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筆とまなざし#246「笠置山で『初めてのロッククライミング』体験会を開催しました」

『初めてのロッククライミング』。子どもたちにとっては刺激に満ち溢れた大冒険でした。

「娘がロッククライミングをしてみたいと言ってるんですが、子ども向けの体験会はやっていますか?」

知人からそう連絡があったのは3週間ほど前のことでした。定期的には行なっていませんが、これまでご要望のあったときに何度か体験会を行なったことがあります。ちょうど10月最初の日曜日なら行なえそうだったので、急遽SNSや知人を頼りに参加者を募集。「初めてのロッククライミング!」と題して、親子でクライミングを楽しめる体験会を企画しました。

笠置山には既存のルートが100本ほどありますが、全く初めての子どもが登るには少し難しい。ふと、駐車場から近いところに10mほどの傾斜の緩い岩があるのを思い出しました。一般的なルートにしては易しすぎるだろうと開拓していなかった岩です。

2日ほどかけて掃除し、トップロープができるように終了点を4箇所に打ちました。ライン取りによって5〜6本のルートを登ることができます。実際に登ってみると、5.6~5.8くらいの難易度。子どもたちにちょうどよく、大人でも十分楽しめる岩場が完成しました。

どのくらいの応募があるのか未知でしたが、蓋を開けてみると10名の子どもと2名のお父さんという、これまでにない大盛況。長雨の影響で湿度の高かった笠置山もようやく乾燥してきて本格的なクライミングシーズン到来。秋晴れの空の下、絶好のクライミング日和となりました。

3箇所に張ったトップロープにビレイヤーが付き、それぞれ登りたいルートを登ってもらうことにしました。横にそれすぎないようにだけ注意し、持ちやすいホールドにチョークをつけてきただけ。あとは子どもたちに任せて自由に登ってもらいました。スイスイ登る子どももいれば、登れない箇所をなんとか登ろうと必死に岩にへばりつく子どもがいたり、途中で泣き出してしまう子どももいました。いきなり高い岩にロープをつけて登らせられたのでは、怖いのも当然です。最初は恐る恐るロワーダウンしていた子どもたちも3本登るうちにすっかり慣れてきました。最後はいちばん右の最難ルートに果敢にトライして終わりました。

ぼくらにとっては当たり前のクライミングも、子どもたちにとっては刺激に満ち溢れた冒険でした。多感な彼ら、彼女らはどんなことを感じたのでしょうか。

子どもたちは思ったよりもみんなスリムで、小さなハーネスが足りませんでした。進行方法などにもたくさん反省点が見つかり、自分にとっても学びの多い体験会となりました。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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