めて思い起こされる。メリノウールやダウンを多用して、軽くできるものはできるだけ軽く、でも山で飲むときのつまみを炙るための網は必携装備。「楽しむための山登り」を具現化するための道具が、そこには揃っている。
牛田さんに装備の選び方を聞くと、「趣味なのだから、気に入らないものを使う必要はないですよね。だから自分にとって価値があると思えば、その道具を買うためのお金は惜しまない」といい切る。そのうえで、「信頼して長く使える」とも。たしかに山の道具はある種自分の命を預けるものだけに、信頼できる道具は安心に繋がる。
趣味なのだから、お金をケチってもしようがない。気に入ったものに囲まれて山ですごす、それがアウトドアのなによりの楽しみ方だ、と教えられた気がする。
【テント泊装備】飯豊連峰(1泊2日)の場合
衣[WEAR]
マックパック フィヨルド40
容量:40ℓ
総重量:9.4kg
(右上から)
- ウエアを収納する防水袋。
- レインウエアの上下はティートンブロスのツルギライトジャケットと、ブレースパンツ。
- テント場での衣類はマックパックのダウンジャケット(これは日本未展開のもの)。
- アンダーウエアはアイスブレーカーの150ゾーンSSクルーとアナトミカボクサー。どちらもメリノウール。
- ソックスはダーンタフのヒーディストライプマイクロルールライトクッション。
- マウンテンイクイップメントのダウンパンツ。
- テント場ではエクスペドのダウンシューズを履いてトレッキング中に溜まった足へのストレスを解放する。
食[COOK]
(左上から)
- 行動食は、ミックスナッツと柿の種、レーズン、グリーン豆をまとめて密閉式ビニール袋へ。
- 早ゆでトルネードというパスタとパスタソースを数種類。右の袋がソースとなる。
- 調味料入れはMSRのアルパインスパイスシェイカーとソルト&ペッパーシェイカー。
- エナジーバー2本は朝食用。
- MSRのトレイルミニソロクックセット。
- クリーンカンティーンの真空ボトル。
- アルコールバーナーとアルコール。
- プラティパスのウォーターボトル。ひとつはワイン用。
- おつまみ3種。ビーフジャーキーなど。
- おつまみを炙るためのユニフレームマルチロースター。
- カトラリーはMSRのスポークとベルモントのフィールドスティック。
住[STAY]
(左上から)
- テントはMSRのアドバンスプロ2。荷物を置く場所などを確保するため、余裕をもって2人用だが、シングルウォールで軽量。
- 激しい行動を支える安眠のため、枕も持参する。これはサーマレストのエアヘッドピロー。
- スリーピングバッグカバーはAMKのサーマルビビィを使用。
- サーマレストのネオエアーXライトレギュラーをスリーピングバッグの下に敷く。
- スリーピングバッグはナンガのオーロラライト350。軽量ながら温かい。
その他[OTHER]
(上から)
- トレッキングポールは折りたたみ式のものを。滑りやすい下りなどで重宝する。
- 小型LEDランタン。ヘッドランプ。防水袋。
- 携帯用予備のバッテリー。非常の場合には、これが命綱になることも。
- 個人の用途に合わせた薬品一式。防水ケースに入れている。
- 浄水器はMSRのトレイルショット。
- 危ない場所に立ち入ってしまったときのためのスリング類や細引き。
- 山では絶対持っていたいマルチツール。
- スリングといっしょに使うカラビナ。
- クマが生息している地域では必携のクマ鈴。
- フリント式ライターはビックがお気に入り。
- ファーストエイドキット。個人の必要に応じて中身を入れ替えると使いやすい。
- サバイバルキット。自分が行く地域の特性に合わせたものを自分向けにアレンジする。
- 最悪の場合を想定したエマージェンシーシート。
- 『山と高原地図』。
こだわりアイテム
山でもつまみはしっかり炙る
お酒を飲むのはトレッキングの楽しみのひとつなので、つまみもしっかり炙りたい。ということで、ユニフレームのマルチロースターという焼き網をいつも持っていく。
非常の際に使う小型浄水器
MSRのトレイルショットは、フィルターを覆う本体がポンプになっており、握るだけで浄水が可能。浄水しながら直接飲むことも。145.8gと軽量で持ち運びも◎
使うほどよさがわかるメリノウールのウエア
行動中もテント場でも、メリノウールウエアを多用している。肌触りがよく暖かく、汗をかいても臭くなりにくい。アウトドアはもちろん、街用としても愛用。
テント間取り図
MSR アドバンスプロ2
総重量:1.32㎏
収容人数:2人
本体に防水透湿素材を使用したシングルウォール。空間にゆとりがあり、2人がスリーピングバッグに入って寝られるサイズ。1人のときはスリーピングバッグを片側に寄せ、空いたスペースにクッカーや食料などを並べる。
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文◎堀内一秀 Text by Kazuhide Horiuchi
写真◎金井塚太郎 Photo by Taro Kanaizuka
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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